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19スライム

 朝食を食べ終えて、俺とルナはクエストを受けるために冒険者ギルドへと訪れた。


 「ルナの初クエストだ、頑張ろうな」


 「はい、ご主人様!」


 クエストボードに貼られている俺たちが受けられる依頼書を一通り見てみる。


 『――大工の手伝い――Gランク。人手不足で作業員が欲しい。報酬は1日銀貨80枚。ギルドポイン5ポイント。』


 『――ペットの捜索――Gランク。私の大事なペットのホワイトドックを探して欲しい。報酬は銅貨50枚。ギルドポイント5ポイント。』


 『――鉄鉱石の採掘――Fランク。剣を造るのに必要な鉄鉱石を鉱山で採掘してきてくれ。報酬は鉄鉱石一つで銅貨10枚。ギルドポイントは鉄鉱石一つで3ポイント』


 『――毒消し草の採取――Fランク。解毒薬を調合するのに必要な毒消し草を森で調達して欲しい。報酬は一本につき銅貨8枚。ギルドポイントは1本につき5ポイント』


 う~ん、この辺りのクエストではやはりこの程度の報酬とギルドポイントか……。


 できれば手っ取り早く金とギルドポイントを稼ぎたいのだが、そんなクエストはないかな?


 「ご主人様、このクエストはいかがですか?」


 ルナが指差す依頼書を見てみる。


 『――大量発生したスライムの討伐――クエストランクF。街外れにある森にスライムの群れが発生。これ以上数が増えると厄介。そうなる前に討伐してください。報酬はスライム1匹につき銅貨30枚。ギルドポイントは1匹につきギルドポイント5』


 「お、これはなかなか良さそうなクエストだな」


 スライムはFランクのモンスターでゼリー状の身体をしており、しかも動きが遅いから大人なら誰でも討伐できるモンスターだ。


 報酬とギルドポイントもまあまあだし、これにしよう。


 俺は依頼書を剥ぎ取り、ララリアさんに渡す。


 「すみません、このクエストを俺とルナで受けたいと思います」


 「分かりました。目撃情報だとスライムはかなりの数がいると推測されています。スライムだからと言って決して侮らないように気をつけてくださいね」


 「はい。では行ってきます」


 「失礼します」



 ● ● ● ● ● ● ● ●



 「はあ!」


 地面スレスレまで身体を前傾させ、黒鉄鋼の短剣を手に森を疾走するルナ。


 向かうはスライム3匹。


 スライムは全体がゼリー状だが、内部には心臓とも言える核がある。それさえ破壊すればスライムは絶命するようだ。


 ルナは的確にスライムたちの核を両断していく。


 するとスライムは両断された核だけを残して跡形もなく消滅する。


 「これで10匹目ですね。私、ご主人様に喜んでもらえるようにスライムをもっと討伐しますね!」


 張り切りながら討伐部位であるスライムの核を回収するルナ。


 初クエストだからか、やけに張り切っている。そのお陰で順調にスライムを討伐することができている。


 別のスライムを求めて暫く森を探索していると――


 「止まってください、ご主人様……」


 何かの気配を感じたのか、ルナが立ち止まる。


 「「「「ゲギャギャギャギャギャ」」」」


 聞き覚えのある下品な笑い声。


 樹に隠れながら声のする方に視線を移す。


 ゴブリンだ。数は4匹。


 「面倒だな……」


 ゴブリンは今回のクエストの討伐対象ではない。正直に言えばスライム以外のモンスターに余分な体力は使いたくないのだが……。


 「どうする? ここは逃げるか?」


 「いえ、あの程度のモンスターなら直ぐに片付けられます」


 そう言ってルナは弓の弦を張る。


 すると魔力で作られた矢が出現、それを放つ。


 ヒュンッ!


 「ゲギャッ!?」


 脳天を矢で貫かれて、絶命する1匹目のゴブリン。


 残りのゴブリンたちも俺たちに気づいたのか、ものすごい形相でこちら迫ってくる。


 「行きます!」


 ルナは弓を背中に納め、黒鉄鋼の短剣を取りだし、ゴブリンたちに目掛けて駆ける。


 「ゲギャギャギャ!」


 ゴブリンは棍棒を降り下ろしてルナを迎撃しようとする。


 しかし、ルナはゴブリンの攻撃を軽々とかわす。


 「はあっ!」


 掛け声と共にリオンが黒鉄の短剣を振るう。


 「ゲギャッ!?」


 喉を斬り裂かれ、短い悲鳴を上げながら絶命する2匹目のゴブリン。


 倒したゴブリンには目もくれず、続け様に3匹目のゴブリンの首を斬り落とす。


 「ゲギャギャギャ!」


 4匹目のゴブリンが棍棒を振るう--前にゴブリンはルナに眼球を黒鉄鋼の短剣で突き刺される。


 「ゲ、ギャ……」


 ガクリとゴブリンは崩れ落ち、そのまま動くことはなかった。


 「終わりました、ご主人様」


 ゴブリン4匹を瞬殺。俺なんかゴブリン1匹を倒すのに結構苦労したのに、ルナはかなり余裕がありそうだ。


 ルナの実力は俺の予測以上だ。攻撃にしろ回避にしろ、どれも動きに切れがある。


 「上出来だ。流石ルナだな」


 「ありがとうございます!」


 エルフ耳を動かして期待に満ちた瞳で俺を見つめるルナ。


 まるでご褒美が欲しくて堪らない犬みたいな雰囲気だな。


 俺はルナの金髪を撫でてやった。


 「ふふふ……」


 撫でられるのが嬉しいのか、ルナは嬉しそうに頬笑む。


 「ご主人様のためにもっと頑張ります!」


 ゴブリンを討伐後、俺たちは次々とスライムを討伐していく。


 この日は俺が6匹。ルナが14匹。合計20匹のスライムを討伐することに成功するのだった。

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