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11 手術

いよいよ手術当日。


朝起きると、ナオヤからボイスメッセージが届いていた。


「おはよう!昨夜は眠れた?俺はおまじないのせいでドキドキしてあまり眠れなかったよ!今日はお互い頑張ろう!じゃあ、また後で。」


おまじないを仕掛けてきたのは、ナオヤの方なのになぁと思いながらも、ひかりも同じようにキスの感覚を思い出しては、1人浮かれていた。


いつも通り運ばれてきた朝食を食べていると、

母親と弟がやってきた。


「ひかり、緊張とかしていない?大丈夫?」


「ねーちゃんより、母さんの方が緊張してる気がするけど・・」


「お母さん、私は大丈夫。心配しないで。」



朝食を済ませ、少ししてから身体検査が行われた。

着々と手術の準備が行われ、ひかりは、気持ちをキュッと引き締めていた。


1人じゃない。1人になんてさせない。


ナオヤの言葉が、ひかりを不安の渦から救い上げてくれていた。


「小倉さん、そろそろ行きましょうか。」


看護師の誘導により、ひかりは手術台へと向かった。


「お母さん、行ってきます。」


ひかりは笑顔で、行ってきますと言った。

あきこは、なんて強い子になったのだろうと、涙を零してしまった。


「うんうん、行ってらっしゃい。お母さん、ずっと待ってるからね!!」


「ねーちゃん、目が見えるようになったら、俺とゲームしよーな!」


「うん!カナタは、お母さんの事、見てあげてて。」


「りょーかいした!」


いつのまにか自分の子供達はこんなにも成長していたんだと、あきこは誇らしく思った瞬間でもあった。


そしてついに、手術が始まった。




手術が始まった頃、ナオヤはレコーディングスタジオにいた。


このレコーディングスタジオは、以前CDを作ったときにお世話になったエンジニアがいるスタジオだ。


「よし、歌詞も完璧。あとは精一杯歌うだけだな。」


昨日帰ってから、ひかりの未完成だった歌詞を書き上げた。絶対に良い歌ができる。そう確信した。


「ナオヤくん、準備はいいかい?」


「はい、お願いします。」


ナオヤは歌のブースに入り、ゆっくり深呼吸した。

ひかりに届きますように。

ナオヤは、心を込めて、歌入れを始めた。




昼から始まった手術だったが、終わったのは外が暗くなった頃だった。


手術中の点灯が消え、執刀医が出てきた。


「先生!手術はどうでしたか!?ひかりは大丈夫ですか!?」


あきこは待っている間、何度も席を立ち上がっては座っての繰り返しで、落ち着かない様子だった。


「お母さん、落ち着いて!先生の話ちゃんと聞こう!」


カナタがあきこをなだめると、先生が話し出した。


「手術自体は、問題なく終わりました。あとは、ひかりさんが目を覚まして、どうなっているかです。今の段階で言いますと、手術自体は成功しています。もちろん、ひかりさんも無事です。安心してください。」


「良かった・・!!」


あきことカナタは、安否が分かった瞬間、どっと疲れが押し寄せた。無理もない。手術中何時間もずっと側にいて、どうなるか分からない結果を待っていたのだ。精神的な負担は大きかった。


「あとは、ひかりさんが目を覚ますまで、様子を見ましょう。もしかすると、明日まで起きない可能性もありますので、一度お家に帰られたほうがよろしいかと。」


「分かりました。母さん、いったん家に帰ろう。」


「そうね・・分かりました。先生、ありがとうございました!」


あきことカナタは、一度家に帰ることにした。

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