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3.米の供給能力の増強案

現状の流通の供給能力は消費者が食べる米の量を超える量が供給されている現状で、これ以上の供給能力の増強をする必要があるのかは疑問ですが“それを言っちゃぁおしめぇよ”という事で考えてみます。



(1)精米機を増やす


流通のボトルネックの一つが玄米を白米にする精米(とう精)工程なのは間違いないと思います。

ただ、精米工程の能力を増やすのは新たな精米工場を建てるようなものなので一朝一夕には増やせません。


そもそも現状でも大した儲けにならない事業で、なおかつ需要が先細りしている状況に合わせて能力を低減させてきたのです。

消費者米価が安定したら梯子を外されるのが目に見えている状況で、儲けにもならないというか赤字になることが目に見えている状況で新規の設備投資をできる企業は少ないのではないでしょうか。


これを国策などで強行されて、その後に梯子を外されると既存の体制が破綻してしまいます。

そこらを考えると梯子を外されるリスクに対して値上げなどで備えないと厳しいと思いますが、そうなると消費者米価は下がらない可能性もありますので、下策だと思います。


値上げが許されないとなると梯子を外されると事業継続の危機に陥ります。

そうしたら安価に安定的に米を買える時代が終わります。


それと、玄米を精米機に突っ込めば後は精米機が勝手に白米にしてくれるというものではありません。

米の状態を見ながら細かい調整をしないと精米不足や割れ米などの不良品が量産されるだけです。

機械があればそれで済むのではなく、その機械を使いこなす人材も必要になります。


『いやいや、米卸売業者の利益が前年同期比で何倍にもなっているじゃないか。それで精米能力を増強すればいいじゃない』


確かに営業利益が前年同期比で5倍近くまで増えている米卸売業者もいるという報道もありました。


冷静に考えてください。

米の流通は長年にわたり損益がギリギリの状態で続けられてきました。


米事業の前年同期比で営業利益が3.6倍と報道された株式会社ヤマタネですが、同社の数年前の株主総会では「米事業での営業利益率(売上高に占める営業利益高の割合)は1%もあれば御の字という儲けが期待できない事業ですが、米事業はヤマタネの祖業であることや日本の食文化を支える使命感から、米事業は続けていきたい」という感じの説明があったそうです。


つまり、損益分岐点比率(売上高の何パーセントで損益がトントンになるか:100%未満が黒字、100%超が赤字)が限りなく100%に近い状態、単年で見ればもしかすると100%を超えて赤字だった年度もあったと思われます。


ですから供給量(≒売上高)が増えれば営業利益がでるのは当たり前です。

仮に営業利益率が御の字と言っていた1.0%だったとして、それが3.6倍の3.6%(実際は売上高も増えているはずなので高く見積もっても3%程度だと思われますし、実際は御の字と言っていた1%程度じゃないでしょうか)になったとして、それがどうかしましたか?


報道では営業利益高が前年同期比が木徳神糧株式会社が4.8倍で株式会社ヤマタネが3.6倍との報道ですが、比較対象は木徳神糧は1~3月の四半期の米事業、ヤマタネが4~3月の一年間の米を含む食品事業です。

これはもう、高い倍率になるような事業範囲や期間を選んでいるでしょう。


そして前年が赤字で当年が黒字とか、倍率にインパクトが無い米卸売業者は選んでいないのも明白です。

どうして業界最大手級の株式会社神明やパールライス(JAグループ)には言及しないのでしょうね?

