10-5「ドラゴン娘 VS カホルとヴェルーリアの変則タッグマッチ」
「そこの二人で我に勝てるとでも思っているのか?
笑わせるわ」
腕を組み、仁王立ちでふんぞり返ってドラゴン娘が声を張る
全裸で
もうさ、おっさんと姪っ子の羞恥心皆無でこっちまで感覚が麻痺しそうだよ
おっさんはまだしも、ドラゴン娘はいろいろ見えて刺激が強すぎる
そんなことはおくびにも出さずに言葉を返す
「準備をするから少し待ってもらおうか
それとお前はその姿で戦うつもりか?」
「我は人化したままでも問題ないぞ?
それともドラゴンの姿のほうがよいのか?」
いや、おっさんと話したときに聞いちゃったのだよ
君、自力で人化できる能力持ってないって
炸裂弾でびっくりして体内の魔素が暴走したのかも、って言ってたよ
つまり君、自力で戻れないでしょ?
ちなみにおっさん曰く能力的には変わりはないものの、肉体的な攻撃の内質量を伴うものや鱗の物理特性は発現しないらしい
力はともかくラリアットとか体当たりは慣性だけみれば普通の女の子レベルだということか
パワーや速度は別物だろうけど
カホルとヴェルーリアを呼んでクリエイト
ヴェルーリアは初めてクリエイトを見たからか、武装が目の前に出てきたのを見て目を丸くしていた
カホルの武装として既に渡してあるオートマチック拳銃型のレールガン、昨日からの戦いを踏まえて属性付与が自動アップデートで反映されているが、3種類になったため切替機構を追加する
カホルは右利きということで左側に小型タッチパネル画面を設けて表示中の属性に切り替えるように仕様追加実施
使い方はすぐわかった
ヴェルーリアは実際に戦って足技中心の攻撃だったが、本人もそれで合っているらしいので特殊レガースをクリエイトする
鎧の脚部なので野球のレガースとまるっきり違う、当たったら痛そうな形状だ
パーツは細分化して足首や足自体の動きを阻害しないように可動部を作る
全てのパーツが単結晶構造で作られ、内側にはアンダーウェア同様の極薄多重衝撃吸収装甲と断熱材を仕込んである
アンダーウェアと併せてこれで足自体へのダメージはほぼゼロになるだろう
二人用に防護装備もクリエイト
阿部ちゃんを伴って管理棟に戻り、作ったばかりの1階会議室で着替えてもらう
カーテンなどはないけど基本管理エリアには部外者は居ないから、私とドラゴンのおっさんが見てなければ男の目はない
更衣室はあとできちんと作るという約束をさせられる
前回のアンダーウェアのみでの阿部ちゃんの「絶対零度対応」があったので最初からジャケットとゴーグル、パンツも渡しておく
ただしヴェルーリアはパンツではなく更にロングのフレアスカートにした
「先輩?
足技使うヴェルーリアの下がスカートってのはどうなんですか?
私が普段着作った時、ダメ出ししてましたよね?」
ジト目が飛んできた
「パンツだと足の動きが丸見えでしょ?
足元が見えないほうがどこから攻撃が来るかわかりづらい利点があるのだよ」
「へぇー」
君、疑ってるでしょ?
「ついでに言えば、回転してフレアスカートが広がるとそれこそ足元の幻惑を誘うし、目を奪う効果もあるし」
「それって人間のすけべな男限定では?」
そんなことないよ、と指を振る
着替えに入り、数分後出てきた3人
つけ方がわからないまま出てきたので、ヴェルーリアにレガースを装着してやってからドラゴンが待つ表に出る
「遅かったではないか」
ふんぞり返るドラゴン娘
眼福だけど流石にそうは言ってられないんだよね
戦闘力不明なカホルと装備を初めてつけたヴェルーリア
おまけに相手は人化したとはいえドラゴン
フル装備してはいるが、二人のことが心配ではある
「もしヤバそうだったら降参してもいいからね
絶対無理しないように」
念を押す
「わかりました」
二人が答え、ドラゴン娘に向かっていく
「ところで貴女、一匹でよろしいのですか?」
カホルがドラゴン娘に尋ねる
「我一人で問題があるか?」
肩を竦めて鼻で笑ったカホルはこう言った
「ドラゴンごときが一匹で勝てるとでも?」
あからさまな挑発、言った本人は本当に余裕そうなんですが?
ドラゴン娘が口を開けると同時に、空中に極小の光の玉が現れる
それは急速に圧縮され更に強い光を放ち、咆哮と共に前方に曝射される
狙いは当然、二人だ
まずくないか?
防御装備は大丈夫でも熱光線で生身の部位がやられないか?
固唾を呑んで二人が居た場所を見つめる
曝射が終わり人影が見えた
二人とも立っていて前腕と肩に盾が自動展開している
しかし、その前に更に光る魔法陣のようなものが見えた
手を伸ばしたカホルの掌が陣の中央にあった
「せっかくケイ殿に作って頂いた装備、傷つけないよう防御魔術を展開しましたが、不要だったようですね」
ほんとにあの曝射受けて大丈夫かね?
「では、こちらもお返しをさせていただきましょう」
そういって拳銃を構え、撃つ
第2射を放とうと口を開けたドラゴン娘の右足に着弾し、丸い穴が貫通している
拳銃サイズとは言えイレース弾を容赦なく撃ったのか
見た目通り人だったら多分足が吹き飛んでいるだろう
ドラゴンの強度があるから穴が開くだけだろうが、それでも効果は絶大
ドラゴン娘がぐらつき、踏ん張ろうとするが今度は左足に穴が開いた
溜まらず膝をついたがそこに右、左と膝を撃つ
前のめりに倒れそうになるが、腕をついて曝射しようとしたところを今度は両肘を連射
地面に伏してまだ口を開け攻撃の意思を見せるドラゴン娘の口に銃口が突っ込まれる
一体いつ移動したのか
30mは離れていたはずで、現に最初に曝射喰らった場所には焼けた地面とヴェルーリアが残っている
「さて、この位置ならブレスを撃つより早くあなたの脳に穴を開けられますよ?
まだ攻撃してきますか?」
淡々としゃべるカホル、怖っ
流石にドラゴン娘は目を閉じた
覚悟なのか、降参なのか
いずれにしてもカホルが勝ったということだろう
そしてヴェルーリア
何が起こったのか理解できてないみたい
呆然としているよ
クルっと回ってスカートが広がっての回し蹴り、綺麗ですよね




