10-8「ドラゴン、先祖返りする」
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ありがとうございます
徐々に光が収まるとドラゴン娘改めシャールカーニが見えてくる
ん?
穴だらけだった両足、傷が無くなってないか?
なんか、少し大きくなったように見えない?
背中、羽根無くなってないか?
姪っ子を見ていたおっさん
愕然とした表情、てのが当てはまるくらい凄い顔してるよ?
「む?
先程まで治らなかった傷が塞がっておるな」
立ち上がると体を改めて見廻している
確かに穴が塞がって流血も治まっていた
「先ほどまでより目線が高く見えるのじゃが?
手足も細いし、足を見るのに胸が邪魔じゃな」
そう言いながら乳房を押しつぶして足を細部まで確認している
背がヴェルーリアくらいになり、プロポーションも若干、いや普通に女性らしい曲線と凸凹になっているように見える
あと・・立ち上がったらさっきまであった鱗らしきものが全部消えて丸見えですよ、お嬢さん
顔は子供っぽい感じがまだ残っているアンバランスさがなんとも
「なるほど、ナマエというのを決められると魂にナマエが認識されて魂が進化する
それによって魔力体が再構築されて魔素量が増大するのじゃな
以前に比べてだいぶ多くなっておるぞ」
うれしそうにジャブを打っている
「ケイ殿、これは?」
おっさんが聞いてくるが
「今まで名前つけたのと違うな
ドラゴンが特殊なのかもしれないけどどうなんだろうか」
『【世界辞書】より、識別名シャールカーニはドラゴンから【龍神族】へと先祖返りしています』
龍神族?
『龍神族はこの世界を作った〈創世神〉が創世直後に作った生物の一つです
人は神を模して造られていますが、龍神族はその神を模した人にドラゴンの力を内包した種族を指します
世代交代によりドラゴンの力のほうが強く残り、人の力については人化形態になれるだけでした
シャールカーニは【命名】による魂の進化で本来の龍神族としての力を取り戻したということになります』
そうなると?
『人化ではなく龍神族の本来の姿、つまり人型のまま形態固定されています』
あらま、それってでかい変化すぎるよな
『力や能力の基本は変わっておりません
人の体でもドラゴンの能力を使って支障はありませんが、シャールカーニの場合力も魔素量も【命名】前の30倍に増大しています』
・・・それ、さっきと違って倒せなくない?
『いえ、イレース弾はこの【世界】の防御魔法などでは対処不可能です
基本的には先ほどの戦い方で動きを止められます』
それなら安心か
『ただし』
弥生さん、続ける
『このまま能力値が固定されればの話です
自己研鑽などで増大した場合は再評価し直す必要があると考えます』
聞かなかったことにしておこう
おっさんとシャールカーニを呼ぶ
端的に今のシャールカーニに起きた変化を伝える
「我、ドラゴンに戻れないのか?」
若干顔が曇った
「そうなるらしい
元々龍神族ってのが居て、年月を経て今のドラゴンになったらしいよ」
「そういえばドラゴン族の口伝で元は人であった、という話は聞いたことがありますな」
おっさんが納得したように、改めて姪っ子を見つめる
「なんとなくじゃが、力は以前より増している感じがするのじゃ
これならば母上、もとい長を倒すこともできるのではないじゃろうか?」
物騒なことを言い出しましたよ、シャールカーニさん
まあ、30倍になっていれば当然だろうけど
「確かに、感じる魔素量は長よりも大幅に多く見える
しかし、長は力のみで決まっているわけではないのだぞ?
それを見誤ると今回のようなことになる
それは理解できるな?」
小さな娘を諭すようにおっさんは言い含める
恰好はいいが未だ全裸だ
「で、貴方はどうする?
シャールカーニと同じく龍神族になるかもしれない
それで困ることなどはないものだろうか?
ドラゴンとの意思疎通などに問題があるとこちらとしてもよろしくはなさそうなのだけど」
そう
力はあれども龍神族は見た目がどう見ても普通の人
ドラゴンが抑止力になるのは力だけではなくその風貌もあっての事と考えている
そうすると二人が龍神族になるまではいい
その後は抑止力としては他のドラゴンを常駐させないといけなくなるわけで、そうなると今度は意思疎通に難があるとアウト
そこはクリアできるのだろうか
「どれ、それでは一度群れの者を呼んでみようかの」
シャールカーニが一吠えする
遠くから同じような響きの声が数多く聞こえてくる
「きちんと通じてはいるようじゃ
一人呼びつけてみようと思うのじゃが、カホル様、ヴェルーリア様、よろしいか?」
「カホル様?」
「ヴェルーリア様?」
二人がびっくりする
そりゃそうだろう
さっきまで不遜な態度を取っていたドラゴン娘改めシャールカーニが敬称付けてきたのだから
「我の契約者様じゃぞ?
女神様と同じくナマエを呼ぶのは当然じゃろ!」
だ、そうだ
「うう、なんかむずむずします」
「なんとなく落ち着きませんね」
身悶えてるよ、二人とも
「えっと、ケイ殿どうでしょうか?」
先に立ち直ったカホルが問いかけてきた
「1匹だけならいいんじゃないか?
もし襲ってくるようなら即この世から消すから」
無反動砲を構える
「そうですね
先程ドラゴンにも通用するのがわかりましたし」
不敵な笑みを浮かべてカホルも拳銃を腰のホルスターから取り出した
「そういうことですので、試してみてください」
カホルが続ける
シャールカーニ、額に汗をかきながら吠える
先程よりも少々長い吠え方だった
少し置いてドラゴンが1匹、飛んでくる
着地とともに綺麗に土下座スタイルを取った
土下座の文化あるのか?
「無抵抗である意思を示すために伏せさせたのじゃ」
シャールカーニは続ける
「あ奴らが不信を買って撃たれては困るからの
徹底させたのじゃ」
意思疎通にも問題はないようだ
おっさん執事も問題ないとしたので、再度意思を確認して【命名】に戻る
さて、名前どうする?
「先ほどの中でよいものはないでしょうか?」
カホルから提案だ
おっさんのイメージか
見た目がおっさんなだけで流石親族
髪色や目などもまるっきり一緒
特徴という特徴がないか
男性名ねぇ
「町長」となってしまったおっさんの誤爆命名があっただけで、ちゃんとした【命名】は何気に初だな
んー
「ファフニールから取って「ニール」はどうだろう?」
女性陣を見回す
「「「いいんじゃないでしょうか?」」」
見事にハモって返してきた
姪っ子 シャールカーニ
叔父 ニール
とりあえず決定




