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「……それ、俺達が行っていいやつか?」


 説明を聞き終わったスーが疑問をはりつけた顔を牛島に向ける。


「行っていいやつだよ!」

「本当か? 親子連れしかいないんじゃないか? 行って小学生の女子しかいなかったら……」


 先を言い淀んだスーと九条、貫太はしばらく無言で地面を見つめた。


「場違い感が半端ない」

 小学生女子の集団が参加するイベントに紛れこむ中学生四人組を想像するだけで冷や汗が出てくる。周りからの視線が痛いことになりそうだ。

 貫太同様、戦慄を覚えた九条が呟く。


「無理だろう」

「無理じゃない! 子ども向けアニメだけど、大人のファンも結構いるし!」

 大きいお友達が大勢いるらしい。ぷにキューは小学生女児のみならず、広い世代で人気を獲得していて今回、全年齢対象のイベントを開催することになったのだと牛島は熱弁をふるった。

 わざわざ全年齢対象と断りをいれていることに何も感じないのかと貫太は思うが、当の本人はまったく何も感じていないようだった。


「……どうする?」

 牛島の必死な様子に負けた九条が改めてスーと貫太に確認をとる。


「とりあえず行ってみて無理だと思ったらイベントは不参加で」

 スーはとりあえず行くことにしたらしい。


「塾をサボるわけじゃないんだよな?」

 九条の確認に牛島は高速で頷く。長々とため息をついた九条はスーと同じく行くことは行くがイベントに参加するかは未定とした。


 お前はどうするのかと三人の目が貫太に向けられる。

 イベントに参加するかはわからないがみんなが行くなら自分も行くと言おうとして、「あ」と声が出た。

 受験日までの貫太の全放課後と全休日はすでに公民館での勉強会で埋め尽くされている。


「あー、えっと俺行けるかわかんない。あのー、公民館で勉強教えてもらってて……」

「公民館?」

「お前の志望校ってスーと一緒の公立高だよな?」

「成績ヤバいのか?」


 三者三様に問いかけられ、そういえばまだ誰にも──そう、家族にすら進学志望先の変更を言っていないことに今さら貫太は気づいた。


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