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12打ち上げ

 無事にウキウキ討伐クエストを成功させた俺とサラ、エリスの3人は冒険者ギルドの酒場で打ち上げを行うことにした。


 時刻はもう17時を回っているから客も多く、酒場はお祭りのように騒がしい。


 「「「乾杯!」」」


 グラスを軽くぶつけ合い、中に入ったエールを流し込む。


 「くぅ~! 初クエストをこなした後で飲む酒は骨身に染みるぜ!」


 俺は17歳の未成年だが、それは転生前にいた世界の話だ。


 『アルディア』では15歳が成人と見なされるので何の問題もない。だから俺は大いに酒を楽しんでいる。


 それにしても初クエストでなかなかの報酬を稼げたな。


 今回のクエストで討伐したウキウキの数は12匹。報酬金額は銀貨9枚と銅貨60枚。それを3人で分ければ1人あたりの分け前は銀貨3枚と20枚。日本円に換算すれば32000円か。


 ギルドポイントも40ポイントも貰えたし、初クエストにしては上出来だ。


 これもサラとエリスのお陰だな。


 「2人ともありがとう。お陰で無事初クエストが成功したよ」


 「別に良いわよ。アタシたちも君がいなかったら今回のクエストを受けられなかったんだから」


 「そうですよ、顔を上げてください」


 「そう言ってくれるとありがたい。今日は俺が酒を奢るよ。すみませーん、エールの追加お願いしまーす」


 ウェイトレスのお姉さんにエールを頼む。


 それにしても今回のクエストは楽しかったな。2人共頼りになるし、魔法適性が無属性魔法の俺に対しても優しく接してくれるし、このメンバーでまたクエストを受けたいな。


 よし、ちょっと誘ってみようか。


 「なあ、実は頼みがあるんだ。これからも俺を2人のパーティーに入れてくれないかな? 俺ができることは何でもするから」


 俺がそう言うと、サラとエリスは一瞬目を点にさせる。だが、直ぐにどこか申し訳なさそうな表情をする。


 やっぱり、ダメか……?


 「それが、実はね……」


 「私たち、『ワルキューレ』と言うクランに入ることになったんです……」


 「クラン……」


 クランとは冒険者同士で立ち上げた組織のことを言う。


 Dランク以上の冒険者なら誰でも立ち上げることができ、方針も自由に決められる。例えば『モンスター討伐専門』や『魔法使い限定』と言った感じのクランが存在する。


 サラとエリスが入ることになった『ワルキューレ』は『女性限定』を掲げ、『センタクル』に滞在する女性のほとんどがこのクランに入っているようだ。


 俺もいずれは自分のクランを結成してみたいな。


 ちなみに『ワルキューレ』のリーダーは世界に5人しかいないと言われているSランクの冒険者で、女性冒険者なら誰もが憧れる存在らしい。


 「今回のウキウキ討伐クエストは『ワルキューレ』に入るための入団試験だったのよ」


 「無事にクエストを達成できたので無事に入団することができました」


 そうか。それなら仕方がないな。ここは2人を祝福してあげよう。


 「おめでとう2人共」


 「ありがと」


 「ありがとうございます」


 しかし、これからどうしよう。


 1人でクエストをこなしていくのは少し心元ないしな。


 かと言って無属性魔法の魔法適性を持つ俺をパーティーに入れてくれる奴なんてそうはいないと思うし……。


 「誰かこんな俺でもパーティーに入れてくれる奴いないかな……」


 俺がポツリと呟くと――


 「だったら奴隷を購入すればいいんじゃないの?」


 悩んでいる俺にサラがそう言う。


 「奴隷?」


 「そう、奴隷よ」


 奴隷。


 『アルディア』には俺のいた世界と違って奴隷制が存在している。


 借金のかたとして売られたから、犯罪を犯して捕まったから、路頭に迷い行き場をなくしたからなど、様々な理由で奴隷になった者がいる。


 主人は奴隷に最低限の衣食住を保証する義務が生じるが、その代わりに奴隷は主人に逆らえないよう絶対に服従する奴隷紋をかけられることになる。


 「確かに奴隷なら面倒事が少なくて良いかもしれないな……」


 「でしょ? でも、奴隷って結構高いのよね。戦闘経験がある奴隷なら金貨3枚は超えるって聞くし……」


 金貨3枚! 日本円に換算すれば3000000円じゃないか!?


 流石に今の俺には奴隷は無理かな……。


 「あ、でも奴隷の中には理由があってとても安く売られている場合もあるそうですよ。一度は奴隷市場に行ってみる価値はあると思いますよ」


 奴隷か……。


 奴隷と言う言葉に少し抵抗を感じるが、実力がない俺に少しでも戦力を得られるためなら仕方がないことか。


 幸いお金なら少し余裕があるし、明日にでも奴隷市場に行ってみるか……。


 この後、俺たちは打ち上げを大いに楽しんだ。

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