Start
こんにちわ。亡霊です。
此処には初投稿ですがよろしくおねがいします。
指摘がありましたら是非お願いします
-----------また失敗か・・・・
白い部屋。消毒臭い匂い。周りを観察して状況を把握した。
「・・・・・」
-----------人生12回目の自殺、あれ、11回目だっけか。まぁどっちでもいいや。
此処は多分診療所、少年は全てを悟り眼を閉じた。
-----------自殺失敗・・・今回は趣向を変えて飛び降りを興じてみたのに・・・
少年は自分の体の強さと運の良さに舌打ちした。
確かに三階から落ちたはず。こんなことばかりだ。
確かに確実に死ぬことをやったはずなのに、死ねない。
脈だって切ったし、海にも落ちた、ガス全般も試した。
伯父が言うには「奇跡」らしい。
----------奇跡ってなによ奇跡って・・・俺は死にたいだけだ。全国でも流行っているだろう?
内心いじけているとドアが開く。
「目覚めたか。全く、飽きないねえ、お前も。」
見た目40代前半の男が入ってくる。このヤブ医者は少年の伯父だった。
この男は医師免許を持っておらず、この元診療所で暮らしている。
診療所は医者の跡継ぎがいなくなって潰れたときにこの男が買い取っただけ。
なかなか凄い話だろ。これが男の口癖。
「気分はどうだ」
重ねて質問してくる男がこっちの顔色を伺う。
「いつもと同じです。あと少し眠いかも」
この答えは何度目だったか・・体を確認してみる、とりあえず痛いところはない。頭から落ちたのに・・・
少年は死にたかった。甘えるな・・・といつも言われる。死は甘えだ。と怒られる。
いいじゃないか。甘えて甘えて楽になりたい。これが少年の本心。
もういやだ。もう辛いのは嫌だ。
少年にはコンプレックスがある。顔の痣である。黒い痣が頬に斜めに入っている。結構大きい。
遠くから見ると頬に文字を刷れてるみたいだ。これでよく苛められている。少年へのいじめは尋常では無かった。
実際、死にそうになったことも少々あった。
少年は酷く落ち込み自殺に走った。まぁ自殺理由の王道である。
だが10回以上も自殺した自分も凄いとも思っていた。全てがどうでもよくなると価値観がずれてきたいた。
だが苛めは引越せばなくなる。そう思っていた。
引越して大人の世界に入れば、この痣や自分を理解できる人がいるはず・・・
それにもうすこしでは学校にいかなくてよくなる。3年目の中学もあと2週間で終わり。中卒しようと決意していた。
もう自殺もする必要はないな。少年は思った。
だが問題は金だ。金がなければ引っ越しもできない。伯父はどうせ出してくれないだろう。
金はどうしようか・・・と考えていると伯父が唐突に
「ああ、実はね、お前の仕事の雇い主が来ているんだ。どうせお前引き籠るだろ?少しは稼いで親孝行しろ」
少年の肉親は伯父だけである。父や母は少年が3歳ぐらいのとき事故で死んだとかいう話。
それに稼いだ金を伯父に送るつもりはない。それに伯父は金を大量にもっている。
なぜかは知らないが胡散臭い話だろう。銀行強盗とか2,3回したんじゃないかとか思うぐらい持っている。
そのくせ生活最小限しか銀行から下ろさない。全く意味不明だ
「学力、運動神経ZEROの俺を雇うんですか?ことわっといた方がいいと思いますよ」
「そんなもん、しっとるわ。ただ、お前の武勇伝を聞いて是非雇いたいと言われたものでな。
話をしに今来ているが少し話してみろ。」
武勇伝とは自殺のことだろう。全く笑えないけど
「その人・・・知り合いですか・・?」
甥っ子の込み入った事情をべらべら喋るとはさぞ、仲がいいんですよね。とか言いたいことは飲み込んだ。
「んー、友達の知り合いの知り合いの人。まぁ待ってろ、今連れてくる」
「え!?今ですか!?」
目覚めて5分も立ってないのに仕事の雇い主とまともな話なんてできるわけないじゃないか
男は無視して部屋から出て行った。
これは酷い・・・と少年は思った、というかどんな仕事かも聞いてない。
色々な思考を張り巡らせているうちに一人の女性が入ってきた。
20代前半に見える。質素な白い服を着ていて綺麗な顔立ちだ。
女性は何も言わず少年に近寄って行った。すると少年の顎に手を添えて自分の顔と少年の顔を近づける。
「!?」
「なるほど、なるほど。間違えないようね・・・」
少年の頬の痣を観察して出した独り言らしい。全く意味がわからない。
頬を見られるのは慣れている。だがここまで近づかれると流石に気持ち悪い。
「あ・・・の・・・・・」
「・・あ・・あぁ、ごめんごめん。失礼だったね。」
改めて見ると綺麗な人だな。内心ドキドキしながら少年は思った。
「あの・・・僕を雇うって・・・?」
「うん。もう採用は決まったわよ。といっても社員は私と貴方だけだけどね。」
わけがわからない。何だこの人。社員は二人?一体どんな仕事なんだ。
「どういう・・・・ことですか・・・?」
「えっとねえ、私、この前会社立ち上げたの。仕事内容は・・・まあ言うなれば
“なんでも屋”。貴方には私の助手をしてもらうわ」
「助手・・・ですか・・・?」
「うん。助手」
「あの・・・なんで僕なんですか・・? はっきり言って僕より適任な人はゴマンといますよ」
「・・?・・貴方より適任な人なんてそういないわよ。・・あ、そっか、自覚ないんだもんね」
そりゃそうだ、と勝手に納得している彼女を見る。
少年が首をかしげていると彼女はとんでもないことを言った。
「さっき確認したから間違えないけど 神藤 生 貴方は召還装甲師・・・まぁわかりやすく言うと、魔法使いよ。」
ここからだ。なにかがおかしくなったのは。
続きが気になってくれたらレスしてくれると嬉しいな。