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「貫太の意外な一面はいいとしてさ」

「ちょ、意外な一面て何!?」

「アニオタは意外じゃない一面か?」

「アニオタ違うし!」

「ただただ女児向けアニメを知り尽くしてるだけってことか」

「ふぁっ!?」


 隆に貫太アニオタ説を唱えられ、反論するが軽くいなされ──


「晴香サンて何でこの部屋にあんなに入ろうとしたんだろうな。ここは基本、七宝以外は立ち入り禁止なのに」


 あっさりと話題を変えられてしまった。


「禁止されると入りたくなるってやつか? 防音てだけでそれ以外は特に何の変哲もねぇ部屋なんだが」

「あのお姉さんは立ち入り禁止のこと単に知らないだけだと思う。貫太さんばりに一族に関する情報量、少なそう」


 真守くん、それは俺をこき下ろしてるわけではないんだよね、そうだよね?と思いながら貫太は真守を熱い目で見つめたが、真守は決して貫太に顔を向けなかった。


 そんなにアニオタであることがダメだったのか。

 いや、貫太はアニオタではないのだが。

 さらに言うなら別にアニオタがダメな存在というわけではないのだが。

 しかしながら、女児向けアニメを知り尽くしている、はダメな匂いがぷんぷんする。

 

 何で自分がアニオタ認定されないといけないんだろう……。

 うじうじしながら、貫太はメール受信を告げるスマホを確認した。


「晴香サンか?」

 スマホを覗きこみながら隆は晴香からの呼び出しメールを読む。


「公園……。ここからだったら5分くらいだから、今すぐ出たら十分、間に合うな」


 アニオタ説に反論する時間がなくなってしまった。


「わかってると思うけど、晴香サンのことは信用するなよ。なんか企んでることは間違いないんだから。晴香サンは情報ほしがると思うけど、重要な情報(こと)は教えない。向こうからはなるべく情報を引きだす。いいな?」


 できるかどうかはわからないが隆の注意に頷いてそのまま部屋を出ようとすると、何か非常に迷うそぶりを見せながら弥彦が呼び止めてきた。


「貫太坊、あのな……」

「うわー、嫌です嫌です。聞こえないです」

「まだ何も言ってねえ」

「そんな覚悟の決まった目をして話しかけてこないでくださいよ。怖すぎる。聞きたくないですー」

「聞け」


 貫太は駄々っ子のようにごねながら両手で自分の両耳を塞ぎ、弥彦はなんとか伝えようとする。

 二人の小競り合いはしばらく続いた。



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