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4.よくある恋の始まり

「お金って桁が多過ぎたら使う気力失せるんだけど、どうしたら良い?」


「僕が用意したビルと機材買ったじゃん。給料も高額払っていくし」


「桁が減らない。っていうか、一番上の数字が減らない。寧ろ増えた」


「『アイテムボックス』出品するからでしょ。300億越えててウケた」


「ウケない。これからも出品するから高額で買わなくて良いって商品説明に書いたのに、なんで皆高額で買うの」


「ガチ勢だし。下層に非戦闘職の『収集家』連れて行けないから、皆ドロップしたマジックバッグ使ってるの。嵩張って邪魔だから絶対欲しいじゃん。『アイテムボックス』。それに、誰よりも先に手に入れたいのは当たり前だよ」


「ガチ勢猪突猛進過ぎでは」


「ガチ勢だもん」


討伐報酬が桁違いの高ランクの魔物。それらからのドロップアイテムや素材は大金が動くため、ハンター達は全て回収している。


ドロップアイテムであるマジックバッグは“人類の技術の範疇外”なので、収納量を増やした魔道具の開発は不可能。その容量は直ぐに不足し、ガチ勢は何個もマジックバッグを持っているが……本当に嵩張るので戦闘の邪魔。大抵は後衛の職業『魔法使い』に持たせており、しかし後衛だとしても完全に安全ではないので回避時には動き難くてやはり邪魔。


だからと言って、龍刃の言葉通り非戦闘職の『収集家』を連れて危険な下層に行ける筈もない。結果、皆渋々マジックバッグを使うしかない。


戦闘職が大勢のチームで常にふたりで『収集家』を守りつつ攻略を進めるチームも居るらしいが、チームだとしても非戦闘職の『収集家』としては完全に安心することが出来ない。『収集家』を選ぶ者はガチ勢ではないので、その心理は仕方のないことだろう。


そんな時に『アイテムボックス』が出品されたとなれば幾らでも金は出す。各国政府としても、支援しているハンターからの“おこぼれ”により国が潤うので積極的に支援する。


因みに3枚出品。300億越えというのは、1枚ずつの落札価格。ガチ勢の本気が怖い。彼等なら1年も経たず討伐と素材売却、個人の会社も含め余裕で稼ぐのだろう。


この世界規模での好景気がいつまで続くのかの予想がつかないので、稼げる時に稼ごうと。世界ランカーともなると装備に大金が必要となるから。スキルカードを落札する為にも。


今回落札したのは世界ランク2位のアメリカ、3位の中国。そして5位のロシア。各国の政府が支援しているガチ勢ハンター達が揃って金で殴った結果である。


「そういえば。オークションに『完全回復』出品した時、龍刃くんなら落札出来たんじゃないの?」


「あーあの時ね、時間ミスってドラゴン狩ってたらオークション終わってたんだよね」


「ドジっ子かな?」


「可愛いでしょ」


「そうだね。――それで。君はどうして私の家に居るのかな」


「調べたら分かったから」


「何故調べた。どうやって調べた。え、住宅課脅した?」


「ちゃんと『転移』で来ました」


「会話して」


「ごめんごめん。普通に尾行しただけだよ」


「“普通”の定義。どうして尾行したの?」


「この前のお詫びにオススメのクッキー渡したかったのと、埋め合わせはまだまだ先になりそうだから直接謝りたいなって。それと、メルから連絡来たってのも伝えときたくて」


「『どうして』の理由になってないんだよなあ……――ん? める?」


「メルヴィン。世界ランク1位の。仲良いんだよね、僕達」


「そうなんだ。連絡って『転移』について?」


「いや。『神霊召喚』は本当にドロップしたのか、『神ID』から極秘ルートで買ってないよな。って」


「ガチ勢の勘どうなってるの」


「2位と10位もメルのチームで、3人共疑ってるっぽくてね。他のメンバーはドロップ信じてるから一応は安心」


「できない。3位の人は?」


「さあ」


「仲悪いのね」


「初対面でよく分かんない侮辱されたからガン無視してるだけ。世界ランカーのプライドってやつじゃない?」


「中国ハンターって皆そうなの?」


「まさか。8位のフェイロンとはめちゃくちゃ仲良いよ。“フェイロン”って漢字だと『飛龍』だから、俺の名字『龍宮寺』だぜーって言ったら即連絡先見せて来てさ。あいつまじ単純で揶揄うの面白い」


