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森の中は…

「あ〜イテテ、俺、足の皮むけてるうえに太もも筋肉痛なんだよ」

 うーん、予想通り無視か。だんだんわかってきたぞ。はぁー、やっぱ行かなきゃなんないんだろうな。魚食いたいし、コイツは一応火も点けたし。俺は大自然の中で、大ではないか。な〜んも能力なしだしな。

「オオ! それは万能ナイフ。そんなもの持ち歩いてるのか。こんなに機能いっぱいあってどうすんだって昔は思ってたけど、いざこんなときになると、とても便利だよな。それで魚さば」

「あ〜もう、火、消えちゃうよ、苦労して点けたのに。早く取りに行ってくれ」

 なんだよ。火を点けたぐらいで。偉そーに。サンダルはっと、あったあった。そっと履かないと、いてて、あんまり歩きたくないのに。足の裏も気になるわ、太ももに力いれても痛むわ、俺のこの歩き方見ても行ってこいっていうかね。振りかえって見ても、案の定まったく見てない。だよな〜。つーかこっから見ても奥はメッチャ暗いよ。近づいてみてどんだけ、河原のところが、火があるからかもしれないけど、明るいかわかるよ。にしても、なんで俺があんなヤツにパシられなきゃなんねぇんだ。なにが働かざるもの食うべからずだ、てめぇだって文化祭のときなんの戦力にもならなかったくせに、出し物の焼きソバ二つも食って女子からヒンシュクかったくせに〜。

 うわー、この中に入ってくのかよ。一歩も入りたくねぇ。この入り口のとこに落ちてるやつでいいじゃん。うんっ、これ拾って持ってこう。あいたた、屈むたんびに太ももが。

「オーイ、そこのはダメだよ。湿気含んでるかもしれないし。だいたい、大きすぎる。もうちょっと中入って、木の下に落ちてるやつを取ってこーい。夜中絶やさないようにするんだから、いいぐらいのやつを。とりあえず持てるだけもってこいよー」

 なんて勝手なことを。こっちの気もしらないで。のヤロ〜、こういうときはしっかり見てやがんな。ちょっとは中入んないと。

 怖えぇ。ホントに暗いよ。中と外で別世界だよ。なんでもいいから早く拾って帰ろー。おっ、けっこう落ちてるな、とりあえず、もう取りに来ないでいいように、こんな感じのをたくさん…すぐ集まりそうだな。うわぁ〜こいうときって枝とか葉っぱがさぁ、なんかの形に見えたりすんだよねぇ。茂みからはなんか出てきそうだし。それりもちょっと先がホントに真っ暗でなんにも見えない。太田が後ろを気にしてたの今だったらわかるよ。俺の場合は前だけど。もう、足の痛みなんか気にしてられん。さっさっと、取れるだけとって戻ろう。


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