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18就寝

 夕食を食べ終えて俺たちは2階の借り部屋に向かう。


 俺たちが借りている部屋は1人部屋だ。


 1人部屋したのは少しでも所持金を節約するためだ。


 ルナを購入するのに銀貨45枚。


 服購入に銀貨1枚。


 ルナを冒険者に登録するのに銀貨1枚。


 武器と防具の購入に銀貨60枚。


 ポーションを購入するのに銀貨1枚。


 部屋代と食事代で銅貨80枚。


 合計金貨1枚と銀貨8枚と銅貨80枚を使用した。所持金の3分の1以上を消費したことになる。


 当分は節約しながら暮らすしかないな。


 「明日からクエストを受けるから今日はもう休むとするか」


 「分かりました。では私は床で寝ますから、ご主人様はベットでお休みください」


 「いや、俺が床で寝るからリオンがベットで寝るんだ」


 自分がベットで寝て女の子を床で寝かせるのは罪悪感がありすぎるだろ。ここは俺が床で寝るべきだ。


 「ご主人様を差し置いて奴隷の私がベットで眠るなんてできません!ご主人様がベットでお休みください!」


 ベットで眠ることを頑なに拒否するルナ。


 真面目な娘だなルナは。


 「いや、ルナがベットで寝るんだ。ルナにはモンスターと戦ってもらうからな。万全の状態で挑んでもらいたい」


 「ですが!」


 それでも頑なにベットで眠ることを拒むルナ。


 仕方がない、この方法はあまり使いたくないんだが……。


 「命令だ。ルナ、ベットで寝るんだ」


 俺がリオンにはそう命じると、ルナの額に赤い紋様が浮かび上がる。


 奴隷が主人に絶対服従するためにつけられた魔法の刻印である奴隷紋が発動したのだろう。


 「か、身体が勝手に……!」


 奴隷紋に操られてまるでロボットのような動きでベットに横たわるルナ。


 なるほど、これが奴隷紋の力ということか……。


 「ご主人様……ズルいですよ……」


 強制的にベットで寝かされてルナは少し不機嫌そうだった。


 ごめんなルナ。ここは男として--主人として少しは格好つけさせてくれ。

俺はランプの灯を消して女将から借りた毛布で身体をくるみ、就寝するのだった。



 ● ● ● ● ● ● ●



 深夜。


 「う……うぅ……!」


 「……ん?」


 変な声が聞こえて、目を覚ます。


 「いや、やめて……」


 ベットで眠っているルナが苦しそうに魘されていた。


 「いやぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」


 亡くなった両親を呼び大声で喚き出すルナ。


 「ルナ、落ち着け! 落ち着くんだ!」


 俺は慌ててランプをつけてルナに寄り添う。


 「お父さん、お母さん、ご主人様!」


 両親と俺を呼びながらルナはずっと涙を流しながら手を前にして助けを求める。


 「おいルナ、しっかりしろルナ!」


 俺はルナの手を握り、呼び掛けを続ける。


 暫くすると、ルナは落ち着きを取り戻し、目を覚ます。


 「……ご主人様?」


 「大丈夫かルナ? 魘されていたぞ?」


 パチパチと瞬きをしながら、ルナは俺の存在を確認するかのように頬を触る。


 「ご主人様!」


安堵の息を漏らしながらルナは俺に抱きついてくる。


 ルナ曰く、両親がモンスターに殺された時の夢を見てしまったようだ。その夢の中には俺もいたようで、同様にモンスターに殺されたようだ。


 「怖かったです……。お父さんとお母さんに続いてご主人様まで失うなんて、耐えられません……」


 俺に抱きついたまま離そうとしないルナ。僅かに震えている。余程怖かったようだ。


俺はルナの頭を撫でてやる。


 「ご主人様、今夜は一緒に寝てくれませんか?」


 ルナが俺と一緒に眠りたいと懇願してきた。まあ、怖い夢を見た後だから仕方がないよな。


 「分かった」


 ランプの灯を消して二人でベットに入る。ルナが顔の向きを俺に固定してくるので、気まずくなって背中を向ける。


 今まで女の子と一緒に寝ることなんて1度もなかったせいか、妙に緊張する。


 しかもベットが小さいせいか、俺とルナはほぼ密着状態にある。背中にルナの柔らかい胸の感触がダイレクトに伝わってくる。


 ヤバイ! 心臓がバクバクと張り裂けそうなぐらい鼓動している! 収まれ、収まるんだ俺の心臓!


 その後、俺は眠ることができなかった……。

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