「フェイロン……確か、タンクではトップの」


「そうそう。戦闘の時は凄く格好良くてね。何度かフェイロンとこのチームと組んだけど、戦い易かった」


「へー。楽しそうだね」


「一緒に潜ってみる?」


「だが断る」


「即答」


「私、1階層のスライム討伐専門だもん。登録時に念書も書いてるし」


「スタンピード防止には大事だけどさ。もうちょっと悩んでほしかった」


スタンピードは『ダンジョン災害』とも呼ばれ、中層で増え過ぎた魔物が上がって来る事が原因。通常はダンジョンの自浄作用が働き、上がって来た魔物はスライムが取り込みスタンピードを防いでいる。


しかし、稀にスライムが爆発的に増殖する時がある。放置された1階層では増殖に気付かず、気付いた時には手遅れ。ゲーム内でも現在でも増殖の条件は不明なので、常日頃から適度に間引く以外の防止策は無い。


1階層が許容できる“最大個体数”を越えた時点でスライムがダンジョンから溢れ、一度溢れたら1階層で設定された“最少個体数”となるまで溢れ続ける。『スライムフラッド』――それこそ、バグのように。


ガチ勢曰く『サイフォンの原理』らしい。


爆発的増殖で弱ったスライムが活動停止状態となり、そこに中層の魔物の増殖が重なり外に溢れる状態が『スタンピード』――ダンジョン災害。スタンピードは主に人が寄り付かない森林や砂漠に出現した未発見ダンジョンで発生し、この3年間で17件報告されている。人が寄り付かない場所での発生なので人的被害は少なく、スタンピードを乗り越えればダンジョンから豊富な資源を得られることが幸いだろう。


スタンピードの発生確率を大幅に下げる為にも、スライム討伐は皆が思っている以上に重要。なので1階層限定で活動するツバキを誰も嘲笑したりしない。寧ろ有り難がっている。


他のダンジョンでは常連ハンター達が持ち回りでスライム討伐をすることが一般的。ぶっちゃけ、面倒臭い。ガチ勢でなくとも面倒臭い。


つまり。稀少なスライム討伐専門のツバキの存在は、同ダンジョンの常連達からするととても有り難い。逃がしたくないらしく、よくお菓子や飲み物で労う程には感謝している。ご機嫌取りは重要だから、と。


ツバキが活動中のダンジョンは本部近くなので、本部としてもスタンピードの不安に怯え続けなくて済む。もしもの時の為に対策や毎月の避難訓練は万全だが、スライム討伐専門が居ると居ないとではスタンピードの発生確率に雲泥の差がある。




