クロはエルフ族の国に向かう(1)
今回はエルフ族の国の話です。
『此処からがエルフ族の国か。噂通り森ばかりだな』
クロはエルフ族の国に到着した。
「黒猫に警告を告げる。直ちに我々エルフ族の国から退去せよ」
「警告に従わぬ場合は矢を放つ」
『・・・・マジかよ』
いきなりエルフ族の国からの退去を警告された。
「警告などする必要は無い」
「黒猫は不吉だ」
「直ぐに殺してしまえ」
「黒猫を逃がすな」
「矢を放て」
それどころか問答無用で矢を放たれた。
『・・・・冗談じゃない。殺されてたまるかよ』
クロは脱兎の如くエルフ族の国から退去した。
「災難だったな」
「我々の居住地に来い」
「我々ダークエルフは貴様を歓迎するぞ」
今度はダークエルフ達に声を掛けられた。
どうやら歓迎してくれるみたいだ。
「ありがとうございます」
クロはダークエルフ達と共に彼等の居住地に向かった。
「しかし警告しておきながら、いきなり矢を放つなんて酷過ぎる。エルフ族は温厚な種族だと聞いていたのに、あんなに狂暴だとは思わなかった」
「勘違いしないで欲しい。狂暴なのではない」
「ハイエルフは極端に黒い獣を嫌っているだけだ」
「警告をしたのはウッドエルフで矢を放ったのはハイエルフだ。全てのエルフ族が極端に黒い獣を嫌っている訳ではない」
どうやらエルフ族はウッドエルフ、ハイエルフ、ダークエルフの三部族に分かれているみたいだ。
黒い獣を極端に嫌っているのがハイエルフ、普通に嫌っているのがウッドエルフ、嫌っていないのがダークエルフか。
「ハイエルフは何故黒い獣を極端に嫌っているんですか」
「特に理由は無い。ハイエルフ達は黒い者を不吉だと決めつけているだけだ。我々ダークエルフを含めてな」
「・・・・そうですか」
同じエルフ族のダークエルフまで不吉だと決めつけているなんて余りにも理不尽過ぎる。




