プロローグ
どうも、新参者の作者です。
この物語は、某人気ゲームを元ネタにした小説です。
たまに、魔法関連のネタも出ますがご了承をば。一部完結型なので結構長いです。
それでも読んでいただければ感謝感激です。
では。
ープロローグー
神沢市。古くから都市伝説が絶えない奇妙な市。山と海に囲まれたこの市は今は春を迎えていた。
「はぁ、はぁ、はぁ!」
その街中を一人、少女が駆けていた。時刻は午前0時をまわったところだ。何故、こんな時間に少女が走っているのか。その理由は定かではない。しかし、彼女が『何か』から逃げている。という事は明らかだ。
「はぁ、はぁ!」
体力が限界に近いのか、彼女の呼吸が激しくなる。
ふと視界に入った路地裏に逃げ込む。
しかし、
「行き、止まり?」
目の前にはコンクリートの壁。高さは三メートル。
壁を見つめる彼女の耳に、ガサッ、と音が聞こえる。
「!!!」
とっさに振り返った彼女の目に映ったモノは、
「ギゲゲゲ!」
と、異様な声を上げる『異形』だった。
肌は暗い緑色、二つある目はカメレオンのようにギョロつき、赤い色をしている。脚は獣のように反り返り、爪は鋭い。
完全に、殺される。
彼女は悟った。その瞬間、後悔が波のように押し寄せた。
何故、あの時友人と帰らなかったのか、など、様々な思いが流れる。
その様子を余所に、異形は彼女を殺す為に走り出す。
距離は数メートル。異形の速度では刹那。
少女は死を感じて動かない。
そして、その爪が少女の喉元に届こうとしたときーー!
「はい、そこまで。」
少女の声とは違う、同い年位の男の声が響く。と同時に、異形の動きが止まった。
一瞬の間。その後に、異形は大量の血を撒き散らしながら倒れた。
その背には刀が突き立っていた。
「え?」
何が起きたのか解らない彼女は呆然と異形の死体の、その先を見た。
そこには、街灯の明かりを背に立つ、男が立っていた。