11-3「寝床は問題」
大雑把な都市計画説明用に作った模型は外に作ったままであった
ただサイズがでかすぎて運搬するには難しいと思ってたが、サイズの大きなドラゴンなら持ち上げて移動させるのは可能ではないか?
そう思って頼んだのだが
「旦那様、ここにおけばいいのじゃ?」
「お、おお
頼むわ」
・・・旦那様呼びを直すのは諦めた
シャールカーニ一人で持ち上げて、そのまま管理棟まで歩いてきて会議室まで運び込む
手伝う余地はなかった
あれ、多分大型バイクくらいの重量あったと思うよ?
女の子一人で持つ重さでも大きさでは絶対にない
見た目は美少女、中身はドラゴン
うーん、ファンタジーワールド全開ですな
ニール共々、ここで少し見ていてもらう
「さて、と」
一から作るのも一瞬だが、せっかく作ったものの再利用も練習しておけば魔術のイメージ精度を上げられれば何かの役に立つかもしれない
そう思って模型に大豚用の運動用トラックと遊び場を追加する
積層したいくつかのパーツに分解できるようにして、地下部分のイメージがしやすいようにしてヴェルーリアにも見てもらった
実際に装甲車で一部分とは言え移動してるからスケール感は何となくでもつかんでいる様子
大豚のスケールモデルも作って模型に置いて見せることでイメージを湧きやすくする
こっちの説明は大雑把に伝えて、ヴェルーリアとの細部の詰めを阿部ちゃんに任せた
「空から町を見るようなものじゃの」
シャールカーニが町の模型を見て感想を言う
なにを表しているものなのか理解できているようだ
「私共は空から見ますが、こうやって作り物で表すとは考えたことはありませんね」
ドラゴンにもモノづくりの文化はないのだろうか
「二人にはいろいろ教えてもらいながら、さっき言った通り群れのドラゴンを住まわせることができるか考えようか」
「わかったのじゃ」
元気よく満面の笑みでシャールカーニが返事をする
健康的に白く艶々なギザ歯が似合いすぎ
龍神族となった二人も私らと同じく住めるのか?ってのも不明なんだがまずは残りのドラゴンか
二人を除いて16匹、魔牛より少し小さいくらいだが羽根を広げればそれ以上になるだろう
自力で空も飛べるし戻ってくるなら運動スペースは不要としても寝床は必要か
トイレはどうするのだろう?とかいろいろ疑問はある
それらを二人にストレートに問う
「寝床は少し広い洞窟があれば十分なのじゃ
鱗が強いから痛いとかもありゃせん
トイレじゃと?
人や獣と違って飲み食いしても全部魔素にできるのじゃから要らんのじゃ」
なんと!トイレも不要なのか
「新陳代謝はあるのか?」
「なんじゃ?シンチンタイシャとは?」
軽く説明をする
「そうじゃな、鱗や牙、爪が生え変わる時くらいかの
めったにないのじゃが涙や汗、子を成したり生んだ時にも出すことはだすのぅ」
寝床の掃除ってしてる?
「汚れたりしたら寝床を変えればいいのじゃ」
ニールを見ると頷いている
「わかった
じゃあ、ドラゴンの寝床を確保だけはしよう
ただし、ここに住むのなら掃除はしてもらうぞ?
あと、二人はドラゴンと一緒に住むのか、私らと同じく住むかも決めて貰らおう」
そう告げて、模型に少々手を加える
農業区の地下に魔牛飼育場と同じサイズの洞窟をイレースで作り、住居部と逆方向に斜路を作る
これで出入りの一元化もできるってわけだ
「こんな感じにしておこうと思う
灯りは一部に光る苔を洞窟からもってきて使えないかな?
ダメなら電灯みたいのを考えるよ」
「光る苔はよいですね」
ニールが腕を組む
「あれが寝床にあると気が休まるのですよ」
へぇー
洞窟が明るすぎるって文句言ってしまってたけど、そういう効果もあるのか
「多い方がいいのかな?」
思案して
「そうですね、明るすぎる、ということはないと思います」
「貴重じゃから我らの中でも力あるものが優先して光る苔のある洞窟を寝床にできるのじゃ」
あれ?
「もし、でっかい洞窟が光る苔でいっぱいだったら?」
私らが最初に居た洞窟、全面光る苔張りでしたけど?
「そんなものがあるわけないじゃろ」
よし、わかった
どうせ食料もそろそろ考えなきゃいけなかったから、びっくりさせがてら一度洞窟に戻って取ってくるか




