少年が死んだ日
やぁみなさん、こんにちは。
もしかしたらこんばんはかな?
おはようございますかもしれないね。
僕の名前は…まぁそんなことはどうでもいいよね。
僕は今、生きてきた17年の人生を、終わろうとしている。
車に跳ねられてはしまってさ、血がドクドクと流れてしまい意識がなくなりそうだ。
こんな特殊な状況なんで、走馬灯のようなものもみえたりしてる。
みなさんには、これから少し僕の回想に付き合ってもらいたいと思う。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
僕はいわゆる中流家庭にうまれ、今まで17年、ひたすら普通に生きてきた。
テストの点数は平均点ぴったしだし、運動能力も平均的だ。
部活は帰宅部である。たまに運動部の助っ人をしている(と言っても、ただの数合わせだ)が、基本的には友達とゲームをしたり、カラオケに行ったりという本当にごくごく普通の当たり前な生活をしている。
しかしそんな僕を、まわりの友達は普通じゃないという。
こんなにも普通の生活をしているのに、あんまりだと思う。
そんな僕の、死にそうな今思っていることはといえば…
「パソコンのデータを消しておきたかった…」
である。
どうだい?すごく普通だろ?
なに?それ以外にもあるだろだって?
そうだなぁ…
「お気に入りのアニメの最終回、見たかった…」
かな?
どうだい?とっても普通だろ?
それに、今車に跳ねられたのだって、良く物語とかである
「小さな子供を助けて…」
だとか
「子猫を助けて…」
だとかじゃなく
「歩きながら本を読んでいたら、前から来た人にぶつかりそうだったので、それをよけたら後ろから車が突っ込んできた」
って感じだ。
どうだい?普通だろ?
え?普通は歩きながら本を読まないって?
いやいや、あるでしょ?
気になる本を買って、電車の中で読んでいたんだけど、後少しのところで駅に着いちゃったから、駅から出ても読んでしまった。
あるよね?ないかな?
もしかして、僕だけだったりする?
こほんっ
まぁいいや、そろそろ意識が無くなるようだ。このまま死ぬんだろうなぁ…みんな、ありがとう。
そうして俺は、意識を失った。