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蜂蜜色のプロポーズ

馬車の中でアラン様とマーク様と話し合って、寮の団員さん達にもマリさん、ケイトさんにも私が聖女という事は隠しておく事にした。


まあロブさんにはバレているので、ロブさんにはパンの袋を渡し、絶対に秘密ねと念押しした。


あの兄弟のくれたパンは昔からの味だったので、技術は亡くなった父親からきちんと継承されているようだ。

兄弟はいろんな種類のパンを入れてくれたが、ロブさんはその中から白っぽいパンを取り出して大興奮だ。


「アンナさん、このパン。数量限定で朝早くに行かないと売り切れちゃうやつです。俺も一回しか食べた事がなくて。半分こしましょうよ」


私はいつもお忍びで午後に行ってたので、そんなパンがある事は知らなかったな。


ロブさんが半分にしてくれたパンはどう見てもメロンパンだった。


。。もしかして、あのお店のお父さんかお母さんも転生者だったのかな?


今度作り方教えてもらおう。


そして遂に私の16歳の誕生日の日がきた。


アラン様がレストランに連れて行ってくれるそうなので、マリさん達に相談すると、大興奮で準備を手伝ってくれた。


ダークブラウンのスーツで現れたアラン様、狙ってるのかと思う程熊っぽいけど、とてもかっこよかった。


アラン様は話がしやすいようにと、レストランでは個室を予約してくれているそうだ。


馬車の中でアラン様は緊張しているのかガチガチだった。食事が楽しめないのは可哀想なので、先に私は神殿での求婚の返事をする事にした。


アラン様の大きな手を握ると、アラン様はビクッとした。

「アラン様、私はアラン様の事が大好きです。中身は40歳のおばちゃんですが、こんな私でもアラン様のお嫁さんにしてくださいますか?」


アラン様は突然の逆プロポーズにびっくりしていたが。


「アンナからそう言ってもらえるなんて、夢のようです。私はアンナの優しくて、頼りになる所が大好きなんです。これから私のそばに一生いてください」


そう言うと、アラン様は私を抱きしめて、頬にキスしてくれた。


「これで今日のお誕生日ディナーは婚約のお祝いも一緒に出来ますね」と私が笑うと。


「やっぱりアンナには敵わないな、いつも私の気持ちを考えてくれて、すごく嬉しいです」


レストランに着くと、先に馬車から降りたアラン様は私に手を差し出してくれて、

「どうぞ、私の未来の花嫁さん」と個室までエスコートしてくれた。


お料理も素晴らしかったが、最後のデザートは砂糖漬けの本物のお花が飾られたケーキだった。


「食べるのが勿体ないぐらい素敵ですね」


「私の豊穣の聖女に捧げるお花だよ、花束をプレゼントするより、食べられる花の方がアンナが好きかなと思って。そして、これは食べられないけど、この花も受け取ってくれ」


そう言うと、アラン様はポケットから小さな箱を取り出して、私の前で片膝をついて箱の中を見せてくれた。中には真ん中に黄色の宝石がついたお花の指輪だった。


「アンナに先を越されちゃったけど、私からもプロポーズさせてください。アンナ、心から愛している。どうか私の妻になってください」そう言って、指輪を指にはめてくれた。


「喜んで、これから宜しくお願い致します」


私は嬉しくなって指輪をまじまじと見つめた。


「蜂蜜色の宝石ですね」


「そうだよ、この熊は蜂蜜も好きだが、蜂蜜色の髪の女の子も大好きなんだよ」


「ところで、どうやって私の指のサイズを知っているんですか?」


「何故かマークが教えてくれた、どこで指輪を作った方がいいのかも」


「あの人、なんか凄いを通り越して、怖いですよね」


「そうだな、自分で決断したつもりでも、あいつの思惑通りに事を進められている気がする」


「いいんじゃないですか?マーク様のおかげで私達は幸せなんですから」


私とアラン様は私の指に輝く蜂蜜色の宝石をずっと見ていた。




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