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17ステーキ

 買い物を終えた俺たちは『駆け出しの冒険亭』の食堂で夕食を取ることにした。


 「今日はお祝いだ。遠慮せずに好きなもの好きなだけ食べていいぞ、ルナ」


 「……いいんですか?」


 「ああ。明日からクエストを受けるから忙しくなるからしっかり食べておけ」


 それを聞いてルナの表情が明るくなる。


 「あ、ありがとうこまざいます!ではこれをおねがいします」


 ルナが注文したのは『誰でも満足ステーキ』と言う料理だった。


 銅貨20枚か……。ちょっと高いけどせっかくだ、俺もそれにするか。


 「この料理を2つ頼む」


 「分かりました。少々お待ちください」


 注文して暫すると女将が料理を持ってきた。


 「こ、これは凄いな……」


 「美味しそうです!」


 女将さんが持ってきたのはパンとスープ、そしてメインのステーキだった。


 熱々の鉄板の上に置かれている分厚い肉がジュウジュウと音を立てて、蕩けるバターの香ばしい匂いが漂う。


 しかし、いくらなんでも分厚過ぎるだろこれ……。軽く2キロは越えてるぞ……。


 「いただきます!」


 ルナは何の躊躇いもなくステーキを口にする。


 「美味しいです!」


 美味しそうにステーキ肉を頬張るルナ。


 「いただきます」


 フォークとナイフで肉を切り分け、一口食べる。口の中一杯に肉と脂の旨味が広がる。


 加えられた塩と胡椒で味付けされた肉と茶色いソースの味が混ざり合い、とても素晴らしい味となる。


 うん、美味い。美味いんだが、食いきれるかな、これ……。



 ● ● ● ● ● ● ● ●



 10分後。


 「もう……食えない……」


 2キロのステーキ肉を何とか平らげる俺。当分肉料理を口にしたくないと思った。


 そんな俺に対してルナは--


 「お代わりください!」


 お代わりを宣言するルナ。


 嘘だろ!? ステーキ肉を2キロも食べておいてまだ食えるなんて、その細い身体のどこにそれほどの量が入るというだ……!?


 ルナの底無しの食欲に思わず俺の頬が引きつる。


 「本当に美味しいです……。こんなに美味しい料理は久しぶりです……」


 「ルナ……」


 奴隷商会にいた時はまともな料理を食べさせてもらえなかったのだろう……。


 「だから、こんなに美味しい料理を食べさせてくれるご主人様には感謝しています!」


 満面の笑みを見せるルナ。そんな顔されたら、仕方がないよな……。


 「存分に食べろよ、ルナ」


 「はい!」


 その後、ルナは再びおかわりをし、合計6キロのステーキを食べ、俺を含めた店中の客を唖然とさせるのだった。

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