表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/19

人の話を聞かないRPG

「ところでさ、アイラちゃんはなんでそんな重装備なの?」


「あ、コドモどらごんだあ」

 人の話を聞かないRPG。


「このドラゴンはロアルが召喚したレッドドラゴンよ。

見習い召喚士なのに召喚に成功してしまったの。近年稀にみる逸材よ」

 実際はしてないけどな?


「ロアル、すごいね」

 アイラは笑顔でロアルを見上げる。


「あ、ありがとう」

 もうなんかさ、そろそろ心が痛いんだよね。


「よし、じゃあ、お手」


 アイラがコドモどらごんに指示を出すと、すぐにいうことを聞いた。


「よしよし……」

 

 アイラはコドモどらごんを丁寧に撫でて、笑顔を振りまいた。


「これでコドモどらごんが私たちの仲間になったわね」


 いや、そういうのいいからさ。もうちょっと自由度上げてさ。

 会話とかしっかりしてさ。


「でも……これからどうしようかあ。急に召喚されちゃったから何ごとかと思ったよ」


「ごめんね急に呼び出しちゃって。でも緊急の時は呼ぶって決めてたから……。

私の魔法力が無くなってしまったので、一刻も早く宿屋に行きたいのよ」


「なるほど。それで私の力が必要だったわけね。じゃあ、このドラゴンでひとっとびだ」


 ほらね。俺に会話させない気だな?

 わかってたよ?二人目仲間になった時点で。


「どらごんさん、飛べることはできそう?」


「きゅるるるる」


 コドモどらごんは優しく鳴いて頷いた。


「大丈夫みたい。ロアル?いいよね?」


 ほら、ただの相槌役になり果てた。


「いや無理じゃね?」


「でもこのままだと、魔法力が無いルビアがかわいそう」


「せっかくドラゴンが仲間になったのだから、乗ってみましょうよ」


「いや、でもこんな小さなドラゴンにはさすがに乗れないでしょ?」


「でもこのままだと、魔法力が無いルビアがかわいそう」


「せっかくドラゴンが仲間になったのだから、乗ってみましょうよ」


 ループやめて。

 ……あれ、このゲーム自由度が高いって聞いてたんだけどな?


「わかった。じゃあドラゴンに乗っていこう」


「じゃあ早速……コドモどらごんさん乗せてくれる?」


「きゅるるるる」


「グルルルルアアアアアアアア」


 すると突然ロアルの目の前にレッドドラゴンが現れた。


「うわっ」


 え……こわ。


 いやいやいや……この世界怖くない?


 コドモどらごんちゃん……いきなり消えたんですけど。


 一瞬の出来事だったけど、コドモどらごんちゃん消えて、

 さっき消失したレッドドラゴン再出現したよ?


 なんかこれ必要なイベント起こしてないんじゃ?


「それじゃあ近くの町まで運んでもらうとしましょう」


「やっほー」


 そして何事もなかったかのように会話を続け、ドラゴンに跨る二人。


「何をしているの?早く乗るわよ?」


「ひょっとしてドラゴンに乗ったことないの?大丈夫だよ、私がリードしてるから」


 いや、普通に怖いよ。またバグが発生して消えたらどうすんだよ。

 そしてあの鎧の幼女。なんかやらかしそうなタイプで怖いよ。

 このあとドラゴン墜落イベントとか起きないよな?

 でもこれに乗らないと、またループで強制しそうだしな……。


「じゃ、じゃあ乗るわ」


「気を付けて乗ってね」



 ロアルの思いとは裏腹にアイラは的確にドラゴンを操つり、何事もなくドラゴンは近くの町に到着した。


 ふう。無事に目的地に着いたか。

 ドラゴンに乗って空を飛ぶのは気持ちいいけど、本当にヒヤヒヤしたな。


 これは思った以上に過酷な旅かも。うまく噛み合ったら良い感じなんだけどなあ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