米卸売業界全体の基調なら「大手米卸売業者〇社合計」といった報道をしているでしょう。


安定的に事業を継続していくには相応の営業利益率がないとちょっとした想定外で立ち行かなくなってしまいます。

高収益率の会社だと営業利益率が50%ぐらいある事もあります。


毎年減り続ける需要に対して需要に見合った生産量になるよう調整、つまり減産をし続けてきた業界なのです。

コストが上がり続ける中で減産して同じ小売価格を維持するには利益を諦めるしかなかったのです。


何度も言いますが、生産者(米農家など)も流通業者(JAや米卸売業者など)も利益にならないどころか下手すると持ち出しになる事業を義務感・使命感で続けてきたのです。

元々が有るか無いか分からないぐらいの雀の涙だった営業利益が「雀の涙が5滴」になったところで雀の涙なのは変わっていません。


そして設備投資は十年二十年動かしてようやく元が取れるのが普通です。

一時的な需要の可能性が高い状態で設備投資して梯子を外されたら倒産まっしぐらです。


何せ数十年に渡って需要の下落傾向が全く変わらない状態なのですから、設備投資して品薄感がなくなった瞬間に誰も買わなくなり梯子を外されるのが目に見えています。


実際に平成の米騒動の翌年こそ消費量は上がりましたが翌々年には騒動前より消費量が落ち込み、それ以降も消費量は落ち込み続けています。


それに設備投資するといっても「工場建てる。はい、建った」「精米機買うよ。はい、どうぞ」なわけないですし、従業員の育成も必要なので楽観的にみても安定運営できるようになるのに三年ぐらいはかかるんじゃないでしょうか。

きっと新工場ができたころにはお荷物ですよ。


『赤字も覚悟、僅かでも利益があれば御の字』という状態で義務感・使命感で維持してきたのに、十分とも言えないほんの少しの僅かな利益がでると「暴利を(むさぼ)っている」などとボロクソに罵られる状況ですし、米事業も過去に何度も梯子を外されてきた歴史もあるので設備投資に踏み切るのは難しいものがあると思います。


それと、供給量は増えるが消費量は減るということは廃棄される米が増えるということです。


そりゃあ真の需要量(本当に食べる量)をはるかに凌駕する何倍もの量の米を供給してやればパニック買いや買い占めを黙らせられる飽和攻撃になるとは思いますが、それをすると百万トン単位の米が食べられることもなく捨てられます。

家庭で虫が湧いたとかで家庭ゴミとして捨てる程度ならまだかわいいものですが、買い占めするような不心得者ならそこらに不法投棄するでしょうしね。



(2)既存の米流通を通さない方法


既存の米の流通での供給増が精米能力が原因で実現が難しいなら精米せずに玄米で出荷すればいいじゃないかという話です。


これは、消費者が籾や玄米で一俵(60キログラム:精米後の白米だと最大で54キログラムなので一人の年間消費量より多い)とかの単位で一度に買い取って、自分で虫が湧いたりカビが生えたりしないよう保管して異物排除や籾摺り(もみすり)や精米や選別という個人でやるにはもの凄く面倒で器具や経験や技術を要することを行い、選別後の可食部の量や食味などの当たり外れがでても文句一つ言わないなら何とか可能になるかもしれません。


米がどんな状態で保管されていると思いますか?

精米すると賞味期限は一箇月ぐらいなので、白米では保管していません。

脱穀したままの籾殻(もみがら)がついた籾の状態や籾摺りして籾殻を取り除いた玄米の状態で保管しています。

あと、保管している状態だと(精米工程で選別するので)虫食いや着色米などの不良米や石や砂も混じっていることも普通にあります。


米はおおよそ一年間保管する必要があるのでそうやっています。

籾の状態の方が玄米より保存性は良いのですが、見かけ容積が玄米の二倍になるのでどちらで保管しているかはケースバイケースですが、カントリーエレベーター(収穫した米の籾を乾燥・貯蔵・調製・出荷を一貫して行う施設)だと基本的には籾での保管なので、筆者は籾で保管している方が多い印象を持っています。


そして定温で保管しています。

米の害虫の代表格の一つがコクゾウムシ(穀象虫)なのですが、コクゾウムシは米粒の中に卵を産み付けるので、精米段階で取り除いてはいますが完全に取り除くのは不可能です。

