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美容コーナーは共同なのか

 多目的施設はアーケードで覆われた広大な建物になった。

「お嬢様。私でよろしいのでございますか」

 マームが戸惑う。セルフダイニングの責任者はマームだと決めている。

「庶民も親しみがわくはずよ。母や婦人会の方々がサポートしてくださるから」

「たしかに、お嬢様のことを聞きたがりに来てますから。お喋りになりますよ」

「良いと思う。ほんとはね、私が施術したいんだ。遠慮なく来て欲しい。教えるだけじゃなくてさ、何かやってあげたいんだ」

「温泉は喜んでおります。そのリン波念力も、ほんとはして欲しいはずですよ」

「そうだよね。また子供のころみたいに、来て来てって言えばいいかな」

「どうでしょうか」幼いころのようにはいかないだろうというような素振り。

「わかりました、私がお嬢様のお気持ちを伝えておきましょう」

 (マームに任せればいいか。市場でも間を取り持ってたしね)

 市場から港へ続く道路に構えるセルフダイニングは王都から来ると目立つ場所だ。

そこから公道沿いに長い広場が設けられて、美容コーナーのほかにも出店している。

(こんなに出店希望があるなんて思わなかったよ)

 エリカのつながりで美容体操みたいなものもあるし、生け花、書道などカルチャースクールまで参加した。占いとかも狭い場所で始まるらしい。間切りを自由に変えられる方法はニーバンが提案したのだ。


 それで美容コーナー。活動拠点をフーモト地方に決めたソフィーとエリカ。

「ご一緒に施術してよろしいのよ。ただ、お騒ぎなさる、あの方法は分けたほうがよくてよ」

 ソフィーが望むのは落ち着いた美容室の雰囲気だろう。リン波念力を持続して学びたいらしく、同じ場所へ施術椅子を置く話になっている。

(ま、いいけどさー)

 ここにエリカもいて、美容コーナーの間切りを考えいるところだ。

「トータル美容でオッケー。リン波念力、表情作りにナイスアイデアくれますね」

(エマから聞いたらしいから。それに、リンパを応用するつもりなのよ)

「だから、施術椅子を並べて一緒にならいいでしょ」

(それにソフィーがねー。また話が戻るのかー)

「エリカの方が、ちょっと静かになさればよろしいのよ」

「楽しくがモットー。お喋りが美容にグッドね」

(私抜きでいいなら勝手にして、だけどさー。一緒にしようって話。堂々巡りだー)

「お喋りに椅子は使わなくてよくてよ」

「シークレットあります。シャンプーできます。女優の嗜み、応援してます」

「髪を洗ってあげるの? 見たいよね」

 施術椅子が必要らしい。ここで負けないのがソフィー。

「当然のことですわね。店を構えるときは常識ですのよ」

「シャンプーも。水が跳ねるでしょ」

「やりかた、あります」

「心得てよ」

(だからさー。別々にやればって、最初に言ったでしょ。場所は広いし。あれっ、そうか)

「あのね。一列に10個ぐらい並べれば。ソフィーはどうかしら」

「10個でございますの。贅沢な」

「場所は広いし、まん中で私が居ればいいでしょ。エリカも賛成よね」

(もう、むりやり賛成してもらうしかないよ)

「椅子五個分、距離は」考えるようにする。

「我慢してあげてよ」

 ソフィーが賛成した。ここで主導権も取りたいらしい。

「お店は見た目も大切ですのよ、そこは任せてもらってよろしいのよ」

「分かりあえます。ナイスビューティーサロンなります」

(エリカはねー、ほかの場所もあるし。美容術へ絡みたいのが本音みたい)

 それからはスムーズに運ぶ。ほかの施術方法も受け入れることは、お互いに参考にできるものはないかと一致した意見だ。



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