4 未知との遭遇
皆さんおはようございます、
こちらは現場のカフカです。
それでは現在のお天気をお知らせします。
周辺には平地が広がっており、
障害物も何も無いこの場所で、もし周囲にいる魔獣に目をつけられたら大人しく餌になるしか無いでしょう!
今現在私達はバレないように草むらの中を匍匐前進している状況ですが、見つかってしまえば一巻の終わりですね!
それでは現場からは以上です。
また次回お会いしましょう、さようなら〜…
って危ない危ない、緊張のあまり訳の分からない事を考えてしまった。
まあそういう訳で只今俺達は、だだっ広い草原で狩りやすそうな魔獣を探している。
アドラーの奴は自信ありげに言ってたけれども、本当にこの辺に弱っちい魔獣が居るのかよ…って居た!
俺達の眼前にはデカ目の鶏みたいな魔獣の群れが間抜けそうに突っ立って居る。コイツなら殺せるんじゃないか?
一度そう思ってしまうと、魔獣に対する恐怖心が段々と、俺は鶏《こんな奴》に怯えて居たのかという怒りへと変わっていく。
そう考えてからは早かった、俺は草むらから飛び出し鶏の喉元にナイフを突き刺す!喉元にナイフが深々に突き刺さった鶏はバランスを崩し地面に倒れ伏した。それをきっかけに仲間達を鶏達に突撃していく…
「…案外、呆気なかったな」
「ええ、そうね」
あまりの呆気なさにただ呆然とする。バンビを同じ気持ちのようだ。
ただ鶏との戦闘はこれで終わりではなかった。
いや、鶏は既に死んでいた。
だが、その尻尾が、まだ生きていた。
まだ見えていなかった、その尻尾。
蛇の頭が俺の喉笛に噛み付こうとしてきたのだった。
完全に気を抜いていたため、俺は蛇の一撃を避けることが出来ない、そして俺の首に蛇の牙が突き立てられ…なかった。
アドラーの棍棒が蛇の頭を容赦なく粉砕していた。
「…ありがとうアドラー、助かったよ」
「おう、気にするな、いくら弱くても魔獣は魔獣だからな、警戒を緩めるなよ」
バンビは大丈夫かと思って見てみると、腕を噛まれながらも冷静に蛇の頭部を切断していた。
…女だっていうのに、本当にたくましいなコイツは、心配のし甲斐がないってもんだ。周りを見渡してみるとコイツにやられそうになったのは俺だけみたいだった。皆の視線が痛い!どう言い訳をするかを考えようとした次の瞬間、
仲間達の2,3人が何かに撥ねられて宙を舞った…