第二話 そんなの知らん
「さぁ、行くわよ」
「何処へ?」
「ふっふふ、武道館よ!」
「武道館?女装で?」
女装をして妹に武道館に連れて行かれそうなので、駄々をこねてみる…
「嫌、」
「嫌とは言わせない!」
「ほぼ、嫌と言ってるのに、かぶせてくるな!」
「だって、私の代わりにeスポーツの予選に出ての!」
「誰が?」
「お兄ちゃんが!」
「何故?」
「私の代わりに!」
「だから何故?」
「だってだってだって、今日は私たちの野外ライブのリハーサルがあるの忘れてたんだもん」
「リハーサル?」
「アイドル好きの女の子が歌ってみた!のライブが突然決まったの!」
「えっ…それって、最近初めたネット配信のだよね……ライブ?リハーサル?いくら何でも早すぎない……」
「そうなんだけど、…一人じゃ不安だからネットゲームで知り合った友達を配信に誘ったら……実はガチのアイドルでしたみたいな……」
「えっ」
「軽いノリで配信してたら、相方が身バレして……炎上しそうになったから、消化しようとしてつい口を滑らせて、ライブをする事になりました的な…」
「えっ」
「急遽場所を押さえたら屋外ステージで、しかも本業のeスポーツの予選会場近くな上に幸か不幸か予選とリハーサルが被るというハプニングついてきたみたいな」
「はいっ?」
「というわけで、ゲーマー師匠のお兄様に代役をお願い致しますね!ねっねっね!お兄様!というかお姉様?」
「お姉様じゃねぇわ」
「ねっ!、お願いお兄様!」
「大会出場なんて無理だし、この女装も無理だ」
「え〜私の代役なんだからこのくらい可愛くしなきゃだし、ゲームの腕だって私より強いんだから大丈夫だよ」
「百歩譲って予選の代役受けたとしても、この女装は無しだ!パーカーとか着て目立たない無いようにすれば良くね」
「……」
「さては、そこまで考えてなかったな」
「会場の様子もライブ配信しちゃうから、お兄ちゃんに女装してもらわないと私の肖像権が侵害されちゃう」
「そんなの知らん!」




