おつまみと恋心
枝豆が茹で上がり、エールを用意して食堂に行こうとすると、丁度アラン様が帰ってきた所だった。
団員さん達の前なので、名前で呼ぶのはまずいよね。
「団長様、お疲れ様でした。お先にお風呂はどうですか?お風呂上がりのエールは最高です。。。って父が言ってました」
アラン様は目を見開いたままで私をみて、
「団長様。。だよな、旦那様って聞こえた」とぶつぶつ言いながら、去って行った。
宰相様となんの話があったのかしらね?と思いつつ。お風呂上がりの団員さん達にエールと枝豆の入った小鉢を配った。
「皆様、討伐お疲れ様でした。今日はおつまみメニューの夕ご飯ですよ」
今日は鶏肉が食材として届いたので、唐揚げとキャベツのサラダ、ふろふき大根、じゃがいもでフライドポテトも作った。
大根は端っこが余ったので、蜂蜜大根を作っておいた。季節の変わり目は風邪をひきやすいしね。
アラン様もお風呂を終えて戻ってきたので、エールとおつまみセットを渡すと、口の端がわずかに上がった。喜んでいる様だ。
今日は遅くなりそうなので、マリさんとケイトさんにはおつまみのお土産を渡して先に帰ってもらった。2人とも旦那さんと飲み会するって喜んでくれた。
私はエール飲みたいなと思いつつ、レモンウォーターを飲んでおつまみを食べていた。これがレモンサワーならよかったんだが。
大騒ぎしている団員さん達をみていると、隣にアラン様がやってきた。
酔っ払っているのか、顔がほんのり赤い。
「アンナはもう疲れただろう。片付けは俺たちがするから、部屋に帰ってもいいぞ」
「アラン様、大丈夫ですよ。みんなが無事に帰ってきてくれて、楽しそうにしてるのを見るのが嬉しいので」
「アンナはいつも俺たちの事を考えてて、この騎士団の聖女様みたいだな」
いつもきちんとした話し方のアラン様が「俺」というのが珍しいと思って聞いていたが、「聖女様」と聞こえてドキンとした。
「は。。。は。私が聖女様なんて恐れ多い」
「そうか?アンナが来てから、体の調子が良くなった団員が増えたんだぞ、治癒力とかあるんじゃないか?」
「それは野菜をみんなが食べるようになって、バランスの良い食事をしているからです」
アラン様は私の頭をポンポン叩いて、
「本当にここに来てくれてありがとう。もう離せないな」と言ってまた飲み会テーブルに帰って行った。
今度は残された私の顔が真っ赤になってしまった。
飲み会はまだまだ終わらなさそうなので、お言葉に甘えて、私は部屋に戻る事にした。
本当に片付けしてくれるのかな?多分無理かな?明日は早めにキッチンにこよう。