――ところで。スライムに関する考察や用語が『サイフォンの原理』やら『フラッド』って、スライムは液体に分類されてるのかな。


確かに流動性はあるけど丸いし、常に流れている訳じゃなく個体……ではないな。冷やしても凝固せず、動きも鈍くならないみたいだし。


ハッ――まさか、猫……! 『猫は液体』ってイグ・ノーベル賞受賞したし、魔物界の猫なのかもしれない。


だとしてもペットにはできないな。何でも溶かすから完全犯罪し放題で危険過ぎる。


そもそも猫に似た魔物も居るし。可愛いけど、肉食の魔物で人間を食べるからこちらも飼えない。残念。




なにやら思考が明後日の方へ向かうツバキは、でも直ぐに小さく首を振り思考を中断。考察は楽しいが、スライムは謎生物なので答えは出ない。諦めは肝心。


「えぇっと。2、3……ぁ。5位の人は?」


「ロシアのアルテム。ロングソード使いのイケメン。最初は警戒心剥き出しだったけど、慣れたらめちゃくちゃ構ってくるから紹介しませんダメです」


「興味無いからそれは別に良いよ。ロングソードって、ダンジョンの中で使えるんだ」


「行かなきゃ分かんないよね。下層、ヒュドラやドラゴンが暴れられるくらい広いからロングソードでも全然余裕。多分……東京ドームくらいかな。中層は普通の剣使ってるみたい。一度組んだ時も問題無く動けてたから、僕もロングソード練習してみようかな」


「仲良いんだね」


「ん。日本遊びに来た時ウチに泊まったんだけど、寝る前に『歯磨きしたかトイレしたかスキンケアしたか』って。もうオカン」


「……ん、ふっ」


「笑うなら笑いなよ」


「ん、ふふっ。ごめんごめん。優しい人なんだね」


「普段めちゃくちゃクールだから、ギャップっていうの? 熱狂的なファンクラブあるんだって」


「リアコ怖そう」


「あー……確か、結構えげつない事件起こしたリアコいたかも。ファン同士で流血沙汰」


「アルテムさん大丈夫? 女性のことトラウマになってない?」


「全然気にしてないっぽい。最初は警戒心高くて簡単に人信用しないから、あっちの国民性もあるんじゃない?」


「おそろしあ」


「ね。アルテムのチームも連携上手いからまた組みたいな」


「楽しんで。外国人と連携取れるってことは、本当に世界言語が統一されたんだね」


「うん。日本語……なんだろうね。メルも皆も、最初は戸惑ったけど便利だから直ぐ慣れたーって。でも和製英語は母国語で聞こえるみたいだし、なのにボードやスキルカードの文字は日本語で。でも読めるし書けるって。不思議だよね、ほんと」


「日本人からすると今迄通りで違和感ないって事だけは間違いない」


「それな。まあ日本人は長いものには巻かれろ〜だから、……」


「うん?」


「……あー。だから、ゆるねこちゃんが選ばれたのかも」


「なに。どういうこと」


「スライム討伐専門のソロで秘匿性高くて、取引実績も高い。それだけなら他にも居るだろうけど、真面目で規律が染み付いた長いものには巻かれろーな日本人。んで物欲満たすより身の安全重視で豪遊しないから、そのぶっ壊れ性能の『イグドラシル・リング』が露呈するリスクも低い。でも経済停滞させないように隠れ蓑探して、こっそり経済を回してる。色んな意味で強欲で積極的なガチ勢には出来ないよ。そんな高度な生活」


「納得しちゃうんだよなあ。因みに龍刃くんは、このリング手にしてたらどうしてた?」


「スキル取得しまくって羨ましがる奴等にマウント取るしかないじゃん」


「龍刃くんを選んで本当に良かったのか、不安になってきた」


「奪わないって。ゆるねこちゃん非戦闘職だから僕がペナルティ受けるし、そもそもユニークには勝てねー」


「メルヴィンさんでも?」


「『完全回復』手に入れた僕の方が強いから」


「あ、はい。わかりました。本当に勝てないの?」


「むりむり。だから“ユニーク”なんでしょ」


「でも完璧ではないよね。そんなの、ゲームとしてはつまんないだろうし」


「現実だよ。今は」


「……あー。やっぱり、いつかは世界中に魔物発生する感じ?」


「じゃなかったら神様も今更スキルカード出さないよ。ゆるねこちゃんに逢う前は世界ランク34位の僕でもドラゴン倒せたんだよ? これ以上人類強くするなら、それ相応の理由があるって事でしょ」


