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 弥彦はニヤニヤしつつ話を元に戻す。


「契約したら鹿間家全員が七宝の全恩恵を受けられるようになるからな。まあ、その代わり七宝に不利益なことは一切できなくなるがそれは許容範囲だろう。昔は偉ぶって契約した相手をこき使う七宝もいたらしいが、お前さんはそんなことしねぇと思ったから、鹿間に契約を勧めて、引き合わせた」

「なるほど……。だから紳士契約なんですね」

「ん? ああ、神の……」

「契約しても相手に偉そうにしたらダメだから紳士契約って呼んでるんですね。紳士的に振る舞わなきゃいけないってことで。……紳士的な振る舞いってなんだろう。親切ってことかな……」


 貫太の言葉に違和感を覚え、神使(しんし)──神の使いの説明をしようとした弥彦の話を貫太は結果的に遮った。

 一人考え込む貫太を見ながら弥彦は口元を手で覆う。


「なるほど……。これは、面白え……」

「え、なんです?」

「……こっちの話だ。気にしなくていい」


 弥彦は妙に何かを納得していた。


 契約の名称が紳士契約ではなく神使(しんし)契約と貫太が知ったのはこれより何日か後だった。紳士契約と思いこみ、弥彦に紳士的振る舞いについて語った自分を思い出した貫太は恥ずかしさのあまり部屋で一人「ぐごぁっ」と叫んだのだった。



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