10-4「ドラゴン娘を解らせよう」
「貴様、この娘に〈契約〉を盾にして我に仕返しさせようとしてるんであろう!」
ドラゴン娘がむくれた声を上げる
即座におっさん執事にどつかれるまで、一連のコントのような流れだった
「まだ〈契約〉前とはいえ、許していただく為に〈契約〉をさせていただくのだぞ?
あれだけの力量差を見てもまだそのような口を利くのか?
お前を倒した皆様への口の利き方がなっていないのではないか?
それでもお前は恥ずかしげもなくドラゴン族の次期長と胸を張って言えるのか?」
おっさんが凄む
叔父としても姪っ子を矯正できなかった後ろめたさとすまなさが同居しているのだろうか
「君の叔父さんには伝えたが、お前を生かす条件は私らへの労働力提供と我々に対する悪意ある攻撃への抑止力提供が条件だ」
「労働力と抑止力ってなんじゃ?」
「ドラゴンの姿で力仕事して貰ったりして手伝ってもらうのが労働力提供、外敵が襲ってきそうな時にドラゴンの姿で脅すなり後ろ盾にドラゴンが居るぞって脅して手を出させなくするのが抑止力、だな
常に私らの手の届くところに居てこれらの提供をするのが今回の出来事を許す条件だ」
「ふん!
その程度どうということはないわ!」
思わずおっさんと顔を見合わせてしまった
「おっさん共々お前自身がずっとカホルとヴェルーリアに〈契約〉で縛られて命令されたら仕事しなきゃいけないんだぞ?
それも契約期間なしのつもりだが?」
「ぬ?」
「たとえメシ食ってようが寝てようが命令されたら従う、できなければ〈契約〉で罰が下るってわけだ
それが温いと?」
「そ、それは・・・・・酷いのではないか?」
少々顔が曇る
「「その程度どうということはないわ!」とか言ってたろ?
浅慮すぎるだろ
そんなだからおっさん、ひいては他のドラゴンにも迷惑かけてるんじゃないか?」
うつむいて唇を噛む様子が見える
そうこうしていたらモートラが走ってくるのが見えた
カホルはおっさんと町民を居住区に降ろしてきたようだ
「ただいま戻りました
外に多数のドラゴンが居ましたし、町から戻る途中に凄い音が聞こえたりしましたがなにかあったのでしょうか?
町長たちを住居部に降ろしてきましたがよかったでしょうか?」
裸のおっさんとドラゴン娘を見て
「こちらのお二方は?」
かいつまんで説明し、カホルとヴェルーリアの二人でドラゴンの契約者になってもらい管理を任せたい、と伝える
了承を貰い、ヴェルーリアにも再度確認しておっさんとドラゴン娘に面通しする
実際、おねえさんにもJC女神にも3年、という期限を確約してもらってる
仮に私なり阿部ちゃんを契約者にした場合、元の世界に戻ったら〈契約〉がどうなるかというのが懸念だったのだ
そこで元々この【世界】の住人である二人を契約者にすれば少なくとも二人が生きていて〈契約〉が有効ならば私らが居なくても力仕事や防衛で困ることはそうそうないだろう
流石にあのサイズの生物が人より非力、ってことはないだろうからね
ところが、だ
「我より強くなければ約定は誓うが〈契約〉まではせん!」
やっぱりゴネ出したか
予想してたとはいえ、契約者は力を示せ、ってか?
今朝逢って仲間になったばかりでヴェルーリアの力は不明だが、素手であのレベルとは言えドラゴンにはどうだろう?
カホルは・・・よく考えたら実戦にぶち当たってなかったな
「二人がお前に力を認めさせればいいんだな?」
よし、あいつの鼻っ柱を折ってやろうじゃないか