「ドラゴン倒せてたのに『神霊召喚』買ったの?」


「瀕死になるから。ソロでドラゴンはしんどい」


「チーム組めば良いのに。せめてタンクだけでも」


「え。ゆるねこちゃん知らない感じ? 僕、組んでたチームに見捨てられて死にかけたって。そっからソロでランク上げて、すり寄って来たそいつ等再起不能にしたの有名なんだけど」


「申し訳ないけど、興味無かった」


「正直〜〜〜。まあ、だからチーム組みたくないんだよね。もう裏切られたくないし」


「ロープレ、ソロの最初からやってたの?」


「うん。似合ってるでしょ」


「めっちゃ面白い」


「あはは! ネタバラシした時も面白いんだよね。皆スペキャなってウケる」


「龍刃くんの配信、世界でも有名なんだ」


「ソロ攻略自体珍しいのと、ソロなら生配信で見易いから。メル達も生配信するけど基本は編集動画。俺様キャラがリスナーにハマったのか、配信者としては僕の方が人気なの。凄いでしょ」


「うん。楽しんでて微笑ましい」


「ゆるねこちゃんもやってみる? スキルカード乱獲生配信」


「絶対やだ。私の悠々自適な平穏ライフが崩れる。そもそも神様が許さないよ」


「許可貰ったら教えてね。僕のチャンネルで『神ID発見!』って生配信するから」


「許可貰ってもやらない」


「ざんねーんっ」


大して残念に思っていないらしくボードを操作し始める龍刃は、まあ……




例え神様が許可したとしても生配信させないししないけど。僕のチャンネルで配信しても、絶対ゆるねこちゃんに辿り着く奴現れるし。


ヤじゃん。それは。


この前の『転移』スキルドロップから日本トップランカーになって、世界ランクも一気に9位になったのに「良かったね」だけで媚びないって貴重過ぎ。ソロで世界ランク一桁って僕だけなのにね。


しかも。そもそも、さ。


“この顔”に媚びないんだよ。そんな女性に好感持つなって方がオカシイでしょ。


ガチ勢怖いって言うのにお喋りしてくれるし、嫌な顔しないし。ドタキャンしたのに生放送見てくれるって言うし。誰にも言わないって信頼向けてくれて、急に来たのにこうやって家に入れてくれて。


僕の話ずっと聞いてくれて、僕についても訊いてくれる。極めつけに、優しくてのんびりしてて癒やされる。あと体臭好き。


いや好きになっちゃうって、これは。普通に。人としても、異性としても。


ガチ勢は“色んな意味で強欲”だから。欲しいじゃん。


あー……ディナー行きたかったな。お洒落したゆるねこちゃん、見たい。




改めて恋心を自認する龍刃は、埋まっているスケジュールを見てこっそり肩を落とす。


『転移』の検証をしたいと、ダンジョン対策本部とスキル研究機関から日程を押さえられた。研究機関からは急に呼び出される事もある。『龍宮寺グループ』の仕事もあり、ダンジョンにも潜りたい。絶対潜りたい。


ツバキにもメッセージで正直にそれを説明し、暫くはディナーの埋め合わせが出来ない事を伝えた。


大変だね、身体壊さない程度で頑張って。――との返事に「いいひと……」と泣きそうになった。毎日魔物を討伐する血腥い生活と権力者からのゴマすりを受けているので、純粋な優しさと癒しに飢えている。


今はビジネスパートナーだが、現状通り一般的なビジネスパートナーより距離感が近いことは明白。いくら『自動結界』があると言っても、恋人ではない異性をあっさり家に入れるなんて……危機感が欠落していて少し心配にはなるが。


