16装備
無事にルナがFランクに昇格したルナを連れて市場に向かう。
明日からはルナと一緒にクエストを受けるので、それにそなえての装備品を整えるためだ。
買うのは武器と防具、それとモンスターとの戦闘で怪我をした場合に役立つ回復用ポーションなども買っておく必要があるな。
「おお、先程のお客様ではないですか!」
話しかけてきたのはルナを売ってくれた商人のローンだ。
「おや、そちらの美しいお嬢さんはどなたですかな?」
「ルナだ」
「へっ?」
俺の言葉にローンは気の抜けた声を出す。
「だからルナだと言ったんだ」
「えええええええ!? この美しいお嬢さんがあのエルフの娘ですと!?」
ローンが大声を上げて驚いた。
「火傷の痕が綺麗さっぱり消えているじゃないですか!? いったいどうやったのですか……!?」
マジマジとルナを見つめて関心したように声を漏らす。
ローンが驚くのも当然だろう。あれほどの火傷の痕を完全に消すには余程の金額を支払わなければならないだろうからな。
それにルナがこれほどの美少女だとは流石のローンも思ってはいなかったようだ。
「お客さん、この娘を売る気はありませんか?」
早速ローンがルナについて商売を持ちかけてきた。ローンの目は真剣だった。
「金額は金貨10枚……いや、20枚出します!」
金貨20枚!? 土地つきで大きめの家が立つ金額だぞ!
そんな大金を出すとは、それほどルナで儲けられる算段があるのだろう……。
「ご主人様……」
ルナが不安そうに俺を見つめる。売られると思っているのだろう。
流石にそこまで外道じゃないぞ、俺は。
「悪いがルナを売るつもりはない」
「ならば金貨25枚出します。これ程の美少女ですから、処女じゃなくても高く売れますよ」
「私はまだ処女です!」
「なんとなんと!まだ処女ですか!?それなら金貨40枚でどうですか!?」
金貨40枚!? 処女と言うだけでこれほど金額が上がるのか?
だが、ルナを売ることは絶対にない。
「悪いが、いくら金を出されてもルナを売るつもりはない。諦めてくれ」
しかし、ローンは食い下がってくる。
「そこをなんとか! ならば金貨50枚ならどうでしょうか?」
さらに金額を上げて来やがった……。それほどルナが魅力的なのだろう。
「ダメなものはダメだ」
「そうですか、それは残念です……」
ようやく諦めたのか、ガッカリした表情をするローン。
「まあ、気が向いたらいつでもお売りくださいね。処女でなくとも高く買い取りますので」
「だから、売るつもりはないと言っているだろう……」
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ローンと別れて俺たちは武器と防具を求めて武器屋に向かう。
店内に入ると、色々な武器が壁にかけられている。他にも盾や鎧など防具や冒険に必要そうな装備が揃っている。
まさしく武器屋と言った感じの面持ちだな。
「いらっしゃい。何の用件で?」
カウンターの椅子に腰かけているのはドワーフのおっさんだった。
モジャモジャの髭を生やし、小柄だが筋肉のついた体型。漫画に出てくるドワーフそのものの姿だ。
「武器と防具を買いにきた。予算は銀貨60枚。この子に合った物を頼む」
「お嬢ちゃん、何かリクエストはあるかい?」
「そうですね。武器は弓と短剣をお願いします」
「弓と短剣か……。それならこれはどうだ?」
店主が勧めてきたのは少し古めの弓と黒い刃の短剣だった。
「弓のほうは古そうに見えるがただの弓じゃねえぞ。こいつはマジックアイテムだ」
「マジックアイテム?」
「おうよ。弓に魔力を流すことによって自動に矢へと変換させる優れものなんだぜ。それに矢に風属性を付与させて飛距離を伸ばすことができるんだぜ」
ほう、それなら矢の残量を心配する必要もないし、わざわざ矢を持ち歩く必要はないな。それに飛距離を伸ばせると言うのも良いな。
「んで、短剣は鉄よりも硬度が高い黒鉄鋼で鍛えている。なかなかの斬れ味だぜ」
ルナは短剣を手にし、構えると数回黒鉄鋼の短剣を振るう。
「手元に馴染んで扱いやすいです」
どうやらルナも気に入ったそうだ。
「幾らだ店主?」
「弓は銀貨40、短剣は銀貨10枚だな」
マジックアイテムの弓は結構高い値段がするな……。
まあ、便利だしルナが気に入ったのなら別にいいか。
「残りの銀貨10枚で良い防具はあるか?」
「それならこいつがお勧めだな」
店主が薦めてきたのは革鎧だった。
「オーガの革で作られた革鎧。動きやすくて多少の衝撃にも耐えられる自慢の逸品だぞ」
「これなら動きやすそうです。ご主人様、これに決めました」
「分かった。ほら、銀貨60枚」
「毎度あり」
無事にルナの武器と防具を購入し、薬屋でポーション10個(銀貨1枚)購入して買い物は終了するのだった。