精米段階でないと判別が厳しいし、精米しても完全には取り除けない駆除が難しい害虫ですので、米の保管はコクゾウムシの卵が混じっている前提で動いた方がよいのです。


コクゾウムシは気温が15℃を超えると孵化して米を食害し、成虫になると他の米に卵を産み付けて食害が広がっていきます。


春から初夏あたりからわらわら湧いてくるので、コクゾウ(穀象)が夏の季語になっています。

戦中生まれぐらいの世代だと夏場にコクゾウムシを見かけるのは日常茶飯事だったようで、食べようとしたカップ麺に浮かんだコクゾウムシを見てびっくりしていた孫を見て「ああコクゾウムシ(黒虫)か。()けて食え。死にゃぁしねぇ」と宣った年配の方を知っております。

他にも水に浸けて浮く米は食害された米だから浮いてきた米粒や成虫を取り除くのは普通のことだったようで、筆者も祖母や母から「水に浮く米は虫食いだから捨てろ」と教えられました。


コクゾウムシは完全な駆除が難しいので10℃ぐらいの一定の温度を維持する定温倉庫に米を保管していることが多いのです。

そこらの常温倉庫だと虫害で全滅もあり得ますから備蓄米の保管はそういった定温倉庫でなされれています。


また水分量が多いとカビが生えますし、乾燥しすぎると精米時や炊飯時に米が割れやすくなるので湿度にも気を使っています。


一般家庭なら密閉容器に詰め替えて冷蔵庫で保管するのがおすすめです。

米袋は上に積み重ねたときに破裂しないよう空気穴が開いています。

最近の米袋は目には見えないぐらい細かな穴を多数開けていますが、昔は直径1~2ミリメートルぐらいのパンチ穴が下辺の両端に開いていました。今もそういうタイプもあるかもしれませんが。

細かな穴だと外から虫が入り込むことは防げますが湿気が入り込むのは防げません。


閑話休題

生産者やJAや米卸売業者などが保管しているままの米を店頭に並べる度胸がある小売業者がどれだけいるかは知りません。

少しでも知っている小売業者なら怖くてできないでしょう。

もしも筆者が「保管しているままの米を店頭に並べろ」と命じられたら解雇(くび)を覚悟で上司や経営陣に抗議します。


保管しているままの米を店頭に並べるのは無知な小売業者か悪質な小売業者だと思いますが、保管している側がそんな業者にはそもそも出さないと思いますけど。


普段の店頭に並んでいる米にそんなおかしな物がないのは精米工場で除去しているからです。


精米工場での精米工程はおおよそ以下の通りです。


保管していた籾から異物やゴミや不良籾を取り除く

籾摺して籾殻を取り除く

(玄米での保管や玄米を仕入れている場合はここから)

異物やゴミや不良米を取り除く

(ふるい)にかけて大きさを揃える

精米して糠や胚芽を取り除く(※)

割れ米などの不良米や糠を除去する(※)

計量して袋詰めする


この工程を一体化してコストダウンしています。


スーパーの店頭に並んでいる玄米は上記工程の「精米して糠や胚芽を取り除く(※)」と「割れ米や着色米などの不良米や糠を除去する(※)」をスキップした物で、無洗米は「計量して袋詰めする」前に「肌糠を洗い落として乾燥して選別する」などの無洗米加工工程が挟まります。

つまり、スーパーの店頭に並んでいる水準の玄米を出荷するとその分だけ白米の出荷が減るので玄米で出そうが白米で出そうが出荷できる量に大した違いはありません。


玄米のままで出荷して供給量を増やすには、玄米で保管していた物をそのまま、やれても一俵(60キログラム)や半俵(30キログラム)に袋詰めした状態で出荷することになります。


玄米で保管している物の出荷先は基本的には精米工場なので5キログラムとかの小分けをする能力は通常はついていません。

生産者が自分で保管しているとか、JAや米卸売業者以外の定温倉庫などで保管している場合は、一俵や半俵の袋に詰められて保管していることはあるので、それをそのまま出荷するのは可能だとは思います。


そして、その後の工程である「適切な温度・湿度での保管」「異物やゴミや不良米の除去」「(精米や炊飯のムラをなくすために)米粒の大きさを揃える」「精米」といった工程は消費者が行うことになります。


え? 小売業者が異物やゴミや不良米を除去して米粒の大きさを揃えてくれって?

