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ただの幼女じゃん

「でもいろいろあって、克服したんだけどね。」


「ということは、今は大丈夫なんですか?」


「でもスキルは取っていないの。だから魔物を手なずけることはできない」


 いや振れよ。少しでも振れよ。


「それって召喚士としてやばくないですか?」


「だから魔物使いと行動を共にしていたのよ。今は訳あって別行動をしているけれど」


「じゃあ魔物使いのスキルを振ったらいいんじゃないですか?」


「だから魔物使いと行動を共にしていたのよ。今は訳あって別行動をしているけれど」


 ルビアちゃん……。


「スキルを振るポイントがないんですか?」


「そうなの……。

だから魔物使いと行動を共にしていたのよ。今は訳あって別行動をしているけれど」


 なんて言えばいいのん?


「じゃあいっそのこと今から魔物使いになったらどうですか?」


「…………」


 うん。なんかごめん。



「じゃあその魔物使いと合流しましょうよ」


「そうしたいのはやまやまなんだけどね」

 これだったか。やっと無限のループから抜け出せた。


「何か問題でも?」


「今どこにいるかわからなくって」

 は?


「何か魔法は使えないんですか?」


「魔法?」


「ほら、相手の位置がわかる魔法とか。遠くに思いを伝える魔法とか」


「なにそれ?そんなものなくても簡単に呼び出せるじゃない。

……でも今の私には魔法力がない、そうだわ!

ちょうどあなたが人を呼び出せるかどうか試してみたかったの」


 それはちょっと猿芝居すぎやしませんかね?しかも展開が無理やりすぎる。


「まあやるだけやってみましょうかね」

 さっきもこんな展開だったけど、まだチュートリアルですか?これは。


「さっきは運よく呼べたじゃない?あれが奇跡じゃないことを今証明するのよ」


 あれ?召喚出来たことにされてるよ?


「グルルルルアアアアアアアア」


「ん?」


 ロアルが上を見ると、上空からレッドドラゴンが間近まで迫っていた。

 

 そういえば忘れてたよ、ドラゴン来ていたこと。


「あの、ルビアさんさっきのドラゴンがすぐそこまで来ていますよ」


「さっきは運よく呼べたじゃない?あれが奇跡じゃないことを今証明するのよ」


「いや、まず逃げたほうがよくないですか?」


 ほら、こちらに向けて今すぐにでも炎を吐いてきそうですけど。


「さっきは運よく呼べたじゃない?あれが奇跡じゃないことを証明するのよ」


 いや待て、ルビアさんバグってね?


「うわ、こっちに突進してきますよ」


 躱せそうにない。ちょっ……まて……。


 ドラゴンは猛スピードでロアル達に突進を開始すると……。

 ぶつかる寸前にドラコンは消失した。


 ……えっ。

 ちょっと待って……消えたんだけど。


 今、確かに見た。

 こちらに突進してきた、ドラゴンの姿が消えたのだ。

 マップ上からも存在が消失していた。


 まあ今俺が死んだらゲームとして成り立たないのかもしれないけどさ。

 これバグじゃねーの。ルビアさん……の力とでもいうのか?

 なんかフラグ立てミスったかな……?


 まあ……細かいこと考えていてもしょうがないし、気にしないで進めるしかないか……。


「さっきは運よく呼べたじゃない?あれが奇跡じゃないことを証明するのよ」


 はいはい、わかりましたよ。 



「魔物使いを、ここに召喚する」


 魔法陣は白く光り、空に去った。やがてモヤが晴れ、現れたのは……。


 魔物使いが召喚された。対象のレベルは30だ。


 あれ、成功したの?初めてちゃんと成功したよ?

 しかも言われた通りの人間を召喚できた。


 現れた魔物使いは、緑の煌めく鎧を纏ったピンク髪の幼女。


 魔物使いって……いや全然イメージと違うよ?


 鎧でがっちりと固めて、まるで戦士かと思える見た目。

 しかも斧を装備してるじゃん?なのに容姿はただの幼女じゃん?

 とりあえずキャラデザしたやつを、ぶっ飛ばしたくなった。


「やったわね、やっぱり私の目は間違ってなかった」

 うん。それはいいんだけどさ。


「ところでさ、なんでそんな重装備なの?」


「……そう。この子が私の仲間の魔物使いアイラよ。

彼女はとても優秀で、頼りになるはずよ。これで仲間は揃ったわね」


「なんだか状況がよくわからないけど……。挨拶はしておくよ。よろしくね」

 安定の定型文。


 うーん、ここまでがチュートリアルかな。

 でもこれ……ぶっちゃけ熟練度とかレベルとか関係ないよね。

 絶対召喚に成功する強制固定イベントなんだよなあ。

 でもこんな序盤でバグが発生するとか、クソゲーなんだよなあ。

 キャラが可愛いからまだ許せるけど。

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