表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/88

17


 周りを見渡すと全員がぐったりしている。


「何回しても慣れねぇな……」

「本当にトイレだったらどうするのさ……」

「違うと判断したデース。判断は正しかったと思いマース」

「葉月ちゃん、逃げても無駄よぅ。号令かかったら、どこにいても全員、恵比寿のところに集められるんだから。ところで本当にトイレじゃないわよね?」


 呆然と座り込んだ葉月は紗帆の確認にこくこくと頷いた。


 七福神戦隊の号令──戦隊リーダーである恵比寿だけが発することのできるもので、近くにいない七宝は恵比寿の周りに引き寄せられる。


 たまに逃げ出す新人七宝がいるため、逃がさないために開発された技だと迷惑顔で真守が説明してくれた。

 代替わりのときは号令がかかることを警戒して皆、同じ場所に集まるのが慣習となっているのだと言う。


 それが一番安全だから。


 どおりで皆、付き合いがいいわけだ。


「……家にいても引っ張られるのかな」

「さあな。試したことないから知らないけど、試してみるか? 壁に激突すると思うけどな」


 なるほど、確かに神様パワーで壁のすり抜けができるとは思えない。

 壁すり抜けの御利益なんてないだろう。


「今度逃げようとしたら部屋を出た後に号令かければいいんだよ」


 真守は少し怒っているのか、口調がいつもよりキツくなっていた。


 弥彦が「腰が(いて)え」とぼやきながら、腰を叩いている。

 ポーズを無理矢理とらされたせいか、貫太も少し体が痛い。


 おじいちゃんのためにぷりぷりしている真守を見たら、なんかほっこりした。


「ご、ごめんなさい。ちょっと時間をおいて冷静になろうと思って。晴香にも報告したかったし。晴香も一緒に説明すると言ってくれてたからどうなったか心配してるだろうし」


 従姉妹同士ですごく仲がいいんだなと妙に感心する。自分には従兄弟と呼べる存在がいないので二人の関係性を少し羨ましく思ったが、従兄弟同士、仲がいいとは限らないなとすぐさま思い直した。


「はるちゃんを中にいれるのはお勧めしないわぁ。親しい人に必殺技を叫んでるところを見られるのは結構恥ずかしいわよぅ」


 長寿ボンバーと叫んでいるところを家族に見られた想像をして貫太は身震いした。


 絶対見られたくない。


「恥を晒す人間は少ないほうがいいデース」


 また恥と言った。

 その言葉を聞いて葉月も何か色々と諦めたようだ。


 諦めた姿を見ながら号令に気づいたら今度からは自分もナオミのほうに走ろうと決める。

 どうもそれが一番、被害が少なく済みそうだと引き寄せられたときに机にぶつかった腕を撫でた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