10パーティー
無事に昇格試験を合格した俺は、手続きを行うためにギルドホールに向かった。
「あ、レイジさん。無事に昇格試験を合格できたようですね。それでは早速Fランク昇格の手続きを行いますので、ギルドカードを提出してください」
「はい」
俺はララリアさんにギルドカードを渡す。
すると、『G』と記入されていた俺のギルドカードは『F』と書き直されて返還された。
「Fランク昇格おめでとうございます、レイジさん。これで貴方もモンスター討伐クエストを受けることができます」
これで晴れて俺はFランク冒険者。モンスターをたくさん討伐して稼ぐぞ!
「討伐クエストをは危険が伴うお仕事なので他の冒険者の方たちとパーティーを編成して受けるのがお勧めですよ」
ふむ、パーティーか……。
パーティーを編成すれば報酬が大幅に減ることになるが、昨日この世界に来た駆け出し冒険者の俺には一人で討伐クエストを受けるのはあまりにも危険過ぎるな。
まずは経験豊富なベテラン冒険者と一緒にクエストをこなすのが得策か。
「よーし、パーティーを募集しよう!」
● ● ● ● ● ● ●
次の日の冒険者ギルドで。
「………………誰も来ないな」
俺はポツリと呟いた。
求人の張り紙をクエストボードに出した出した俺は冒険者ギルドの片隅にあるテーブルで、パーティーを組んでくれる冒険者を待ち続けた。
しかし、一向に俺とパーティーを組んでくれる冒険者は来ない……。
俺以外にもパーティーを募集している冒険者はいる。だが俺を除いてその人たちは次々と面接をして、パーティーを結成し、そのままクエストに行ってしまう。
どうして俺だけが……? その理由は直ぐに分かった。
「おいおい、まだいるぞ、あいつ……」
「魔法適性が無属性魔法だから仕方ないわよ」
「初級魔法しか使えないとかマジで足手まといにしかならなくね?」
「同感」
つまりそう言うことだ……。
やはり初級魔法しか使えない俺では戦力にならないと思われているらしい。酷い話だよな。
まあ、否定ができないのが悲しいところです……。
張り紙を出して既に半日が経過しているし、流石にもう来ないだろう。
仕方がない。1人でもこなせる簡単なクエストでも受けるとするか……。
パーティー募集を諦めて、立ち上がろうとしたその時だった。
「パーティー募集の張り紙を出したのはあなたかな?」
俺に話しかけてきたのは革の鎧を身に着けた、身軽そうな格好をした少女。
茶色の髪を肩口まで伸ばした、左頬に小さな十字傷がある明るい感じの美少女だ。
その隣には白いローブを身に纏い、頭には三角帽、手には長い杖を持っているいかにも魔法使いと言った風貌の黒髪の少女。
こちらもなかなかの美少女だな。茶髪の少女とは真逆で大人しく、清楚な雰囲気がする。胸も結構大きいな……。
「そうです」
「良かった。実はアタシたちが受けたクエストは3人パーティーが必須条件で1人不足してたの」
「宜しければ一緒にクエストを受けてくれませんか?」
「ぜひお願いします!」
俺とパーティーを組んでくれる冒険者! しかも2人共美少女! まさに救いの女神様が降臨されました!
「まずは自己紹介しておこうかな。アタシはサラ。Fランクよ」
「エリスです。同じくFランク。どうぞ宜しくお願いします」
「俺は神崎レイジ。Fランク。宜しく頼むよ」
「カンザキ?」
「珍しい名前ですね?」
俺の名前を聞いて首を傾げるサラとエリス。
「あ、名前がレイジ。神崎が苗字だ」
「名前と苗字が逆だなんて珍しいわね」
「もしかして『オオエド』出身ですか?」
『オオエド』とは『エルバラード王国』の辺境にある小さな街で、何故だか知らないが日本と似た文化があるところらしい。
「えっと、父親が『オオエド』出身なんだ……」
説明するのも面倒なのでその設定にしておこう。
「まあ宜しくね。それじゃあ昼食も兼ねてクエストの打ち合わせをしましょうか」
「あ、昼食は俺が奢るよ」
こうして俺はこのメンバーで初クエストを受けることになった。




