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ビデオ通話会議は「第三十二回七宝会議、なお、毘沙門は除く、を始めまーす」という隆のおちゃらけた開催宣言で始まった。
隆に促されて貫太は晴香のことを報告する。一度、隆に話したお陰でかなりスムーズに説明できた。
「……そうか」
予測していたのだろう、第一段階とはいえ、晴香に追放者の証が出ていると聞いても弥彦の顔色は変わらなかった。
眉間をもむ者、考えこむ者、反応は各人各様だったが、しばらく誰も発言しなかった。
「はるちゃんの協力者は誰なのかしら……」
ずっと考えこんでいた紗帆が独り言のように呟く。
中途半端な知識の出所を気にしてるのかと思い、貫太は口を開いた。
「それは晴香さんのお母さんが……」
「それは聞いたわ。でもねぇ。寿老人と毘沙門天が代替わり中なのは現在進行形で協力者がいないとわからないことでしょ? あの子、見えていないんだもの」
見えていないはずなのに、代替わり中の七宝を正確に把握していた晴香。
言われてみれば確かにそれは不自然だと口を閉じた。
「協力してるつもりなかったりして? 単に世間話のつもりで次の人は誰だろね?みたいな。……無理あるなぁ」
ナオミは協力者がいるとは思いたくないようだったが、自分の世間話説も信じがたいようだった。
晴香と一族の人間は親しい関わりを持っていない。そんな関係でそんなことを世間話として話すとも思えなかった。
「忌み子と親しくしたがる奴はいないからな〜」
言った後、隆はあっと口元を抑える。
明らかな失言をしたという態度の隆を貫太は穴が開くほど見つめたが、隆が忌み子に関して説明することはなかった。
「あと、葉月ちゃんのことだけどね」
どう思うかと紗帆が皆に問いかけた。
「あの子とはまた別のことを考えてそうだったな」
葉月は葉月で晴香とはまた違う企みを持ってそうだと言う弥彦に貫太を除く五人が一斉に頷く。
皆がそう感じているから、今回の会議には呼ばれなかったのだろう。
葉月のことは完全にノーマークだった貫太はまったく気づかなかったが。
晴香は葉月を心配してるそぶりだったが、実のところ、よく思ってないようだった。
反対に葉月は晴香をどう思ってるのだろう。
葉月は晴香のことを頼りにしている感じだった。
頼めば晴香のために動いてくれるんじゃないだろうか。
「葉月さんにお願いして晴香さんを止めてもらえないかな……?」
「え?」
「ん?」
「はぁ?」
思いつきを口に出してみて、なかなかいい考えなんじゃないかと貫太は思ったが、反応は芳しくなかった。
声をあげた紗帆、弥彦、ナオミの三人は揃って何でそうなると言いたげな表情だった。
真守は声こそあげなかったが、決して貫太の意見に賛成していないのはその表情から窺い知れる。
「話ちゃんと聞いてたか? それはないわー」
そんなにダメな提案だろうかと往生際悪く思っていた貫太にとどめを刺したのは隆だった。
2023.04.02
ビデオ通話をこの話で終了させてましたが、通話内で葉月と晴香の関係性など掘り下げたほうがいいと判断し、加筆修正しました。
ビデオ通話会議、まだまだ続きます。