もちろん、小売業者が精米施設を持っていることはあるので、やれる小売業者はいるでしょうが、そういう精米施設は自社で売る米を精米していますので、米卸売業者の精米施設と同じく、玄米で出した分だけ白米の出荷が減ります。

そして、精米設備を持っていない小売業者がその工程を行うなら精米設備を持っている米卸売業者などに作業を委託するしかありませんが、そうすると受託した業者の他への出荷量が減るのでトータルでの供給量は大して変わらなくなります。


ですので、供給量を増やすためには流通業が行っている「取引単位の不均衡の是正(生産者の販売単位はトン単位で消費者の購買単位はキログラム単位)」や「面倒で金も技術も要する流通加工」を消費者が自前で行う必要があります。


昨今の米の相対取引価格(米卸売業者の仕入れ値)と消費者米価の差額から計算すると高く見積もっても5キログラムで1,500円ぐらいです。

これは正規雇用者の一時間の給料にも満たないし、最賃(最低賃金)ベースでも二時間の給料に満たない額です。


買い取った米を定温倉庫まで運んで格納して何か月もの間保管して、選別、籾摺り、精米、計量、袋詰めして小売業者の物流拠点に納品し、小売業者の物流拠点で店舗別に仕分けして店舗に納品して、店舗で店員が商品棚に陳列し……といった全てを白米5キログラム一袋あたり1,500円ぐらいでやってくれているのです。


これを消費者が自前でやったらどれだけの時間やお金を要するやら……生産地から自宅への送料だけで足がでそうですね。


生産者も流通業者に売るならトン単位の取引など比較的手間もかかりませんが、これを消費者向けに5キログラムや10キログラムに小分けするのは手間暇お金がかかります。

消費者向け販売だと流通業者に売る相対取引価格より高くせざるを得ないのはご理解いただけると思います。


流通業者は生産者や消費者が支払う手間暇お金を節約して、生産者はより高く、消費者はより安く楽に便利に売買できるよう汗をかいています。

その汗の対価を「中抜き」などと悪し様に言われるのは流通業者からすればいわれなき侮辱でしかありません。



(3)供給能力増強の実現方法


流通を通すと限度があるので、生産者やJAや米卸売業者や国などの備蓄倉庫などが保管している状態の物をそのまま何の手も加えずに相対取引価格よりも高額で消費者が買えば増えるんじゃないでしょうか。


筆者はそんな苦労ばっかりの米は勘弁してほしいので、米流通を通った美味しい米を買って楽をしたいです。



(4)供給能力が増えたときの追加の供給元(備蓄米)


米の量は有限で、今年度の収穫までに出荷できる米の量の上限は昨年度の収穫とその時にあった繰り越し在庫を含めた米の量です。

この年間で供給可能な量などから出荷量を調整していたのですが、それを超える供給をするとなると別のところから米を持ってくる必要があります。


その供給元の候補の一つは輸入米だと思いますが、もう一つ、主食用米市場にはない国産米の在庫があります。

それが政府備蓄米で令和7年には政府の意向で政府備蓄米が主食用米市場に供給されました。


歴史的経緯で言えば、食管法時代の生産量・需要量・政府在庫量の関連をみるに政府在庫が多くなると減産を要請して政府在庫を減らし、少なくなると増産を要請して増やすといったことを繰り返してきたように見えます。


自主流通米と標準価格米の二本建て時代から政府在庫は減らしていき、平成の米騒動の年である平成5年度(1993年度)の頃には政府在庫はほぼゼロまで減っていました。


平成の米騒動を受けて「非常時には備蓄はいるよね」ということで始まったのが政府備蓄米制度です。

諸々の変遷はたどりましたが、現在では「10年に一度の不作(作況指数92以下)」や「通常程度の不作(作況指数94程度)が二年連続」という事態でも国産米をもって対処し得る水準として、100万トン程度を備蓄するとなっています。

