少年入学式に出る
わいわい………がやがやっ
入学式の会場である王宮の王の間には、あふれんばかりの人が集まっていた。
集まっている人たちは種族も年齢もバラバラであり、下は6歳から上は25歳まで集められている。
「んんっ。静粛に、静粛にっ」
王様が座る椅子の前に、司会者らしき女性が立つ。
「これよりっ、入学式を開式いたします。…まずは王様から入学のお祝いをしていただきます。王様が中央をお通りになって入場いたします。みなさま、お静かにお願いいたします…」
どうやら入学式が始まるらしく、中央の道をあけて左右に人々がわけられる。
「王様のごにゅ~じょ~う」
パパパパパパパーン
盛大にラッパが鳴らされ、扉が開く。
「みなさま、拍手でお迎え下さいっ」
わぁぁっ
パチパチパチパチパチパチ
司会の女性の声が響き、盛大な拍手が王様に向けられる。
パチパチパチパチパチパチ
拍手の中を王様が椅子に向かい進んでいき、椅子の前に立つ。
「静粛にお願いします…」
パチパチパチパチ…
拍手がやみ、王様が椅子に座る。
「それではこれより…記念すべき第1回、国立全教科一貫校「アースグレイズ学園」の入学式を開始いたしますっ」
わぁぁっわぁぁっ
パチパチパチパチパチパチパチパチ…
「静粛にお願いいたします………ではまず初めに、王様より開式のお言葉をいただきますっ」
女性が宣言すると、王様が立ち上がりマイクを持つ。
わぁぁわぁぁ
パチパチパチパチパチパチパチパチ
一斉にみんなが拍手をする。
「静粛にっ…。おほんっ…本日は我が国初の…いや、世界初の国立全教科一貫校「アースグレイズ学園」の入学式に集まってもらい、嬉しく思う。これより、入学式を開式するっ!」
わぁぁっ
パチパチパチパチパチパチ
王様の宣言に、会場が盛り上がる。
「静粛にお願いいたします………では続いて、当学園の設立者であり、校長である、ブレイブ・ランネット・アースグレイズ様より、お言葉をいただきますっ。ブレイブ・ランネット・アースグレイズ様、お願いいたします…」
「はいっ!」
女性の声に応えたのは、子供の声だった。
ざわざわざわざわ
「静粛に、静粛にっ!…ブレイブ・ランネット・アースグレイズ様、お願いいたします…」
司会の女性の言葉に会場が静まる。
すると、人だかりの中から一人の少年が前へと歩き出す。
少年はそのまま王様の横に並び立つと、マイクを握って話し始めた。