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ZEROの彼方  作者: おはぎ
第一話
3/19

第一話(3)

『何⁉ 今の音!』


音は三階から聞こえていた。

『田中 健太は三階ですね』

『下村さん⁉ どうしたの?』


他の同僚も全員がナースステーションに駆け付けた。

『その子は…』

医師が、少年の存在に気付き、下村に説明を求める。


『あの、いつの間にか入って来てて。

さっきの音は、上の階だと思います』


下村の説明を受け、

『…分かった。 下村さんは、一応この子とナースステーションで待ってて。

私達で、上の階の様子を見てくる』

医師は言うが早いか、ナース2人を連れて上の階に向かった。


『待って-』

『はい! 君もお留守番‼』


駆け出そうとする少年を下村はがっちりと掴み、ステーション前のソファーに無理矢理座らせた。


『いや…危ないって!』

『はいはい。じゃぁ、君の名前は?』


焦る少年を知り目に、下村は何とかこの少年の情報を聞き出そうと試みる。


日野ヒノ 彼方カナタです』


『じゃぁ、彼方君。 最初の質問に戻るけど、どうやって入ったの?』


中々の剣幕で下村は彼方に詰め寄る。

『…一階のトイレの窓が開いてた』

『あちゃぁー…』


施錠確認をしたのは下村自身。

完全なる確認ミスである。


『田中 健太はどんな様子でしたか?』

『え?』

『だから。田中 健太の容体はどうだったんですか?』


彼方の雰囲気に、下村は少し不穏な空気を感じ取った。

口調は強いわけではないのだが…

目付きが鋭すぎる。

眉間に寄せた皺のせいで余計にだ。


『えっと…命には別状無いわ。

意識は無いけど、無傷だし』

『無傷…そうですか。 その回復力は確実に《発現》してる』


発現…?

聞きなれない言葉に下村は首を傾げ、

『《発現》って何?』

彼方に問い掛ける。


『《発現者》って、知ってますか?』

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