表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
連載版『ポーションは自然に湧いてくるものだ』と本気で思っていた勇者パーティを追放されたので、補給線を全て遮断しました  作者: じょな


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

25/53

第3.5章 第3話:天空のショッピングモール・フロアガイド

ピンポーン、パンポーン♪


『本日は、レオナルド・神界デパートメント本店にご来店いただき、誠にありがとうございます。当館は、全宇宙の快楽と物資を集約した、究極のエンターテインメント・タワーでございます』


透き通るような美声のアナウンスが、黄金の回廊に響き渡る。

かつては「静寂」だけが支配していた白亜の空間は今、色とりどりのネオンと、人々の活気あるざわめきに包まれていた。


もし貴方が初めてここを訪れたなら、その光景に腰を抜かすだろう。


**【1F:グルメ・サンクチュアリ】**

かつて神々が瞑想していた大広間は、広大な「フードコート」へと改装された。

地上から直輸入された「ドラゴンステーキ」の香ばしい匂い。

ドワーフ族の職人がその場で揚げる「黄金の天ぷら」。

そして、エルフのパティシエが作る、宝石のようなスイーツ。


「美味い! なんだこの『ラーメン』という汁物は!」

「背脂マシマシだ! 神気カロリーなど気にするな!」


あちこちで神々が、丼に顔を突っ込んでいる。

彼らの胃袋は、数万年の絶食を取り戻すかのようにブラックホール化していた。


**【5F:カジノ&アミューズメント・フロア】**

中層階は、大人の社交場だ。

地下のゴミ捨て場で生まれた「ブラックジャック」は、ここでは洗練されたVIPルームで行われている。

バニーガール姿のサキュバスが微笑み、タキシード姿のオークがカードを配る。

チップとして飛び交うのは、金貨ではなく「星の命名権」や「未来の運勢」。

ここでは、運命すらもが商品として取引される。


**【R階:屋上庭園「エデン」】**

喧騒に疲れたら、屋上へ。

人工太陽が優しく照らす庭園には、かつてアストライアが愛した「清貧な秩序」が、癒やしの空間として再現されている。

ただし、そこにあるベンチには「有料」のタグがついているが。


          ◇


最上階、会長室。

レオナルドは、モニターに映る各フロアの光景を見下ろしていた。


「……売上は順調。客単価も右肩上がりだ」


かつての「虚無」は、今や「消費」という名の極彩色のエネルギーに変換されている。

神々は笑い、悩み、そして財布を開く。

それは、レオナルドが知る限り、最も健全で平和な世界の姿だった。


「さあ、もっと回せ。欲望けいざいを止めるな」


彼がグラスを傾けると同時に、窓の外で花火が上がった。

それは、神界デパートの「グランドオープン」を祝う、勝利の砲声だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