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「あれ、でも晴香さんて一族の人なんだよね? 見極める必要なくない?」

「お、流石に気づいたか」


 一族の女は印を見ることができる。

 どの七福神の力を受け継いでいるか見極めるまでもなく手を見たらいいだけではないか。


「印、見えてないんだろな」

「そんなことあるの!?」

「あるんだなぁ」

 隆はうんうんと頷いた。


「……貫太坊、マニュアル読んでねぇだろ」


 図星を突かれて貫太はうっと唸る。

 ページ数と文字数が多すぎて読むのを躊躇っているうちに二週間経ってしまっていたのだ。


 とにかく今は一族の血筋でも見えない女はいるということを覚えておけばいいと言われてホッとした。

 今日からちょっとずつでもいいから読み出すように注意は受けたけども。


「印が見えてるようには思えねぇんだが。その割に寿老人と毘沙門天が代替わり中ってことは知ってるってのがなぁ」


 どうしよう。

 寿老人襲名以来の聞きたいことが次から次へと出てくる状態に陥ってしまった。なんせわからないことだらけだ。

 晴香も葉月も何を考えているのかさっぱりわからない。

 なのに自分以外の人間は理解している事実がさらに貫太を焦らせる。


「あの……聞いていいかな? マニュアル読んでたらわかることなのかもしれないけど」


 三人の目が一斉に自分に向けられ、貫太は思わず一歩下がった。


 なぜ寿老人と毘沙門天が代替わり中であることを印が見えていないはずの晴香がわかってると言いきれるのか。


 そう聞きたかったが──その前に弥彦のスマホが鳴った。

 紗帆からの連絡だった。


「……やっぱり嬢ちゃんに接触したらしい」


 そういえば晴香に連絡していなかった。

 終わったら連絡をくれと言われてたことに遅まきながら気がつく。


「30分もしたら晴香サンのほうから連絡してくるって」


 連絡しようかとスマホを触りだしたところで晴香に連絡するのを隆に止められる。

 こっちは別に話なんかする必要ないと思ってる雰囲気を出しとけという塩対応の指示に従うことにした。


「この後、貫太坊が会うとしてあの子が見えてるかの確認はしておきたい。確証がほしいんだ。あとはそうだなぁ。嬢ちゃんの七宝失格を狙っただけかどうか……何が目的かってところまで探れたらいいんだが……」


 チラリと貫太を見ると弥彦は「難しいか」と即座に諦めた。


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