15-2「文明のかほり」
シャールカーニとニールの里は思ったより近かった
飛んで1時間程度とのことだったが陸路だといかんせん舗装路どころか大半が森の中
密集度が低く意外と問題なく走れるのが幸いだが、やはり速度は上げられない
休憩を含めて10時間ほどでようやく里の直近までやってきた
ここからはシャールカーニに事前に話を通してもらったほうがいいと判断して先行してもらう
すぐ通信が入り、出迎えの準備が出来たとのことで里に向かう
位置的には真っすぐ、マーカーもあるから余程でなければ迷うことはないだろう
ところで出迎えの準備って、まさか力試しとかじゃないよね?
そう思いつつ、里に近づいてくる
岩山、と思っていたものが徐々にはっきり見えてきたが、おかしい
どう考えても鉄筋コンクリートの廃墟群、厳密に言えば違うのかもしれないがそっくり
それもかなりの密集度、例えば東京都内よりも、だ
見える範囲でも廃墟群の規模はかなりものに見える
なんとなーく嫌ーな予感するよ
文明開化以前の文化レベルで高層ビル群を作れるとは思えないわけで、そうなると「なにかしらの要因」で文明が最低でも一度はリセットされた、って考えざるを得ない
JC女神は何にも言ってなかったが、それにしてもリセットされた理由ってなんだ?
もしかしなくても弥生さんに聞いたって
『閲覧不能ですね
そうなればますます怪しくなりますね』
ふむ
『古代文明が発展しすぎて自ら滅んだパターンでしょうか』
定番だよね、それ
まあ、まずは住んでるドラゴン達に聞いてみようか
大分近づいたところでシャールカーニが飛んできて並んできた
「そのまままっすぐで里の中に入れるのじゃ」
「了解」
道路を塞ぐ瓦礫は意外と少な目で想像以上に建物はきっちり建っている
廃墟で有名な雲上の楽園、と言われた松尾銅山のような錆びれた感じだがとにかく規模がでかい
松尾銅山は数十年程度でガラスなども無くなってて、木造住宅は燃焼試験だとかで無くなっているがここはそういったこともなく見た感じ本当に使わなくなった、人が居なくなっただけのようにも見える
シャールカーニの案内に従い里長の元へ向かっているが、時々ドラゴンが見える程度か
エリアに入る際に門番のようなものも居なかったし、おっさん町長の町よりも警戒が薄いのだろうか
どれくらいの数がここにいるのだろう
そう思っていると目の前が開けて見えてきたのは巨大なドーム型の建物だった
東京ドームなどよりもでかく見え、高さもそれ以上
促されるがままにそのまま開いたゲートらしき場所から中に入る
入った瞬間、何かしらの違和感を感じた
例えるなら悪寒、が一番近いか
ドームの中はうっすら明るい程度
漏れ入る陽の光ではなく、ところどころにある光る苔の明かりのようだ
その中にはいくつかのドラゴンらしくシルエットが見えるが、ひときわ立派な影があった
「ご足労をおかけしたの、わしの娘の旦那殿」
長老なのだろうか、挨拶してくれるのはいいが旦那様ではない
「わしらの里によくぞ来ていただけた
話は聞いていただいておるだろうが、見たこともないドラゴンが他の里を襲い怪我をしたものが出ておる
事前に我らの里の守りを固め、可能ならばその下手人を捕らえたいと思っておるのだ
力を貸してもらえぬだろうか」
微妙に言い回しが古臭いな
『古老のようですのでそれっぽく翻訳しております』
ご配慮ありがとうございます
「既にニールからも聞いているだろうが、他の里との連携も必要になってくるだろう
通信機を置いて行ってるはずだが、他の里との通信は試してみたか?」
「うむ、8つある里の内5つは通信ができた
あと3つは配り終えておらぬのか未だ連絡は取れておらぬ」




