役割分担
みんなが座ったところで私は話始めた。
「団長様、テーブルの拭き掃除、ゴミ出しありがとうございました」
「いや、今までもマリ殿とケイト殿が忙しいのに、手伝うと言う発想がなくて申し訳なかった。テーブルの拭き掃除も思ったより時間がかかるし、ゴミも重くて今まで大変だったろう。これからは団員にしてもらう事にする」
「団長様、その事でお話しをしたいのですが、宜しいでしょうか?」と私が言うと、団長様が頷いた。
「私はまだこの夕ご飯の時間しか見ていませんが、明らかにマリさんとケイトさんでは全てをする事はできませんし、私が手伝っても、30人全員のお世話をする事は難しいでしょう。これからは団員の皆様にも役割分担をしませんか?そこまで難しい事ではないです。今日のように、残ったご飯を先に捨ててもらい、お皿をある程度綺麗にしてからキッチンに持ってきていただけるだけで、お皿洗いの手間が格段に減るのです」
「ほう、それは気が付かなかった、他にはどんな事が?」
「食事の後、テーブルを拭いて椅子を逆さまにしてテーブルの上に置いてくれるだけで、床掃除がしやすくなります。椅子の上げ下げだけでも時間がかかりますからね。次の食事の時に、マリさん達が食事を作っている間にまた団員さん達で椅子を下ろして貰えれば助かります」
「それは無駄がなくていい考えだ」
「ゴミ捨ても私達には重くて時間がかかってしまうので。やって下さるなら本当に助かります」
「私もさっき実際に持ってみるまで気が付かなかった。あれは女性には大変な作業だ。ゴミ箱がいっぱいになったら、食堂の脇に置いておいてくれたらこちらでゴミを捨ててくる」
「改善案は後々も出てくるでしょうが、マリさん、ケイトさん他に何かありますか?」
「いえ特には思いつきませんが。アンナちゃん、どうやってみんなに野菜スープを飲ませたの?残食があんなに少ないのは初めて」とケイトさんが不思議そうに言った。
「みなさんに、野菜スープを飲まないとお肉のお代わりはないって言っただけです」
「アンナちゃんみたいに可愛い子がいえば、みんな聞いてくれるのね」とマリさんが感心したように言う。
いえ、完全にオカンモードで言っただけです。
団長様の方をちらっと見たら。顔の表情は変わってないが、よく見ると肩が小刻みに揺れている。笑っている?
マリさんとケイトさんは、家族の夕ご飯を作ると家に帰って行った。
「アンナ嬢、初日からご苦労であった。明日から宜しく頼む。。。何を見ているんだ」
私は団長様のシャツを見ていた。ボタンが2個ほど取れかけている。
「団長様、シャツを脱いでください」
「は???」
「シャツを脱いでください。ボタンが取れかかっているので、付け直します」
「いや、これは大丈夫だ。家に新しいシャツがあるし」
「勿体無いでしょ!ボタンだけで新しいのを出すなんて、脱ぎなさい!!!」
「はい!!!!」
私の気迫に負けた団長様は大人しくシャツを脱いで渡してきた。うわーーすごい腹筋ね。
「では明日までに直しておきますね、私は部屋に戻らさせて頂きます」
私は呆然とした半裸の団長様をおいて、食堂を後にした。
オカンモードに入ったアンナは団長でも止められません。




