表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/88

12

 はずだった。


 家に帰ると紅葉(くれは)が爆弾を落としたのだ。


「お兄ちゃんは莉子ちゃんを毒牙にかけたの?」


「な、何言ってんの? そんなことするわけないだろ」


 だいたい紅葉は莉子があれほど自分に懐いた理由を知ってるはずだ。

 今年の夏の一歩間違えば事故となったアレ。


「何ですか、騒々しい」


 止める間もなく紅葉が祖母に学校帰りのことを報告しだす。


 どうやら牛島達との騒ぎを見られていたらしい。


 一部始終を聞いた祖母は真面目な顔で問いかけてきた。


「貫太、毒牙にかけたのですか? ……かけられたのではなく?」

「ねえ、質問がおかしい! かけてないし、かけられてもない! だいたい莉子ちゃんは幼稚園児だよ。人を毒牙にかけるような年じゃないよ」


「お兄ちゃん……。おめでたいの」

「いや、どういう意味だよ! 怖いよ!」


「かけたのならば、よし」

「聞いてた!? かけてないって。それにかけるのはよくないよ! 毒だもん!」

「毒だもんって……返しがおかしいの」

 紅葉が何を言ってるんだという顔をしている。


「そのうち向こうから連絡があるでしょう。あなたはなすべきことをなさい」


 祖母は言いたいことを言うと部屋に戻っていった。


 連絡って何の連絡だ。

 やってくれたなという連絡か?

 それだったら誤解なんだが。


「明日は朝から公民館なの?」

「ん。朝から勉強だよ」


 爆弾を落としたことも気にせず、しれっと紅葉が質問してきた。


 平日は放課後、公民館に直行し夕飯まで勉強。休日は公民館にて朝から夕方まで勉強。


 寿老人となって以降、そういう日々を過ごしていた。


 何故こんなに勉強してるのか。

 裏口入学するのに。


 そんな疑問を見透かしたように隆に言われた言葉が頭の中でこだまする。


 入学して終わりじゃない。どう考えても入学できるレベルではない人間がいたら怪しまれるだろう。


 その通りだ。その通りすぎて、ぐうの音も出ない。


 勉強しかしてないが七福神はどうなったんだろうか。

 祖母の言うなすべきこととは恐らく寿老人の仕事のことなんだろうが。

 ……何すりゃいいの?


「……勉強しよ」


 結局、勉強することにした。

 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