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セルフダイニングと言う結論

「だし巻き卵でございますか」

 マームは軽く引き受けて作ってくれたが、見るとやるでは大違い。

「特訓だね。スクランブルエッグでもいいけど」

 自分で作り皿に置いた、バラバラになった卵をみていう。

「あれも難しいでー。ばらばらでも良いけどなー」

 ハルナは経験もしたらしい。

「温泉卵は簡単じゃろうな」

「お湯に入れて待てばよろしいのです。ただ、味付けがむつかしゅうございます」

「卵料理も奥が深いのじゃな」

 キャリロン王女も、巻かれてないだし巻き卵をみて、ため息を吐く。

「面白いアイデアがございますれば、メイドなら上手く作れますので。お任せしたほうがよろしいかと」

「そうだね。温泉もそうだったし」


 そういうわけで、自分で作っただし巻き卵もどきをおかずに昼食を取る。

「料理で勝負と言うのもたいへんじゃ」

「一回では食べ比べられへんでー」

「美容効果もすぐにあらわれないしねー」

 マームは食生活に詳しいらしい。

「メイド仲間から聞いておりますが、外国ではセルフダイニングが流行ってるようでございます」

 食材を選んで自分で作る形のようだ。バーベキューもその類らしい。

「庶民が集まって賑やかに食べるのはいいよね」

「食べる量や種類が選べるでなー。一人でも、周りを見て楽しいかもなー」

「よいアイデアじゃ。スパイスも使いまわせばよい」

「庶民では買えない物も使えると。マーム。それでいこう」

「ニーバン様なら、ご存じなはずでございますが、食べ物に無頓着なごようす」

(うん。ニーバンは外国のことに詳しいから。なんでも協力するといってたし)

「会いに行こう。ボンクラ屋敷を改造するとか話してたから」

 ここで話しが大きく変わって来た。

(庶民があつまって賑やかにできる場所だよね。買物じゃなくて遊びにもこれるような施設なら)

 公道を行きかう旅人も来てくれると考えた。

(美容術を極めたいけど。もっと庶民が、ちがうかな。私は庶民といるのが楽しいんだよ)


 それで金色の馬車に乗りボンクラ屋敷へ。金属の擦れ合う音がうるさい。

「なに、あれ」

「奇怪な乗り物じゃ」

「草を刈っとるでー。大袈裟なカラクリやなー」

「まずは、ニーバン様にお会いしてからと」

 馬車を降りて玄関へ向かう。業者は家具の入れ替えや掃除で忙しい。

「散らかってるから」ニーバンが裏手へ案内する。

 イチタロも様子を見に来ていた。

「形だけは王様と女王様の住まいだからな」

「まだ一緒に住むのは都合がわるいかと」

(婚約で親の顔合わせもまだだし、いちゃいちゃラブラブもしてないし。一緒にすめないでしょ)

「完成するのは先だから」ニーバンが照れながら話す。

「それより、天守閣の武器のことだ」

「そうだった。なにかあったかしら」

(私はそういう話題しかないのかい! ま、ここで甘い会話もできないか)

「そういえば、うるさいのー」

「関係あるのじゃな」

「妙な形の草刈り機械は気になるよね」

 4人で近づいて行く。マームが手伝うことはないかと、小物を運ぶのが見えた。


 草刈りをしているのは幌馬車の形だがショベルカーのようなアームが伸びる。

「先端は十字に組まれた剣が回っている。5台あったが、戦争に使われると騎士は近寄れない」

「確かにね。ぅわっ、根こそぎ」

「小枝ぐらいは簡単じゃな」

「向かって来られたら危ないでー。早いのかー」

「走っても追いつくだろう。魔王エーアイが作ったエンジンという仕組みだ」

「草刈りなら、助かるよね」

「カガクには裏表があるのさ。天守閣にあったエンジンは生活にも役立ちそうだ」

(庶民の役にたてそうかな。あ、そうだ)

「セルフダイニングをやりたいんだけどさ。詳しいこと、おしえてくれない?」

「食べ物の美容術は、そこへ行きついたか。旅の途中で、ご飯を取り、おにぎりを作っただけだが」

「ニーバン様は作るのがうまいんかー」

「いや。笹の葉にご飯を乗せただけだが。うん、ご飯とかは提供してたかな。時間のかかる肉は切ってたりしていたか」

「役に立つ話じゃ。下準備はするのじゃな。場所はどうじゃ」

「人の通りが多い場所でしょう。そうだな、この公道沿いで良いんじゃないかな」

「そうじゃな。迎賓館から港へ向けて草地があろう」

「良い場所でんなー。市場にも近いでー」

「景色が変わるけど。うん、人は集まると思う」

(見慣れた景色が変わるのはねー。でもさー。私だけの感傷かもしれない。庶民がもっと楽しめれば良い)


 エンジンの正体は時計と同じ仕組みだが、形状記憶合金が巻かれて、回転へと変換するやり方。瞬発力を利用した威力の強い矢を放つこともできた。天守閣には、岩を砕く回転ドリルやブルドーザー、ローラーカーがあった。どれも戦争になれば石垣や家を壊す恐怖の武器だ。


 ニーバンの話ではセルフダイニングの周りに遊技場もあるという。

「賭け事をする者もいたが、ちょっと迷惑だったらしい」

「女は賭け事を好まないんじゃ。面白い催し物はいいであるな」

「演劇はいいでー。美容術をするのもかまへんやろー」

「そうだね。多目的な広場かー。作れるね。あの広さだと」

 迎賓館から港までは広い敷地だ。市場も目の前にある。将来の住まいも近くとなれば文句もない。

「あれこれやりたいことが多いな。やれるさ女王さま」

「その言い方はいやだ」

「慣れたほうがいいでー」

「そうじゃ。使い分けるのが女王じゃ」

「だから、もう。おじょおーさまなら許してあげる」

「それはなー、王女さまとかぶるでー」

「慣れるでな。ニーバン王はどうじゃ」

「なに。肩がこる」

「でました」3人娘はその口癖に笑顔で笑った。

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