表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
試しに書いた話  作者: 若葉マーク
7/19

7 卑怯で臆病な戦い


今現在俺達は、レオ達のグループの残党と一緒に、先程鶏の魔獣を狩った場所に来ている。辺りはもうすっかり暗くなってしまっていた。

「なあレオ、明るくなるのを待ってからでも良かったんじゃないか?暗過ぎて殆ど何も見えねえぞ」

「馬鹿かお前、朝まで待ってたらあの蜥蜴野郎に喰われちまうだろうが、馬鹿かお前」

レオの言ってる事は間違ってないが、何回も馬鹿と言われると腹が立ってくる。

「夜なんだから大蜥蜴(あいつ)だって寝てるんじゃねえか?」

「甘いな、蜥蜴野郎が寝てるならよお…」

先頭を歩いていたレオは突然立ち止まり、静かにするよう合図を送った。

「他にも寝てる魔獣がいる筈だろ?」

暗くて気づかなかったが、俺達の目の前には、寝ている鶏の魔獣達の群れが眠っていた。

こんな無防備に寝ていて、今までよく生きてこれたなこの鶏達…そうやって俺達は、いくつかの鶏の群れを潰して回った。

「こんな簡単に倒せるなら、夜に行けば良かったな」

その俺の呟きを聞いたバンビが、ピクリと反応した。

そう言えばコイツ、さっきから全然喋らないな。もしかして、自分の一言が魔獣狩りに行くきっかけになったから、落ち込んでるのか?仕方ねえ、少し励ましてやるか。

「気にすんなよバンビ、お前の無茶苦茶な提案に乗った俺達が馬鹿だったんだよ」

「はあ⁉︎いきなり何よ!少し疲れたから黙ってただけ!」

なんだ、落ち込んでなかったのか。

それならやっぱり、少しくらい責任を感じてくれてれば良かったのに。

「それよりもカフカ、あんたあとどれくらいでランクアップするかわかる?」

「そうだなあ、なんとなくだけど、あと10匹くらいってところかな」

最初に戦った鶏は、結局アドラーがトドメを刺したから、俺の討伐数にはカウントされていなかったらしく、寝込みを襲った鶏を〆た時、あとどれくらいの魔獣を倒せばランクアップ出来るかが分かるようになった、感というよりは確信に近い。

その感覚に従うならば、俺がランクアップする為には、鶏を10匹は狩らないと駄目そうだった。

夜も開けて来て、周囲を明るくなって来ている。このままだと間に合わないな、どうしようか。

そう思って周りを見渡したら、あるものが目に入った。

俺の目線の先には、昼間、俺の仲間を撥ねていったらしき牛が寝ていた。群れからはぐれたらしく、上手いこと孤立しているようだ。

あいつを仕留められれば、ランクアップ出来るんじゃないか?

俺はこっそりと、牛を起こさないように近づいていく。



その時、朝になって目が覚めた鶏達の生き残りが、俺達に気付いて、大声で叫び始めた!

アドラー達がすぐに黙らせたがもう遅い。牛が目を覚ましてしまった。

やばいな、牛と思いっきり目が合った、覚悟を決めるしかなさそうだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