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最強のお喋り美容術

 馬車から馬を取ると車。それで動くから自動車だが、もう一台つなげて列車にはならないのか。馬車軌道へ乗りつけると、思いだした。

「神話時代にあったという列車だね」

 アカリーヌは納得した。いつもの三人で馬車の後部座席に座っている。荷馬車が鎧を被ったみたいな恰好で前を行く。エンジンがつけられて金属の歯車が回転する音。

「つなげて当たりじゃな。少しは静かに聞こえるでな」

「王都まで、あっという間やでー。エンジンのお陰かー」

 草刈りをしていた幌馬車のようなものは、自動車として使えた。金色の馬車を連結して商店街へ向かっているところだ。

「粘土美容のソフィーが利用しておるのじゃ」

 商店街の美容コーナーは、粘土美容術で使用しているらしい。

「リン波念力を教えると約束してたけど」

「これからやろうなー。庶民も戦争のことで、騒いでいたはずやでー」

「やっとじゃな。商店街も開店する余裕ができたはずじゃ」

 話す間にも駐馬車場にきた。とりあえずは列車というか自動車も停まる。前の座席からニーバンと御者が降りてきた。

「兄へ話もあるから。また、合図する」

 ニーバンはイチタロへエンジンのことで相談があるらしい。運転手として御者も役目を与えられそうなことを話してはいた。

「美容コーナーで。ちょっと時間がかかるかな」

 フーモトでセルフダイニングを始めるとして、美容術も忘れてはいない。まずは、様子をみてからだ。


 アーホカたちがいた場所で粘土美容はしていた。

「あらあら、お待ちしておりましたわ。王女様におかれましては、お久しゅうで。ハルナ様も、ごきげんいかが」

「フーモトでやる予定だけど。うん、リン波念力は知ってるでしょ」

(知ってたらしいから、自分で教えてとも言いたいけどさー。なにか店のやり方は参考になるよね)

「その指使いを見たいのですわ。見ると聞くでは違いますのよ。粘土美容術を習いたいなら見せてもよろしくてよ」

(見せたいのだね。持ちあげようと)

「はい。羽の使い方は面白い、じゃなくて参考になります」

「ふむ、そこまで仰せになるのであれば、見せて差し上げましょう」

(なるほどね。付き合うのに要領をつかめば、頼れるかな)

 キャリロン王女とハルナは相槌をしながらも距離は置こうとのかまえらしい。

(端っこも施術してるけど、お喋りばかりみたい)

 お客様が小型の三面鏡を持って眺めている。興味はあるところだ。


 粘土美容術の大きな流れは、同じだ。オイルマッサージも軽く、ソフィーも言葉遣いが丁寧にはなっている。

(さすがプロだね。羽の使い方も上手い。やっぱり知ってるのかしら、リン波念力とにてるよね)

「アカリーヌ様も施術してよろしくてよ。教え子たちをお使いになっても構いませんわ」

(やり方を直接に見たいのでしょ。ま、広めるのが目的でもあるし)

「リン波念力の奥義を教え、じゃなくて。ご覧いただければ幸いです」

 そういうわけで久しぶりに施術することにした。

「デコルテからだと、効果もあがりますが」

「ほう、なかなか面白いやり方をするではありませんか。ならば、見物して差し上げましょう」

(あれ! やってないの。もしかして、逆に教えられるんじゃないかしら)


 そういうわけで、手の内を明かしたライバル関係になるはずだ。粘土美容術の教え子たちは真剣な表情で見守っている。

(緊張してる。いや、熱い、なにか未来が見えたみたい)

 リン波念力を後世へ伝える第一歩の気がした。


 お客様が来た。感想を述べるのも短くして、今回は終わる。

「久しぶりやなー」

 ハルナがお喋りばかりしていた施術者へ話す。施術は終わったらしい。

「プリンセスも久しぶり」

「エリカも絶好調じゃな。こんどは長くできるんじゃろうな」

「0h! それは有ります。うるさい女、いない。オッケーですね」

(うるさいのは自分でしょ。ま、アーホカ様は絡んできたからか。まえに居た人だよね。お喋りで効果があるんだ)

「変わった美容術だね。あの。三面鏡なんか持たせてどうするの」

「あなたは、蹴飛ばし姫ですね、覚えてます」

 台風の時に避難していたらしい。

「どこから、その姫とか」

「お芝居あります。シンデレラがガラスの靴で王子様を蹴り飛ばす場面、靴が脱げる、最高です」

「演劇かー。もしかして誰が主役」

「エマのアドリブ、she said 。モデルがいる、あなたですね」

「はい。そういうことかー。ほんと役者さんだよね」

(エマは演劇の材料にしたんだ、いいけど。ま、それは良いとして。施術のことだ)

「三面鏡を持たせるって、なぜなの」

「表情筋をナチュラルな感情で動かす。良い顔になります。プリティーガールです」

「肌に触らないでいいからね」

「皮膚への刺激が、結局はマッサージとおなじでなー」

「一番の人気じゃ。お喋りのたまり場になっておったな」

「なるほどね。自然な動きが良いのか」

(使うから動くし、筋肉も。笑顔がいいとか言われてるし。自分で確かめながらするんだね)

 無理に鍛えるようなものは、すぐに衰えるのも早い。お喋りをして表情筋を動かすのが理想かも知れない。

「施術はカウンセラーね。心も肌もクリーンにします」

「ただのお喋りではないんだ」

「基本はあるようやでー」

「エリカは演劇の指導をしてるんじゃ。そのコツを応用してるんじゃな」

「トーク好きです。たくさん人はあつまり、たくさん話す、ベリーナイス」

「そういう集まりの場所もいいよね。食事してお喋りして、施術もする」

「あの場所ならできるでー」

「そうじゃな。女性のコミュニテイーセンターじゃ」

 そういうわけでセルフダイニングを備えた

多目的施設のコンセプトが決まった。


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