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 貫太はどれぐらい自分の世界に入りこんでいたのかと焦る。

 

 千晶は放置されて怒って


「なあ、大丈夫か?」


 いなかった。


 急に黙り込んだ貫太を心配して声をかけただけのようだ。貫太の顔色を確認するため覗き込んでくる。


「気分が悪いのか?」


 そうだった。あの時も千晶は自分のことを(おもんばか)ってくれていたと貫太は気づく。



『気が進まないなら契約してくれなくても大丈夫だから』



 自分のことだけしか考えていない人間からはそんな言葉は出てこない。

 きっと。多分。


 契約して七宝の恩恵を受けたいのは単に楽な生活を送りたいというわけではなく、それ以外の理由があるのだと確信する。


 弥彦はおそらくその理由を知っているのだ。それなら教えてくれればいいのにと一瞬思ったが、そこはやはり千晶から直接聞くべきか。

 弥彦もそう考えたから自分の気持ちだけで結論を出す前に話し合ったほうがいいという忠告を与えた。弥彦の言葉の解釈はそれで間違ってないはずだ。


「ごめん、大丈夫。考え事してた」


 一呼吸おくと貫太は質問を頭の中でまとめる。千晶から言わないならこちらから問いただすしかない。

 貫太は千晶をじっと見つめると口を開いた。


「あのさ」



 

 その日、貫太は千晶と契約することを決めた。


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