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巻き込み系異世界転移~世界や魔王なんて、どうでもいいから修行がしたい!~  作者: うるす
第三章 調べて極楽、聞いて恐怖、見て地獄編
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第四十一話 罠は発動させるもの

 荒木がロックゴーレムを抜けていくと、ロックゴーレムの群れを気付かれずにすり抜けることが出来ないフィースたちとロックゴーレムとの戦闘が始まろうとしていた。


「レノールとジャネットの剣の腕では刃が傷付くから、二人はメーヴィスの護衛をお願い。私とメーベルとメーヴィスで先制攻撃をする」


 フィースはロックゴーレムの皮膚の岩がレノールとジャネットの剣の腕では対処することが難しいと思ったので、魔法を主体に戦うことを決めていた。そのため、フィースは目の前の馬車での移動時の戦闘で得た情報から近接が得意で多少の魔法が使えるレノールとジャネットの二人に近接戦が不得意そうで魔法が強力なメーヴィスを守らせることにした。


「分かりました」


「はい」


 レノールとジャネットはフィースとメーベルから離れてメーヴィスを守る形で、そばに寄って行った。


「はい。ウォーターボール、ウインドアックス」


 メーヴィスは二人が配置につくと、水で出来た球体を複数作ると同時に風の大きめの刃を作り出した。作り出した二つの魔法はウォーターボールを先頭にロックゴーレム一体ずつに向かって飛んでいった。

 メーヴィスの作りだした二つの魔法はロックゴーレムに当たるとロックゴーレムの肉体をまず柔らかくし、ロックゴーレムの体に威力のある風の刃が当たると、ロックゴーレムの体をいとも容易く切り裂いていった。メーヴィスの前のロックゴーレムたちは全て地に付していた。メーヴィスの先制攻撃によってロックゴーレムは壊滅してしまったので、フィースとメーベルの出番はなかった。


「魔力は大丈夫か?」


 フィースは今後の戦闘の参考にするため、メーヴィスの魔力の残量と体力を確認することにした。


「一応この後のことも考えているので、問題ありません。それに魔力は多いいですから、数が出てきても大丈夫ですよ」


 メーヴィスもこの後何が来るのかこの場所がどこか分からなかったのでこの先に出てくるモンスターのことを考えて体力と魔力を温存して戦っていた。


「このくらいのモンスターならメーヴィスだけで十分かもしれないな」


 フィースはメーヴィスがこの中で総合的に一番弱いと思っていた。フィースは他の人を温存させるために、メーヴィスを働かせることにした。


「任かせておいてください。フィースさん」


 メーヴィスもフィースと同じくこの中で一番弱いと自己分析は出来ていた。


「ならこの調子で荒木を追おう」


 フィースは先に奥へと向かっていった何をしでかすかわからに危険人物荒木に追いつくため、早足になって進んで行った。



○荒木


 荒木はフィースたちを置いて先走って進んで行く途中で変なスイッチを発見していた。


「これは俗にいう罠だな」


 荒木は罠に堂々と近づき、確認していた。


 糸で大体の内部構造は把握しているが、主立った場所しか調べてないから、気で調べないと何が起こるのか分からないな。でも、こういうのは調べたらつまらないから、何も考えずに押そう。


 荒木は調べることが出来たが、知ってしまうと面白味が無くなってしまうので、スイッチを何も考えずに取りあえず押した。

 スイッチが押されると、バンッ! という音とともに地面の石が破壊されて棘の付いている石板が荒木を挟むように迫ってきた。荒木はその棘を素手で掴むとガッ! という音とともに罠の効力は虚しく失われた。


「うん。満足、満足。やはり、罠は堂々と押して正面から受けて立たないと面白くないな」


 荒木は罠をもとに戻すと、罠に満足して進んで行くと普通の人では気付くことも難しいが、再び罠らしきものが代り映えないような地面の一部にあった。


「また罠か。押さないと」


 再び罠があったので、荒木は使命感の元に罠を押した。罠が発動すると、左右の壁が崩れ無数の矢と魔法の球が飛んできた。荒木は何もせずにその矢と魔法を体に受け続けた。しかし、矢と魔法では荒木のローブに埃を付けるだけで効果はなかった。そして、罠は虚しく矢と魔法が切れて、終了した。


「弾切れか。進もう」


 荒木は罠がそうでもなかったので、先に進むことにした。道中複数の罠にかかりながらも、何事もなかったかのように罠を虚しくさせて進んで行くと、モンスターが生まれてくる罠に出会っていた。


