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 週明け、飽きもせず貫太達は放課後をスーパーのベンチで過ごしていた。

 今日は久々に鈴木陽太、スーも一緒で四人揃っている。


「なあ、今度の土曜、みんなでちょっと出かけね?」

 牛島は目を輝かせながら全員を誘った。思わず、九条達と顔を見合わせる。

 嫌な予感しかしない。

 そう思ったのは貫太だけではないようで、九条達の表情には警戒の色しか見えなかった。


「勉強したほうがいいんじゃないか」

 冷静な九条の意見にスーと貫太は二人して頷いた。

 牛島は最近、成績が伸び悩んでいるとスーパーまでの道すがら九条に耳打ちされたばかりだったからだ。


「息抜きだよ、息抜き。ちょっとくらい、いいだろ」

「目が爛々(らんらん)としてるな」

「何を企んでる、吐け」

「わかった。あれだろ、アニメだろ。アニメ関係のイベントがあるんだろ」


 貫太の指摘に牛島が笑顔のまま固まる。そんな牛島を見てスーがやれやれと息を吐きだした。


「図星……」


「まさか貫太に見破られるなんて……」

「おい、失礼だぞ」

「珍しく冴えていたな」

「不覚……!」

「だから失礼だぞ」

 芝居がかった様子で頭を抱える牛島の背中をベシッとはたく。

 嘆く小芝居を続ける牛島。その小芝居をやめさせようとする貫太。

 肉体言語を使用して戯れはじめた二人の動きをスーは一言で止めた。


「行ってもいいぞ」

「……え」


 貫太と牛島は二人とも動きをピタリと止め、牛島からは驚きの声が漏れた。牛島の驚きっぷりを見てスーはおかしそうに笑う。

 

「なんで驚いてんだよ」

「スーさん、正気?」

「待て、早まるな。アニメってロボット物とかそういうのを想像してるだろ。違うからな。最近、別行動だったからお前知らないだろうけど」


 貫太と九条がかわるがわる牛島の一押しアニメの説明を行う。

 牛島の一押しアニメ。そう、それは『ぷにキュー』。地球侵略を目論む宇宙人と戦う変身ヒロインアニメである。


「その極悪宇宙人達に星を乗っ取られ、助けを求めて地球にやってきたキューティが主人公達に変身能力を与えるんだ」


 乗っ取られたのは猫人達が住む猫の星であり、キューティはそこのプリンセスであるとかキューティは普段は普通の猫姿で主人公の飼い猫として過ごしているなどと九条はさらに説明を加えていた。


 ……おや?


 そんな細かい設定を牛島は語っていただろうか。牛島はただただ変身後の猫耳が可愛いだのぷにキュー・ノルンしか勝たんだのと言ってただけと記憶している。

 九条がぷにキューに詳しすぎる気がしてならない。


 ぷにキューがどういうアニメかわかるにつれ、スーの顔は曇っていった。


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