表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
恋と美容術で男爵令嬢は天下を取りに行く  作者: 乙巴じゅん
6章・美容対決で企むもの
27/49

第二王子オリコオ

 追いつけない流れに、ニーバンの具合を聞き忘れたが、美容術が優先だ。二日目の対決も無難に終えた。

(手ごたえはあるけど、油断できないよねー。ま、施術は真剣勝負ってことか)

 片付けも終えると、マームへ合図する。 

「そろそろ帰ろうか。ダニエルも、いつまで喋ってるの」

 ハルナと話してるところへ声をかける。

(ハルナ様も御者を待たせてるんだから、気をまわせって)

「では、そろそろ。姉上がうるさいので」

 気取って言うが、なにかに気付いたらしい。

「うわわっ。オリコオ王子様」

 緊張したように固まるが、第二王子はここへ目を向けているわけでもない。紫のマントを着るが、オーボチャマ王子より痩せているし、王様に似てがっしりした顎のラインが15歳にしては大人っぽい印象を与える。

 第二王子オリコオも午前中はたまに来るらしい。それで話すときもあるのだろう。

「遅い時間でわるい。オリエに聞きたいことがあってな」

 古い書物をもってきて、知りたいらしいページを開く。

「ときは案ずるにあたわず。我に心得あらば、説き語らん」

(初めてオリエ様の声を聴いたけど、やはり古語だよ。あんがい親しいらしいよねー)

 地方によって言葉の訛りはあるが、タニマノ地方は古語に近い。

「タニマノ地方のことであるが、オリエは、この傘を分かるか」

「このふみを読みとくる才あらば、 雨降る空にさす 傘の真意(こころ)ぞ知るらむ」

「玩具ということであるか」

「前に語りし 玩具のカラクリや何たるか。その言葉ことのはこそ 今も変わらず」

「分かった。いまもあるのか」

「さは、たわむれなり」

「そうであるな。ありがとう、納得いたした」

 オリコオ第二王子は納得したように書物を抱えて戻る。


 馬車になりながらダニエルと話す。

「ダニエルも勉強しないとね」

(なんとなく意味は分かった。傘が玩具とか。なにか深い意味があるんだよ。第二王子様は勉強に熱心だし、王家子爵として活躍なさるはず)

「やってるよ、一応は。ニーバン様が外国のことも聞かせてくださる」

「思ったより会ってるんだね」

「ことわざにあるはず。将を射んと欲すれば先ず馬を射よ」

「そうかなー。意味が分かってるのかしらね」

「きっと、大臣になりたいから、私のような若いのを手懐けていると思う」

「ちがうでしょ。そういう人じゃないよ」

(出世欲はないと思う。まさかねー、今さらダニエルに近づくのも)

 アカリーヌと仲良くしたいなら、今更ではある。

「お姉ちゃんもしらないんだよ。ニーバン様は物知りで、ミテルシと市場のことで話したりしているらしい」

「そうなんだ。なにかさー、やれそうな気はするけどね」

(女王様が商店街を任せるようなこともお話してたしね。肩が凝るといいながら、やりたいことが有るんだよ)

 形にならない夢みたいなのは有るのかもしれない。

(私もねー。美容術で儲けたあとは、まだ将来がみえてないけど。庶民と賑やかに暮らすにはどうするか)

 とりあえずは、美容術対決に勝つことだと決めた。

(王子様が何かを企んでいるようだしさ。ニーバンはどうするんだろう。大きな騒ぎにならなければ良いけどね)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