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今世の家族

そこからは結婚式まで怒涛の日々だった。


お義母様は自分や子供達の結婚式で出来なかった、プリンセスウエディングをしたいらしい。


「息子が熊みたいだから、結婚できてもごっついお嫁さんが来ると思ってたのよ。それがこんな可愛い子が来てくれるなんて、私のイメージ通りのプリンセスウエディングができるわ」


私も中身はお義母様に近い年齢なので恥ずかしいけど、アラン様も乗り気なのでそのまま進める事になった。


ふわふわのレースが重なったドレスはアンナの容姿によく似合った。


結婚式は神殿で行い、そこでマリさん達&騎士団員さん達に私が豊穣の聖女であった事をバラした。


式の後のパーティは立食式にして、私はアラン様と離れてマリさん達と話していた。


「熊と聖女の組み合わせってすごいわね、誓いのキスとかアンナが熊に襲われている様にしか見えなかったわ」

前はアラン様とお話しするのに緊張するって言っていた、マリさんもかなり遠慮がなくなってきた。


アラン様は騎士の正装服を着ていて物凄くカッコ良かったのに、緊張しすぎて人相がますます悪くなってたからかな?


ケイトさんは心配そうな顔をして

「侯爵ご夫妻の表情が無表情で怖いのですが、この結婚に反対だったのですが?」と聞いてきたが。


「あれは結婚式の準備をやり切ったのと嬉しくて泣きそうになるのを堪えてあの顔になってるのよ」


「全然わかりません。こう見るとアラン団長様の方が表情が豊かなんですね」


そうしたらメロンパンを持ったロブさんがやってた。

「アンナおめでとう!パン屋の兄弟がお祝いにこのパンいっぱい持ってきてくれたぞ、宰相様も気に入ったらしく、なんか兄弟と話してるし」


マリさん達も私たちも食べたいとメロンパンがあるテーブルへ行った。


マーク様はまた何か企んでいるのだろうか?


そんな事を考えてると、ロブさんが小声で聞いてきた。


「婚約を発表した時に、団長が童貞って自分でバラした後に、これから何かするって言ってただろ?なんだかわかったのか?」


あーーあれね。


女性経験のないアラン様と4人の子持ちだった私では経験差が開きすぎてると、マーク様が心配してアラン様に閨指導をするって事になってたみたいで。


前世の閨作法が違うといけないからとマーク様と女性の閨指導員に根掘り葉掘り聞かれると言う、地獄のような時間を味わった。

そして、その後王都で新閨技法なる本が販売されて、大ヒットになった。


もちろんマーク様に文句を言ったが、アラン様用に作った本が何故か一般にも流失しただけだと言われた。絶対に嘘だ。


そんな事をロブさんに言えるわけがないので。

「あの新しく出た本を読むって事だったみたいよ」と言った。間違いではない。


そのお陰か知らないが、結婚後すぐに妊娠して、私は聖女としての力を失い、10ヶ月後には長男が産まれ、また次の年には次男が産まれた。2人ともアラン様にそっくりで、アラン様が2人と遊んでいると小熊は親熊にじゃれついている様に見える。


豊穣の加護は私が聖女の力を失っても数年は続くので、神殿は次の聖女が生まれるのを今か今かと待っている。


そして今、私は前世の様に双子を妊娠している。


今回も2人以上子供を作るかすごく悩み、アラン様と色々話し合った。


「前世の事があるから心配な気持ちはあると思うけど、収入にも家の広さにも問題はないし、俺が遠征中でも人手はいくらでもある。でも産むのはアンナだから、アンナが決めて良いんだよ」と言ってくれたので、決心がついた。


そして産まれてきたのは、私に似た金髪の男の子と女の子の双子だった。


侯爵家一同、双子たちにメロメロだ。長男と次男もすごく可愛がってくれてる。


双子が産まれた途端に、庭の家庭菜園の野菜が一気に実り出したので長女には豊穣の加護がある様だ。


その事を伝えたら、神殿長は大喜びでお祝いに来てくれた。


ちなみにマーク様は着実に功績を積み上げ、この度国王陛下から侯爵位を賜ったが、政治をしている方が楽しいと結婚する気はないそうだ。


なのでうちの子供達の誰かに養子に入ってもらい、侯爵家を継いで欲しいそうだ。


これもマーク様の計画だったのかもしれないとつい思ってしまう。


今世の家族が増え、毎日が忙しいので前世の事を思い出す事が減ってきたが、息子達の事は一生忘れないだろう。

どうかみんな、私のように幸せに生きていてほしい。


あの子達のお母さんであった事がこの世界で私が幸せになるきっかけをくれたのだから。

やっと書き終えました。

また思ったより長くなってしまいましたが、お付き合い頂きありがとうございます。

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