12-3「魔族をひん剥いて風呂に入れよう」
この歳だと男女問わず服を脱がせることがないわけではない
なんならミスって引火した作業服をはたいてボタン引きちぎって脱がせたりもしてる
もちろん男だったが
ただ、流石にロープで拘束した着衣の女性を脱がせたことは一度もない
しかも相手は魔族、今のところおとなしくはしているがあの物言いだしフリーにするのはまだ早い
ワンピースなので足を左右で結ぶのは問題ない
腕は今後ろ手で縛り上げてるのを解いて、服の中を通して左右繋ぐように縛り直せばいいか
その腕と足を別のロープで服の中で繋いで動作範囲を狭める
ついでに腰と手、足を繋いだロープへ更にリードを付けて見張りに持たせておく
これで逃げようとしたら足を引っ張って転ばせる、腕を引っ張ってもんどりうたせるとかもできるだろう
まあ、最終的にそのリードもカランに括り付けさせれば洗い場から出ることは不可能
どこもかしこも破壊不可能なのだからいくら魔族でも逃げられない、と思いたい
アウラムにリードを持ってもらい、風呂に行ってもらおうと思ったがマイカは自力で立てなかった
足首が石化したままで全く動かないのだから仕方ない
女湯は入浴中だから今から私がお姫様抱っこをして入るのはNG
力がありそうなアウラムに頼むか、と声掛けしようとした時に
『ご主人様、試して頂きたいことがありますがよろしいでしょうか?』
珍しく弥生さんからのお願い、だ
なんでしょ?
折角石化するレベルの呪い、それも龍神族が掛けたものが目の前にあるから無効化できないかやってみたいって
え?そんな簡単にできるものかい?
『【世界書庫】で新たにアクセスできるようになったエリアで発見しました』
いつの間に・・・
マイカの前に向かう
「神事:解呪」
マイカの全身が蒼く光って、それが収まると足首は元に戻っていた
「は?足が動・・・く?
一体何をしたのだ?」
早速食って掛かられました
「アウラムに抱っこさせるのも面倒かけるな、と思って呪いを解いたんだよ
自分で立って歩いて風呂入れるよね
紐付きで悪いが自業自得だから我慢してよ
アウラム、悪いけど逃げないよう固定するまではリード離さないでね
阿部ちゃんは悪いけど脱ぐの手伝ってあげてね」
3人とも解呪に納得してないような顔で女風呂に歩いていく
さて、これでようやく風呂に入れる
と思った瞬間
「旦那様~~~~~~」
シャールカーニが走ってきた
泡だらけだが、素っ裸だ
「どうしてあ奴の石化が解けているのじゃ~~~~」
胸倉をつかまれ、前に後ろに揺すられる
ただ、彼女の背が低いので前に引っ張られると同時に下に下げられる
黙ってると酔ってきそう
なんとか腕をつかんで止める
「魔術で解除したんだよ」
「なんじゃと?」
「今、言ったよ?」
ポカンとする
「魔術で解除じゃと?
我らの【呪い】は〈契約〉と同じ古から伝わるものじゃぞ!
それを解除するとは・・・・旦那様は一体何者なのじゃ?」
「普通の会社員ですけど?」
「カイ・シャイン?とはなんじゃ?」
「ええと・・・君の群れで例えると一番偉い社長ってのが君で、間にいろんな偉い人が居て、さっき町で飛んできたドラゴンが私や阿部ちゃん
そういう群れで働いている人のことだね」
「つまり旦那様より偉い奴が居るのか?」
「いっぱい居るよ」
呆然としている
「ところで」
シャールカーニを見て一言
「このままだと湯冷めして風邪ひくよ?」
すっかり泡も乾いて、そこに残ったのは素っ裸の美人さんだけ
「風ならば飛んでいればいつも浴びてるのじゃ!」
腰に手を当てて胸をそらしていばってらっしゃいます
風邪の概念もないかぁ
そもそも龍って風邪、引くのか?
いや、こっちの人類もどうなのだろう?
それよりなにより
見ているこっちは喜ばしいだろうけど、人様から見たら犯罪チック
出てきた痴女より一緒にいる私が悪い奴にされるパターンだ、これ
シャールカーニの背中を押して、女風呂に戻してからようやく風呂に向かう
浴槽の中ではニールが茹で蛸、いや茹でドラゴンになっていた
最長魔術「神事:解呪」




