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「お前ら、昨日あそこで何してたんだよ? 俺のこと、つけた?」


 放課後、いつものベンチでダレる牛島達を貫太は問い詰めてみた。


「え、いやあ〜、たまたま〜、たまたま……だよな? なんか歩いてたらたまたま、そこにお前がいてさ」

「そうだな。たまたまだ。いや本当に驚いた。あんなところでたまたま会うなんて」


 どれだけたまたまと言えば気が済むのだ。

 わかりやすくしらばっくれる牛島と顔色ひとつ変えず同意する棒読み九条を横目にスーが苦笑いする。


 スーさん?と貫太が声をかけるとスーの肩がわかりやすく跳ねた。


 スーはゴニョゴニョと「いや、牛島が貫太が一人で先に帰るなんて怪しいとかなんとか言ってるから、貫太はちあきちゃんていう子と約束してるみたいだってちょっと口がすべっ……おっと違った、知っていることをありのまま話したら二人して貫太のあとをつけるって言い出してさ」と説明する。


「あー! 何自分は悪くないみたいな言い方してんだよ!」

「俺は止めたろ!?」

「いや、スーだって乗り気だった。だからそんな強く止めなかったし!」

「お前も見たかったんだろ! ちあきちゃんを!」


 お互いに罪をなすりつけ合う醜い争いが始まった。


「そもそもだよ! いつの間にそんな子と知り合ったんだよ! 付き合ってんの?」


 牛島は相変わらず意味不明なことをいう男だ。付き合うとはなんだ。

 脊髄反射で訳のわからないことを言うなと言いそうになるのをこらえて、貫太は一呼吸おいた。


「えーっと、何? 千晶ちゃんを見たくて俺の後をつけたの?」

「そうだ。なのにその子を確認する前に見つかるし……」

「ずるいぞ、幼稚園児好きのロリコンに見せかけて実はきっちり女の子と付き合ってるとか」

「幼稚園児好き……まだ言うか。確認て……。ん? 千晶ちゃんなら見ただろ?」


 貫太の問いかけに醜い争いを続けていた三人の動きは完全に止まった。あまりにも動きがないので時が止まったのかと思うほどだった。


「そういうことか」

 ひどく納得したようにスーは息を吐いた。


「よし、まず情報を整理しよう」

「いや、情報整理の必要性は感じないけどな」

「まず、貫太はちあきちゃんという子と昨日、会う約束をしていた」


 九条の提案をスーは間髪いれず一蹴するが、九条はスーの台詞を聞かなかったことにしたらしい。

 状況を理解したいと思いながら貫太は情報整理を始めた九条を見つめた。


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