花の色を忘れない為に
これは誰かの為でも、あなたの為でもないのでしょう。
ただ私が私の為に、想いを閉じ込めようと、そう思っただけの話。
それでも忘れない為に、目に付くように、ここに残します。
あなたと出会ったのは、記念すべき日でした。
そして、あなたを応援するようになったのは些細なきっかけでした。
とても自分勝手に、キリが良かったからという、そんな理由。
あなたが好きかというと、それは疑問が残る選択でした。
でもいつの日か、あなたは本当に大切な人になっていた。
それは本当のことでした。
あなたの歩幅は、ゆっくりで。
あなたの言葉は、独特で。
だからか、私はあなたに付いていくことが出来ました。
焦らず、少しずつ好きになれました。
あなたがいなくなった時、私は不安でした。
でもどこかで、ゆっくり休めているのならいいなと、そんな温かい気持ちにもなりました。
それは結局、間違いだったけれど、でもその時に抱えた感情は間違いなくそうでした。
誰かを想うという大切な物を残してくれた、と思います。
あなたが楽しそうに誰かのことを話すときは、とても嬉しく思いました。
我がことのように、というのを、家族以外で始めて実感しました。
それが永遠に続くことを願っていました。
でもきっと、見えなくなっても続いていく物だと信じています。
最後に、あなたの旅立ちを見送ります。
あなたの魂はきっと安息の風の中に。
あなたの栄光は、きっと永遠の輝きの中に消えるのでしょう。
それは時と共に見えなくなって、私の中からも無くなってしまうのかもしれません。
けど、それでも、ある限り、大切に抱えていきたいと思います。
これはとても恥ずかしい告白で、いつの日か自分でもただの情けない記憶として振り返るのかもしれません。
誰かが見て、嗤うこともあるでしょう。
それでも、忘れない為に、これを残します。
大好きでした。本当に、大好きでした。
あなたにはきっと届きません。これは私の自己満足です。
でもこの心が世界の片隅に残りますように。
いつか花香る風の中にあなたを感じて、それを誇らしく思える日が来れば、いいと願います。