 ロックゴーレムがどんどん生まれているな。


 荒木の前から大量のロックゴーレムが生成され続けていた。


 プレゼントとしてフィースたちに残してあげよう。


 荒木は再びフィースたちにプレゼントを用意してあげることにした。


 荒木は生まれ続けるロックゴーレムの群れを他所にさらに奥に進んで行った。


「でも、あのモンスターは弱いからな。喜んではくれないか」


 荒木はこのモンスターではフィースたちが満足のいく戦闘が出来るとは思えなかったが、すでに過ぎ去った過去なので気にせず進んで行った。


 荒木は罠を全て発動させること数分目の前に扉が見えた。扉の横には合計6体の戦士の石像が配置されていた。


 あれが3個あるうちの一個目の扉か。ここは正攻法で行きたいな。


 荒木は門の隙間から糸により、このさらに先の内部構造を確認済みだった。しかし、正攻法で調べたかった荒木は大まかな内部構造しか、調べてはいなかった。


「楽しみだな」


 荒木が門を調べるため、近づくと6体の石像が動き出した。


「動くのか」


 言っちゃ悪いけど、弱そう。見た目はカッコいいのに。


 荒木は言っちゃ悪いので心の中で思っている内に、一本の糸で6体の戦士の石像を単純に一線すると石像は二つに割れてその力を発揮することもなく、散っていった。

 荒木は扉に近づき開けるための装置を探していった。しかし、壁にそれらしいものはなかったので、壁に手を当てて調べていった。


「何もない。どういうことだ?」


 荒木は考えても良く分からなかったので、とりあえず扉を押したり引いたりして見た。すると、扉が勢い良く開いた。すると、戦士の石像があった台座が天井まで跳ね上がっていった。


