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熊の刺繍の意味

(アラン視点です)


執務室に連れてこられた俺はこの国の宰相、幼馴染のマークを睨みつけた。


「遠征後で疲れているんだ、話はなんだ?」


「3日間もアンナに会えなかったからってイラつくなよ、話はすぐ終わる」


「な。。別にイラついてない。アンナが無事に過ごしてたか、確認したかっただけだ」


「じゃあ単刀直入に聞く、お前はアンナと結婚する気はないか?」


「は??結婚?何を言っている。アンナは20歳も年下でまだ未成年だぞ!」


「ふーーん、結婚が嫌とは言わないんだな。20歳差なんてこの国じゃよくあるし、アンナも来月16だ。婚約期間を1年取って成人とともに結婚なんて普通だろう」


そうか、そんなに変な話ではないのか。


「いやいや、アンナは俺には興味がない。寮には歳の近い若者がたくさんいるんだぞ」


「そうか?アンナはお前のシャツに刺繍をしているんだろう?普通は家紋だが熊とはな、シャツに刺繍をして遠征の無事を願うなんて普通は婚約者か妻がする事じゃないか」


そうなんだ、あの刺繍は本当に驚いた。熊である事より、アンナが俺の無事を祈ってくれてると知って本当に嬉しかったんだ。


「ていうかなんで、俺のシャツに刺繍がある事知っているんだ?」


マークはすました顔で、

「それぐらいの事を知らなきゃ、この国の宰相は務まらないよ」と言った。


幼馴染とはいえ、恐ろしい男だ。俺はいつもこの男の手の中で踊らされている気がする。俺が団長になったのも、遠征で成果を上げただけではない気がする。


「後な、お前の両親からも頼まれているんだよ。お前のお見合い写真まで送ってこられてな。誰かお前に紹介してくれてって」


まだ俺の結婚を諦めてなかったか。俺には兄がいるし、兄には息子もいる。

妹も嫁いだし、俺が独身でもなんの問題もないはずだ。


「まあ、可愛い息子に幸せになって欲しいんじゃないか?」


「どうせ世間体が悪いとかだろう。騎士になるって時もかなり反対されたからな。騎士団長になるまでは連絡すら来なかった」


「まあまあ、話を戻して。一昨日アンナに見合いを進めたんだが、逃げられてしまった。お前の写真を1番に見せようと思ってたんだがな」


はて、俺は最近写真なんか撮ってないが、いつの写真を使っているんだ?


「おい、それをちょっと見せてみろ」


マークから写真を奪ってみると。


「ふざけんなよ、お前」


「こんな厳つい写真しかなかったから、親しみを込められる様にしたんだよ」


それは2年前に団長に就任した時の写真だったが、俺の頭の上には熊の耳が描かれてた。




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