※何をもって「国産米でもって対処できた」になるのかは筆者には分かりませんが。


備蓄米の備蓄方法は二通りあります。

一つは棚上備蓄と呼ばれる方法で、一定期間備蓄した米は飼料用などの非主食用に販売するというものです。

もう一つは回転備蓄と呼ばれる方法で、一定期間備蓄した米を主食用米として販売するというものです。

政府備蓄米から販売された古古米などはその年の新米とブレンドして指定標準米として売られていました。


理想通りに推移すれば回転備蓄の方が政府負担は少ないです。

備蓄方法の主な違いは、主食用米の新米価格で買い入れた米を、主食用米の古古米価格で売る(回転備蓄)のか、飼料用米価格で売る(棚上備蓄)のかの違いですから、主食用米の新米価格との差額がより小さい回転備蓄の方が政府負担は少ないのは分かりやすいと思います。


備蓄米制度は回転備蓄でスタートしたのですが、現実には余剰米が多い年度は値崩れ防止に政府が緊急買い入れを実施するとか備蓄米の販売を抑制する、余剰米が少ない年度は買い入れの抑制は仕方がないとしても備蓄米の販売を増やすといった本来の目的外の需給調整機能として使われるなどグレーゾーンな使われ方もしてきました。


また、生産者側からみても、結局は備蓄米が主食用米市場に時間差で供給されてしまうので、理想状態でも単年度で見ると備蓄米として主食用米市場から除外された米と同程度の量の米が古古米価格で流入してくるという主食用米市場の米の質と価格を下落させる効果が発生してしまいます。


そこらもあったからなのか、政府備蓄米は平成23年度(2011年度)に棚上備蓄に変わりました。

棚上備蓄は販売先が飼料用などの非主食用なので主食用米市場から隔離され良くも悪くも主食用米市場に影響を及ぼしません。

生産者側からすると備蓄米は主食用米市場から完全に除外されるので、少々ディスカウントした価格で備蓄米用に売るという選択もとれますし、飼料用などの非主食用なら備蓄期間を長くする事も可能になります。


春に行われた備蓄米の放出ですが、こちらは「買戻し条件付き売渡し」でした。

これが何かというと「後で同等同量の備蓄米を政府に売ってくださいね」というものです。


これは過去に否定した主食用米市場の需給調整という備蓄米の目的外使用ですし、主食用米市場には出さない条件で買い入れた備蓄米を主食用米市場に出すという背信行為ですから、抜け道として政府が買戻しすることを条件にすることで単なる一時的な米の貸し借りのような体裁を整えたということでしょう。


買戻し条件付きとなると入札できるのは大量の米を集めることができる業者、特に生産者から購入できる業者になるので、JAや商社や大手米卸売業者などしか入札できませんが、ここで放出された備蓄米と同等同量の米が備蓄米として戻っていくことが確定しているので、生産者への不利益を小さくすることができます。

よく考えられたものだと思います。


まあ、これはどこかの誰かにぶち壊されてしまいましたがね。

どういう理由があったかはどうでもよいですが、実態としては政府が主食用米としては使わない条件で買い取った米で主食用米市場にダンピングを仕掛けたわけですから、生産者も米流通も怒り心頭でしょう。

これが回転備蓄だったら主食用米として出すのが前提ですからしれっと出せたのですが、主食用米としては出さない前提の棚上備蓄なのでこれを主食用米市場に出すのは個人的には悪手だと思います。


棚上備蓄の古古古米も新米に一割ぐらい混ぜるブレンド米なら顕著ではないですが、古古古米オンリーだと古米臭もあれですし、保温なんかしたら直ぐに黄変しますし……ニュースバリューはあったと思いますから物は試しで一度ぐらいは買っても二度目は無いんじゃないかと思います。

試し買いが一巡したら店舗の棚にあってもスルーされる未来が思い浮かびます。個人的にそう思うだけで買う方もいるとは思いますが。


生産者米価が上がったから今年度の作付けを増やしたのに国がダンピングをして梯子を外し、収穫後は余剰米を備蓄米として安く買い叩いてやるよって……

政府は米の生産者や米卸売業者などに要請しては梯子外しを繰り返してきましたが、ここまであからさまに背信するのは珍しいと思います。


何とか丸く収まる結果になることを祈っております。


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