その欠落した危機感のお陰でこうやって短時間ながらもお喋りが出来ているので、龍刃としては内心「ラッキー!」と思っていることは事実だが。


「あー、そろそろ戻んないと」


「ダンジョン?」


「ううん。仕事。視力改善ポーションの」


「丸投げして申し訳ない」


「気にしないで。僕がやるって言ったんだし、点数稼ぎだから」


「点数?」


「好感度って大事だよね」


「まだ上げるつもりなんだ。強欲だね」


「ガチ勢だもん。じゃ、行って来ます」


「行ってらっしゃい。頑張ってね」


ゆるりと手を振るツバキに満足そうに笑った龍刃は、アイテムボックスから靴を取り出してから『転移』で移動。


転移先は、ツバキが買ったビルの一室。靴を履き部屋を出て、向かう先は研究室。


「進捗は」


「出来てます。中級魔石で5本ですね。10万エンでは利益になりませんよ。価格上げましょう」


「いや。慈善事業に近いからそのまま進めろ」


「え……大丈夫なのでしょうか」


「出資者が良いっつったから良いんだよ」


「お金持ちの道楽ですか」


「やらねえ善よりやる偽善、ってな」


ひらりと手を払い馬鹿にした笑み。ロープレの俺様キャラ。


実際はそんな事は思っていないし、そもそもこれはツバキが提案した“設定”。お金持ちの道楽とすれば自分に疑いの目は向かないだろうから、と。その際にロープレキャラで馬鹿にする許可も貰っている。


本音は「めっちゃいい人。すき」である。器用なことをする。


受け取ったポーションを手に、研究室を出て社長室へ。いつかは……ゆるねこちゃんもここに来てくれるかな。――そう考えたのは数秒で、絶対嫌だと拒否する姿が浮かんだので笑ってしまった。


ソファーに寝転がり、ボードでメッセージを確認していく。確かこの記者、分厚い眼鏡してたよなー。と、視力改善ポーションの宣伝に一役買いそうな者達をリストアップ。


「あ」


そういえば、と。起き上がり映像通信を繋ぐ相手は……


「よっ。フェイロン。元気?」


《急に通信するなって》


「今ひとりか?」


《あぁ》


「おっ。じゃあ(こっち)で。フェイロンさ、目に毒食らって視力落ちたって言ってたよね」


《揶揄う気なら切るぞ》


「違う違う。ちょっと、視力+0.1改善ポーションっての作ってさ。改善だから何本使っても1.0まで。効果は1ヶ月間。どうする?」


《リスクは》


「『龍宮寺グループ』が集めた研究者だよ」


《送れ。今使ってみる》


「だよねー。飲むタイプね」


いそいそとボードでポーションを送る龍刃と、受け取って直ぐに躊躇い無く飲み干すフェイロン。信頼していることがよく分かる。


ぱちぱちと数回瞬いたフェイロンは、上機嫌だと口角を上げた。


「1本10万」


《取り敢えず20本》


「まいどありー。後で送るね」


《完治は作れないのか?》


「完治のは人類が踏み込んじゃいけない領域」


《あぁ。ドロップしたら売ってくれ。5000万》


「出資者にも配当渡さないとなんだよねー」


《1億》


「おっけー。ドロップしたら連絡する」


《あぁ。出資者に挨拶したいんだが》


「いらない」


《……あぁ。女か》


「付き合えるまで紹介しないよ。フェイロン、男気あって格好良いから」


《お前に好かれるなんて同情するぜ》


「は? どういう意味だ、おい」


《そのまま。明日日本に行く。新宿だよな、『転移』出たの》


「そー。メル達はもうこっち向かってる」


《ユンランも行くって言ってたぞ》


「ゆんらん?」


《お前が無視してる奴》


「あー」


《そろそろ許してやれ。あいつも反省してるんだ》


「お前は『身体売ってランク上げた』って言われて許せる?」


《顔良過ぎるのも考えものだな。謝罪だけでも聞いてやれ》


「許さないけどね」


《だろうな。着いたら連絡する》


「はいはーいっ」


あっさりと切れた通信。視力改善ポーションの効果は、フェイロンが宣伝してくれるだろう。


一方的な期待を押し付ける龍刃の頭の中には、既にユンランの事などなかった。




.

閲覧ありがとうございます。

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