「なるほど。引き戸か。感圧式になっていて像を置いて閉まるようになっていたのか」


 荒木は遺跡を正攻法とは無縁の強引な方法で扉を開けることに成功した。


「しかし、扉も摩擦で重いだろうし、像も普通の人では持ち上げられなさそうにないな。魔法を使えば別だが普通の人間には見られたくないものがあるのかな?」


 荒木は普通の人の腕力では開けることは到底できないと思っていたので、人間に何か隠しているのではないかと考えていた。

 そして、開いた扉に入るとそこには見慣れたモンスターがたくさんいた。


「またロックゴーレムの大量発生か」


 荒木は二度にわたって大量に見てきたモンスターであったので、あまり、興味を惹かれず飽きていた。


 さっきの大量にモンスターが生まれてくる罠と一緒か。


 荒木は気付かれないように、モンスターを避けながら扉の前や周辺を探しているがそれらしい装置が今回も見えなかった。しかし、鍵穴が扉にあった。


 つまり、この中のロックゴーレムがカギを持っていることか。そうでなければ、調べるしかないが、一回ロックゴーレムを処理してみるか。


 荒木は糸を使い数十体のロックゴーレムを糸の一振りで切り刻んでいった。ロックゴーレムを倒し終えたが何も起きなかった。


「なぜ開かない」


 荒木は三度色々と調べてみたが鍵以外の手掛かりがなかった。


 鍵がないと開かないのか。正攻法では無理かもしれないな。もう一度調べてみよう。 


 荒木は半分諦めかけたが、見落としていることがあるかもしれないと思いもう一度調べてみることにした。



○フィース一行


 フィースたちはロックゴーレムを倒して、荒木が最初に発動した罠の前まで来ていた。フィースたちは発動して元に戻した棘がむき出しになっている状態の板を発見していた。


「何でこんなに分かりやすい罠が?」


 レノールは棘がむき出しの地面にあっけに取られていた。


「一度発動した真新しい足跡が一つある。たぶん、荒木くんが罠に引っ掛かったのかな?」


 フィースは先に通った人が荒木しかいなかったので、荒木だろうと思っていたが、疑問が頭を過っていた。


「荒木が罠に引っ掛かったんですか?」


 荒木を知っているレノールは荒木が罠に引っ掛かるとは思わなかった。


「確かにあの子の実力で罠に引っ掛かるなんておかしいね」


「そうですね」


 メーベルもメーヴィスも相当な使い手である荒木が罠に引っ掛かるとは到底思えなかった。ジャネットも同様だった。

 なおもフィースたちは荒木が罠を全て発動した真新しい傷が至る所に残っている通路をその傷を確認しながら進んでいた。


「荒木はわざとと罠を発動させているみたいですね」


 レノールはほとんどの罠が発動されていたので、理由は知らないが荒木がわざとやっていることは理解した。


「悪い予感が的中したか」


「貴重な遺跡がぁ…」


 フィースとメーベルは傷だらけの遺跡を見てショックを受けていた。


「急ぐぞ。メーベル」


「わかってる」


 遺跡に傷が広がっていると思うと居ても立っても居られないフィースとメーベルは荒木を止めるため、足は速くなった。

 フィースとメーベルが足を速くする中、ジャネットにも荒木が残してくれたサプライズのロックゴーレムたちが見え始めていた。


「何あの量のモンスターたちは」


 ジャネットは先ほどとは比べ物にならないロックゴーレムの数に慄いた。


「良く見た光景ね」


 レノールは荒木に連れられたダンジョンの光景がフラッシュバックしたが、あのダンジョンのモンスターとロックゴーレムとでは比べ物にならないほどの差があったので、あまり驚きはしなかった。


「メーベル、本気で行く」


 先にロックゴーレムの大群が見えていたがフィースにとってはそんなモンスターなど驚く必要などなかった。それよりも、荒木が遺跡を破壊されることの方が脅威だったフィースはあとをメーベルに託して最速でモンスターを排除して、進むことに決めた。


「いいよ」


 メーベルもまたフィースと同じ理由で魔に進みたかったので、フィースの提案に乗った。


「ウォーターブレイド」


 フィースの魔法の発動はメーヴィスよりも数段早く、多くの魔法を周囲に作り出し、ロックゴーレム帯に発射した。フィースの魔法はロックゴーレムを切り刻んでいった。威力もメーヴィスの魔法よりも上だった。


「すごい魔法ですね。さすがはSランク冒険者ですね」


 フィースの魔法をみたメーヴィスは自分との魔法の差に上には上がいるものだと感じていた。


「もちろん」


 レノールは師匠であるフィースがメーヴィスに尊敬されているため、自分のことのようにうれしく鼻高々だった。それからは遺跡内部のあちこちの損傷が確認される以外目立ったものはなく快適に遺跡を進んでいた。しかし、道中は罠が無くなってしまって安全だったが、荒木は周りを気にせず発動していたので、壁などは荒んでいた。


「遺跡にこんなことをするなんて酷すぎる」


「本当。人間とは思えないですね」


 遺跡が傷ついている光景に再び耐え切れなくなったフィースはつぶやいた。レノールもフィースが荒木に怒りを覚えることをいいことに、荒木の悪口をいつつ賛同した。


「遺跡にあまり詳しくない私でも分かる」


 遺跡に興味はあまりなかったジャネットだが、永遠と傷つけられている通路を眺め続けて、フィースとメーベルの二人の怒る気持ちがだいぶ理解でき始めていた。


「まぁ、歴史的価値の高いものをここまで破壊できるなんて逆にすごいと思いますけどね」


 メーヴィスは何の躊躇いもなく遺跡を悪びれもなく破壊している潔さが残る痕跡から逆に荒木を感心していた。


「フィース。荒木くんは遺跡には連れてきちゃいけない子だったということよ」


 フィースの肩に手を置き、メーベルは荒木を遺跡調査の依頼に参加させたことを後悔していた。


「荒木くんに繊細な依頼は頼むべきではないな」


「確かに荒木くんはSランクすらも凌ぐ実力者で強いから、勝手にランクは上がるでしょうけど、この様子だと繊細な仕事は頼めなさそうね。頼めるとしたら戦闘面くらい依頼しかないわね」


 フィースとメーベルが依頼主として荒木を見た結果、とんでもなく扱いにくい危険薬で絶対に大切な依頼だけは荒木に託したくないと一致した。嫌っていても荒木は強かったので冒険者ランクは上がるのは確実であろうと確定していた。


「しかし、遺跡調査の依頼の試験なのにこの惨状。荒木くんは冒険者としてやる気はないみたい」


 今回の遺跡調査依頼兼昇格試験を気にせず自由気ままに動いていることからフィースは荒木がまじめに冒険者をやる気がないと思っていた。


「単純に便利だからでしょ」


「荒木が冒険者になる理由は大体そんな感じですよ」


 メーベルがやる気がなく冒険者になることが一番多いい理由を言うと、荒木と一緒に冒険者登録をしてランク上げにさして興味がなかった印象からレノールは当たっていると思った。


「そうなんだ」


 今の話と近い理由で冒険者をやっているジャネットは荒木の意外な真実に親近感を覚えていた。


「確かに便利ですからね」


 今の話と同じ似たような理由で冒険者になっているメーヴィスは共感していた。


「運が悪かったな」


 フィースは運が悪いことにして、いったん過ぎ去った荒木を考えるのをやめて、進行形の荒木を止めることに集中した。そして、話しながら早歩きしていくと、石像が倒れている光景が映った。

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