10.むすび
どのような規則や仕組みもメリットもあればデメリットがあります。
それに『なぜそのような規則や仕組みがあるのか分からない』という事も多々あると思います。
しかし、その規則や仕組みができたところまで遡って何のために作られた規則や仕組みなのか、つまりは『その規則や仕組みが解決した課題が何か』を分かってから廃止しないとその規則や仕組みが解決していた課題が再来してしまう事もあります。
その規則や仕組みが解決していた課題が既存よりデメリットが少ない別の手段で解決できるとか時代的にその課題が再来する可能性がほぼないなら廃止すればよいし、再来するだろうし解決もできない場合は『その規則や仕組みを維持する』のと『その規則や仕組みが解決していた課題を甘受する』かの二択で、どちらかを選択する事になります。
主食用米の生産・流通・消費の規則や仕組みも同じです。
壊してよいのか悪いのかは『なぜそのような規則や仕組みになっているのか』『その規則や仕組みが解決していた課題は何か』を一度意識してみて欲しいと思います。
この文章は、JA擁護の様相になっていますが、筆者はJAが正義とは思っていませんし、良いところも悪いところもあると思います。
ただ、SNSなどでよく見かけるJA批判が「的外れだなぁ」とか「わざとミスリードを誘っているだろう」という物が多かったのでJA擁護が多くなっているとは思います。
ただ、何も考えずにJAを解体すると、現状の比ではない食糧・食料の流通の混乱が起きるだろうとは思っています。
最初にも述べましたが、筆者の個人的な意見は
『個人でできる事としては、食いもしない米を買うのを止めたらいいと思うよ』
『現状の消費者が米を買う価格であっても生産者も米卸売業者も暴利を貪るどころか事業継続に必要な利益が得られているのかさえ疑問だし、これまで歯を食いしばって事業継続してくれていたのだから、消費者が米を買う価格を下げるよりもこれを機に生産者や米卸売業者にちゃんと利益が回るようにした方が良いのでは?』
『消費者に米を売る価格を下げるよりも現状の米価や何ならもっと値上がりしても問題ないぐらい消費者の可処分所得を増やす政策を行う方が建設的では?』
です。
金を出しても主食用米が買えない平成の米騒動を当事者に近い立場(米も販売している組織の従業員)でリアルで経験している身からすると、金を出せば買えるなら大したことではないです。
仮に米を食べられなくても死にはしませんし、平成の米騒動は大きなパニックも無く乗り越えています。
江戸時代の飢饉のように餓死者がでるような状況でもないですし、高くて買えないならもっと安い小麦を買えばいいじゃないとも。




